HBO作品 『ビッグ・リトル・ライズ』(Big Little Lies)シーズン2感想です。
うーうーうーうーうううううぅ~~~
うーうううううぅ~
うーうぅ~
でぃぢゅえば ぅおにぃっ?(Did you ever want it ? )
でぃぢゅえば ぅをん ばぁっ?(Did you ever want bad ? )
おぉ~~まぁ~~~ぃ(Oh my)
(注:『ビッグ・リトル・ライズ』オープニング曲 Michael Kiwanuka ”Cold Little Heart” )
いつも聞くたび寒い感じがしていたこの曲とオープニング映像ですが、歌っている人が思っていたよりはるかに若かった・・。(1987年生まれ)
アラウンド60ぐらいだと勝手に思っていたので、すごく驚きました。
なにしろ、耳に残るナンバーで印象的でした。
一度聞くと、必ずループした(笑)
というわけで、シーズン2も完走!!
シーズン2はメリル・ストリープの降臨ということで界隈がざわついていて、わたしも遅れて参戦しましたが、想像以上のメリル・ストリープを見させていただきました。
明るく強い愛情深い母【マンマ・ミーア】から、狂気じみた愛情深い母【メアリー・ルイーズ】まで、女優って本当にすごい(笑)
5人の母の物語に、もう一人の母、メリル・ストリープが加わり、シーズン1からの女優さんたちの演技にも更に磨きがかかり、作品に凄みと幅が生まれて、非常に見応えがありました。特に、メリル・ストリープと絡みの多かった、ニコール・キッドマンはもうわたしの中では、完全にセレステ。
ちなみに、わたし自身を客観的に5人の中で性格が近いタイプに当てはめると、
セレステとレナータを9:1だそうです。
でも、なんとなくわかる。
だから、わたしマデリンが大好きなんだわ(笑)
あらすじを挟んで、シーズン2をネタバレありで振り返っていきたいと思います。
シーズン1未見の方は、以下は絶対読まないほうがいいので、まずはこちらから。
<広告>
~あらすじ(ネタバレあり)~
ペリーの衝撃的な死の後、秘密を共有したマデリン、セレステ、ジェーン、レナータ、ボニーは、町で”モントレー5”と呼ばれるようになっていた。
それぞれの子どもたちは、2年生の初日を迎える。
ペリーの母、メアリー・ルイーズ・ライトは、息子の死の真相を知るためと孫の様子を見るため、モントレーに来ていた。
ペリーの死後、情緒不安定になっていたセレステは、子どもの面倒を見てくれる義母に対して助かる部分もあったが、メアリー・ルイーズは少し変わったところのある人だった。ペリーの虐待の事実を認めなかったり、事件の真相を知るためにセレステの友人たちの間でトラブルを起こしたりといら立ちも感じていた。
そんなある日、睡眠薬とお酒で前後不覚になり車の事故をセレステが起こしてしまったことを義母が知る。
ジェーンの息子、ジギーがペリーの強姦の末出来た子どもだと知ったメアリー・ルイーズはジェーンにも接触をはかり、その事実は子どもと町にも広がって。
ボニーはペリーの死で罪の意識にさいなまれ、ネイサンとの仲もどんどん崩壊していっていた。ボニーの身を心配したネイサンは、ボニーの両親をモントレーに呼ぶが、そのことがさらにボニーの情緒を崩壊させていく。
ボニーは真実を暴露したい自分と常に戦っていた。
一方、その頃、エドもマデリンの不貞行為を許せない自分とマデリンを失いたくない葛藤で苛立ちを募らせていた。
マデリンは、エドに許しを請い、過去の過ちを謝罪したが、なかなかエドの心の氷は溶けなく苦戦していた。
レナータは夫のインサイダー取引により築き上げていたキャリアや資産を奪われることになった。娘のため、自分のため、再起を誓うレナータだったが、次々と露わになる夫の所業に追い詰められていく。
ジェーンは、新しい出会いがあったが、ペリーとのことがフラッシュバックし、なかなか次の段階に進めていなかった。
