ブレイキング・バッド シーズン4 第11話の感想です。
なんか、もうダメ。
正直なところ、ここに来ていろんなことがありすぎて、今回のエピソードみたいなごちゃごちゃした思考回路になっていて、何を書いていいのか、何から書いていいのか全然わかりません。考えもまとまらないです。
なので、この行を打ち始めるまでにしばらくボーっと色々考えていたのですが、全然指が動かないので、ここは一旦落ち着いて、読んでる皆様はもう飽きていると思いますが、自分の気持ちを整理するため、いつもの『邦題適当につけるな』という、英語(スペイン語の時もありますが)のお勉強からスタートです。
そもそも、『降りそそぐ危機』って・・。抽象的すぎるし、『最初からずっと、ブレイキング・バッドに危機は降りそそいでるわ!』っていうツッコミは普通にしましたよね。
今さら無理だけど、もうこの際、直訳にしてほしい・・わたしは、『ブレイキング・バッド』製作陣が心を込めて、練りに練って凝ってつけたタイトルをリスペクトしてほしいだけなんだ!
と切実に思っていた折、、あと数話に迫ったシーズン5のタイトルをざっと見ると、だいぶ直訳寄りになっているので、タイトルつける人が変わったのかもしれないと薄々思っている次第です。そして、ちょっとほっとしています。
今回のタイトル、本当は(というのも変だけど)『Crawl Space』というんです。
【Crawl】という英語は単体だと、泳法のクロールのほかに、這う、のろのろする、徐行する、こびへつらうなどの様々な意味があるのですが、おそらく代表的な意味の【這う】から派生して、【Crawl Space】は、【建物などの床の下の低いスペース】、要するに、【床下】という意味となります。
今回、【床下】はエピソードの肝であり、重要な存在だったにもかかわらず、『振りそそぐ危機』・・。
残念がすぎたので、『人生で一番大事なことはタイミングだと、ホワイト夫妻が教えてくれた』と自己啓発本みたいな記事タイトルをつけて遊んだりして気を紛らわせています。
でも、本当になんてタイミングも悪く、運の悪い2人なんだ・・。
さすがにかわいそうになってくる。
第10話の感想はこちら ↓ ↓
11話は、メキシコの組織とガスの決死の対決のその後と、ベネキーの件でスカイラーが。ハンクに捜査に振り回されていることでウォルターが。それぞれのっぴきならない状態になり、大ピンチを迎えてしまうエピソードでした。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
まずは前回、ガスがメキシコの組織に一矢報いた事件の続き。
ジェシーの頑張りにより、ガスもマイクも一命を取り留めることに成功したわけですが、まさか、ガスがメキシコに医療班まで準備していたとは驚いた。
さすがすぎる。
そして、ガス、マイク、ジェシーそれぞれの輸血用血液が用意されていたことをジェシーが知り、ガスが最初から自分を死なせる気はなかったと示されたシーン。
最初はあんなに疎まれていたガスにに認められたと知ると同時に、ジェシーの意思と関係なく組織の一員とされ、逃げられない状態になっているうえ、ガスのターゲットが自分からウォルターに変わったとジェシーが気づいた複雑な心理を現す難しいシーンでもありました。自分が組織の一員としてやっていくかわりに「ミスターホワイトを自由にしてやってくれ」とガスにダメ元で言ってみるけど、やっぱりダメで。
とぼとぼガスの後をついていく、ジェシーの背中が切ない。
その後、組織を壊滅させたことをガスがジェシーを伴ってヘクターに報告に行くわけですが、もちろんここ最近のメキシコとのトラブルやあのエルマノス事件により、メキシコの組織自体やボスへの復讐心ももちろんあったと思うのですが、ガスが一番に復讐したい相手はヘクターだったんだなと、わたしは思いました。
命を奪ったほうがマシな苦しみを、ヘクターに与え続けるガスの執念。
今のままのウォルターが、このガスに勝てるわけはないと思うのです。
ウォルターはガスのことを全然知らない。
