ブレイキング・バッド シーズン5 第3話感想です。
最後まで必ず見届けはしますが、『ブレイキング・バッド』へのモチベーションがここに来て、極端に下がってきました。
シーズン5でこのシーズンが最後なのに・・。
シーズン4のラストがショックすぎて気持ちを取り戻せないでいるまま、シーズン5に入って3話目。
ウォルターのことを応援できない展開が続きすぎて、ウォルターが巻き込んでしまった周りの身近な人が、心底かわいそうになってきてしまったのです。
特に、ジェシーとスカイラーはかなりかわいそう。
ウォルターの行動や判断で、誰かが辛い目に遭ったり傷ついたりしているのを見るたびに、わたしも傷つく。
そういったわけで、今回もテンションが下がりっぱなしのエピソードで辛かった。
唯一の救いは、マイクがガスの遺したものを守ろうと一人で頑張っていることぐらいですね。これでまた、イラついたウォルターがマイクと対決することになったら、もう本当に・・。
シーズン5第2話の感想はこちら ↓ ↓
シーズン5第3話は、ウォルターとジェシーがマイクを説得し、新しいビジネスを稼働するのに向けて、ソウルも交えて四名で『新しいチーム』を結成するエピソードでした。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
わたし、ダメなんですよね。
好きなキャラが死ぬの、本当にダメなんです。
今まで、好きなキャラが死んでもちょっとびっくりしたぐらいで平静を保てたのは、登場人物がいつ誰が死んでもおかしくない『ゲーム・オブ・スローンズ』ぐらい。
今回、『ブレイキング・バッド』ではガスを失ったことで、不祥事を起こした上場企業の株価のグラフぐらいモチベーションがドーンと下がって、全然浮上しない。
ガスとウォルターの対決自体は自然な流れだったような気もするし、ガスを失った元凶であるウォルターに恨みとかは一切ないのが、これもまた不思議な感情だと思うのですが、恨みはないけど、ウォルターのことがジワジワ嫌になってきました。
多分、スカイラーにすごい感情移入してるんですよね。
なので、わたしも壊れてきている(笑)
今回は、ソウルを説得してマイクを迎え入れ四名で新チームを結成して、ビジネスを始めることになりましたが、マイクのことを嫌がるソウルにも「ビジネスを仕切るのは彼だが、彼を仕切るのは自分だ」とか言って、超えらそうだし。
マイクがいなかったら、たくさんの製品を売ることはできない状態だから、彼を迎え入れたのに、だったら一人で全部やればいいじゃんっていう気になってくる。
そして、お金のことひとつにしても、ウォルターがビジネスを簡単に考えていたことが露呈されたというシーンがこのマイクとの取り分のやり取りでもありました。
作っている自分が一番偉く、一番取り分が多いべきと考えるウォルターが、今回の原題である、『Hazard Pay』という、作ったものを流通させる大変さについて、全く考えが及んでいなかったという一コマでもありました。
マイクの言うとおり、ガスが20年かけて築き上げてきた法をくぐりぬける販売の方法やルートやコネクションにはそれなりのコストがかかっており、ガスはそれを全部引き受けて、作業場まで用意し、作業料としての手取りだけを破格の高待遇でウォルターとジェシーに渡していた。
マイクはその事実を、札束を目の前にしたウォルターとジェシーに一つ一つ説明しながら、淡々と見せつけていったわけです。
マイクの、心の広さにはいつも感心してしまうのですが、「よく、このクソ素人がっ! 黙ってろっ!」ってブチギレないなと(笑)
マイクは、ウォルターとヘクターにガスがやられた時、メキシコの件で手負いだった自分がガスのそばに居なかったこと、腹心だった自分がガスを守れずに、自分が生死の境から立ち直ったら、ボスを失っていたことに対して、マイクが実際のところどう思っているのか描かれたシーンは今までありません。そして、ジェシーはともかく、どんな気持ちでウォルターと接しているのか、わたしは知りたいし、描かれるといいなと思っていますが、この作品は『ブレイキング・バッド』なのでそこ残念だけど割愛かな。
マイクへの偉そうな態度にも腹が立ちますが、すぐカーッとなってブチギレて、ピザを投げたり、ハエと戦ったり、車暴走させたりと、突飛な行動に出るウォルターは大好きだったんだけど、今回のエピソードでのジェシーを自分の思い通りに動かすやり口と、スカイラーをマリーに売ったやり方もどうしても好きになれないし、なんかすごい傷ついた。
家族を守るのが目的だったはずなのに、その家族も駒にしちゃうんだっていう。
ジェシーを彼女と子どもから引き離すのも、「あくまで自分はジェシーと彼女とその子どものことを思って」みたいな発言を繰り返し、単純でピュアなジェシーが、家族を巻き込むわけにはいかないって思わないわけがないのを利用した引き離し作戦、自分は家に帰って子どもと楽しく過ごし、スカイラーを情緒不安定にさせておきながら、ジェシーの今の小さな幸せを奪うんだって、すごい冷めた目で見ちゃっていた自分が居ました。
子どもと対面するシーンがあったけど、子どもはウォルターを見ても初対面風な感じだったことから、直接的に会って毒を飲ませたわけではないんだなということがなんとなく伺い知れましたが、直接自分が殺したかもしれない子どもに会って、ウォルターはどう思ったんだろう。平然と夕食を一緒にとることになっていたし。
更には、精神的に壊れたスカイラーが我慢できなくなってマリーに当たり散らし(かなりウザかったけどね、あの時のマリーも)ウォルターにスカイラーの件を問い詰めた際、自分が悪者になるのではなく、スカイラーを売るというあのすっとぼけた「え? まさか知らなかったの? 知らないと思ってなかった」的なわざとらしい発言。
それ言っちゃう? って茫然としました。
ベネキーのことを殺したいぐらいに思っているのはわかるけど、スカイラーがあんな状態になっているのにほっといてるばかりか、更にスカイラーの秘密を妹に漏らすとは信じられない。
ウォルターがしているのは、自ら孤独を招いているような自滅的な行動に思えてきたし、もう通常の精神状態じゃないのだなと回を重ねるごとに思ってきてはいます。
この先、そういう感じのウォルターがみんなに見放され孤立化し、一匹狼化していくウォルターに痺れる展開のドラマになるのか、それともわたしの考えが全く及ばない展開になっていくのか、とにかく、『ブレイキング・バッド』という素晴らしいドラマの主人公に、これ以上周りの人を不幸にして欲しくないという思いで今は一杯です。
今、ここで視聴者のウォルターへの不信感を増幅させて後でどんでん返しで盛り上げる作戦とかならいいけど、シーズン5に入ってから、主人公であるウォルターに共感できる部分が全然なくて、つまんないを通り越して不安になってきています。
それでは、また。
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