そんな、モントレー5に更なる衝撃が降りかかる。
メアリー・ルイーズがセレステの情緒不安定を理由に、双子の兄弟の監護権を請求する裁判を起こしたのだ。
それぞれの事情を抱えながら、セレステと息子たちの絆、そして自分たちが抱えた秘密を守ろうとするモントレー5の運命は・・・。
いやー、しつこいようですが、メリル・ストリープすごかったですねー。
思ってもみない想像の斜め上をいく、キャラクターで初見はかなり驚愕しました(笑)
悪気なく人をイラつかせる役を世界であんなにうまく演じられる人ってやっぱり、限られると思う。
メリル・ストリープが演じる、メアリー・ルイーズが入ったことで、主に6人の母の物語が展開されたわけでしたけども、出ずっぱりというわけではなかったのにピンポイントで、うまい具合にかき乱してくれて、最高でしたね!(笑)
ああいう、ヒールの演じ方もあるのかぁと、心底感心しましたし、賞賛するしかない演技に魅了されっぱなしでしたね。
それに対峙する”モントレー5”のメンバー、特にセレステ演じるニコール・キッドマンの演技もさすがで、情緒不安定でいながらにして、気の強さや優しさも垣間見せる双子の母を熱演。ラスト2エピソードは、義母のサディスティックな攻撃に耐え抜き、反撃もするという展開に目が離せませんでした。
第6話では、弁護士の尋問に終始小声で答え、友人たちも知らないセレステの姿が義母から友人たちに明かされるという衝撃的な出来事を乗り越えて、自分がDVされている映像をセレステ自ら公開するという大胆なやり口でピンチを乗り越えました。
そんなセレステを支えきったマデリンは、夫の頑固さによく耐え抜きました!
アビゲイルが秘密を洩らした時もアビーを叱らなかったし、エドにも彼女なりに誠心誠意対応した。
セレステが裁判に心折れて「母親失格なのかな・・」みたいにこぼしたとき、心からセレステを叱り、彼女がDVに苦しんでることに気づいてあげられなかったことで、マデリンが傷つく。
そういう、裏表のない所が大好きなマデリン。
感動して、泣きそうになった。
わたし、中身がセレステっぽいところあるんで、心底励まされた。
途中、エドのうざさとしつこさに、マデリンではなくわたしのイライラがピークに達していたけど、それもエドが好きだからこそで。
実はあの感じは嫌いじゃないんだよねー、イライラはしたけど、ぶちギレるほどじゃない、我慢できるレベル。
そして、ネイサンに粘着されてるのが心底気の毒だった(笑)
わたしにとって、一番嫌なのはレナータの夫、ゴードンだった。
あれは、クズすぎるー。無神経の度合いが常軌を逸している。
ネイサンは、バカだけど性根が腐っているわけじゃないじゃん。
憎めないバカっていうかさー、バカはバカなりに頑張ってるじゃん。
顔はあんまり好きじゃないけどモテそうな気はする。それはわかる。
けど、ゴードンは・・。最後のトドメの一発すごかった・・。
破産と浮気を我慢したあげくに、あれはない。
レナータ、シーズン2通して、すっっっっごくかわいそうだった・・。
いじめ問題でシーズン1ではヒール役だったけど、誤解でジェーンを攻撃してたってわかってからの誠意がすごくて、本当に子どものためを思っての行動だったんだなって思ったし、だからと言って人を攻撃していいわけじゃないけど、必死だったんだな、悪い人じゃないんだなって思うには充分だった。
レナータは夫をゴードンに選んだ以外、なんの落ち度もないのにあんな目に遭い、メアリー・ルイーズに子育てまでダメ出しされていた。
わたしは個人的にあの中では、結果的にレナータが母親だったらいいなって思っていた。
それぞれ、みんないい母親で頑張ってて偉い! ってすごい思うんだけど、マデリンは正直で思いは強いけど、違う方向にいっちゃう感じがする。
あーーー・・、そっちじゃないーーー!!! みたいな(笑)