そして、ベネキー脱税問題を解決に導きたかったスカイラーが最悪の事態を招いてしまいましたねー。。
おとなしく国税にお金払えばいいのに、「払ったとしてもどうせ会社は潰れるから」とか、自分も違法な不正して私腹を肥やしていたくせに、「違法なお金は使いたくない」とか意味不明なことを言って、サインを拒んでスカイラーを怒らせていましたが。
要は、あれですよね。脅しとか本当にそんなんじゃなくて、「スカイラーのことだけ助けるのは癪にさわる」ってことだと思うんです。
スカイラーは一時期ベネキーとそういう関係にあったのに、色々などさくさに紛れて適当にうやむやに処理したから、ベネキーすねちゃったんだと思うんです。
もし、ベネキーの機嫌を損ねない形できちんと関係が処理されていれば、国税にお金を払ったのではないかと思います。
ごねるベネキーに強制的にサインさせようとして失敗したスカイラーでしたが、客観的にあの状況を見ると、あのやり方ではなく、泣き落としにすればいいのに・・と思って観ていました。
「色々大変であの時のことはごめんなさい。でも、決してあなたのことをないがしろにしたわけじゃない。産まれたばかりの子どももいるし、離れるわけにはいかない。母として子どもたちを守らなければいけない。お願い、わたしを助けて・・」と涙ながらに訴えれば幼稚なベネキーはサインしたと思います。
そして、変なところに敷いたラグマットにつまづいて転んで死ぬこともなかった。
そして、今回の一件でスカイラーは、お金をウォルターに黙ってベネキーに渡してしまったことも、ラストの床下でのウォルターの地獄絵図を生み出してしまったから・・。
そして、最後にウォルターの件。
確信に迫るハンクに振り回され、メキシコでのジェシーの安否を気遣い、ガスの処遇に怯える普通のおじさんはかわいそうで見ていられない。
そんな日常に翻弄されるなか、ハンクの捜査をなんとか回避したにもかかわらず、ガスに拉致られ、荒野のど真ん中で脅される。
藁をもつかむ思いでソウルのところに駆け込むも、自分がそこまでして命をかけて稼いだお金は、妻が浮気相手の脱税の隠ぺいに勝手に使用し、自らの存在を街から消し去りたいとまで思いつめたあげく、家族を守ることもままならない満身創痍の状態にまで追い込まれてしまった。
ブチギレて屋根にピザをぶん投げ、ハエ一匹に執念を燃やす、そんなウォルターが見たい。
ガスの策にハマりまんまと引き離され、お互いの気持ちがすれ違いまくっているウォルターとジェシー。
ラボを使われた形跡を発見しジェシーを探し当て、ジェシーの顔をやっと見れた時に一瞬だけウォルターが嬉しそうな顔をしたのに、またすぐさま喧嘩に発展。
ジェシーはジェシーで自分に近づくウォルターが危険だと心配しての言動だったとは思うけれど、この時ウォルターがジェシーの顔を見て安心して、嫌がるジェシーを無理やりハグでもしていれば状況は変わったかもしれないのに。
ソウルに助言された時に『人消し屋』に頼んでいれば・・、スカイラーとウォルターはもっと腹を割って話し合っていれば・・、ベネキーのことなんてほっといていれば、ジェシーにもっと素直になっていれば・・、そもそも、こんなことに手を出していなければ・・と、もう二度とやり直せないあの時の『たられば』のことばかり考えてしまう。
なにしろ、ホワイト夫妻をはじめ、登場人物のほとんど(ガス以外)タイミングが悪すぎる!
でも、もうウォルターがここまで追い込まれてしまったら荒野の真ん中でウォルターがガスに訴えていた通り、ジェシーはウォルターを裏切らないというふたりの絆と信じる思いに掛けるしかない。
ウォルターを助けられるのはジェシーしかいない。
『ブレイキング・バッド』はウォルターとジェシーのバディドラマだからだ!
というわけで、シーズン4も残り2話です。
ウォルターの運命はどう転ぶのか。
シーズン5があるのはわかっているけれど、このままでシーズン4を終わって欲しくはないのです。
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