そういうところも含めてマデリンのいいところで友達としては最高だけど、母親だったらアビゲイルみたいに反抗期をこじらせそう。
ジェーンは辛い過去を抱えながら、母親としては愛情深く息子に接していて素晴らしく、ジギーも優しく人の気持ちを敏感に感じ取るいい子に育っている。
新恋人のコリーはジェーンと一緒に食事したときの店員への態度が気になっていて、ちょっとモラハラ気質があると思うので、ジェーン自体はいい人だけど、男見る目ないのは子どもの生活に直結だし、自分が生まれてきた理由をこの先思春期とかになった時、思い悩むかもしれない。母が苦しむから母には言えないし、葛藤がありそう。
セレステは特に欠点はないんだけど、おばあちゃんがメアリー・ルイーズっていうのは、この先しばらく続くのでなんか心配なのと、性格的に自分と似ているところがあるので、自分が自分の母っていうのは・・ちょっと・・。
ボニーは、事情はよくわかったし、同情する部分が多々あるし非常にかわいそうなのですが、シーズン1からあんまり好きじゃないので・・。
というわけで、消去法という消極的なジャッジになりましたが、レナータはシングルでも、破産しても、絶対頑張ってくれる。
彼女の生命力と、面倒見の良さと、愛情深さが好きですね。
最後、おもちゃの破壊とゴードンへの一発よくやった(笑)
メアリー・ルイーズは母としてはちょっと怖いので考えられないですが、彼女は彼女なりに子育て頑張ったし、むしろボニーの母もそうなんだけど、子育て頑張ってない人は、このドラマに登場してない。
世の中の多くの母親はみんな必死。
その時の環境、夫との関係、子どもとの相性、自分の精神的なもの、色々事情はあるし、思った通りに子育てできなくて、子どもに怒りをぶつけてしまって、ボニーやペリーみたいな傷を負ってったり、負わせてしまうこともあるわけなんだけど、よくある話ではありますが、わたしはそういう傷を持っている方の人間なので、メアリー・ルイーズとボニーの母を擁護はしません。
なので正直、ボニーが両親や過去と対峙するシーンは辛かったですね。
葛藤する気持ちすごいよくわかったし、苦しみをよく演じられていたと思う。
同じ環境で、同じ育て方をされたとしても、傷を負わない子もいると思うし、大人になって自分の中で消化できる人も居ると思う。
本当にケースバイケースだと思うのだけど、ボニーやペリー、そしてわたしも含めて大人になっても傷が消え去ることはなく、人格形成に激しく影響し、幸せに暮らしていても影のように追ってきて、一生つきまとうものだとわたしは思っているので。
メアリー・ルイーズが自分の息子を悪人だと思いたくない気持ちや愛していた気持ちは絶対的で、セレステや孫に愛情を持っているのも本当だと思うし、あの年になって子どもを失い、子育ての不備を指摘されるのを、同情する反面、複雑な思いで観ていました。
シーズンラストとしては1と同じく綺麗にまとまっていて、これも素晴らしかったと思います。
モントレー5のそれぞれが抱えている案件は、無事に終わったというわけではないですがそれぞれのリスタートが出来た感じでしたし。
ただ、最後、せっかく色々終わったのに、全員集まって警察に駆け込んだのはペリーの件を告白するためなのか、警察にカタをつけにいったのか、それともまたうそにうそを重ねるのか・・。
シーズン2も非常に面白かったです!
多少の内輪揉めはありましたが、モントレー5から裏切り者が出なかったの非常にホッとしました。
演技と演技のぶつかり合いにまた夢中になりたいので、シーズン3への更新を期待したいですけど、”このまま終わっても、これはこれでアリ”という作り方をしてくれるのが『ビッグ・リトル・ライズ』の好きなところでもあります。
【今年観た海外ドラマランキング2019】上位は確実ですね!
何位になるのか、発表をお楽しみに!(笑)
というわけで、それではまた。
<広告>