Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』です。
Netflixが湯水のようにキャスティングにお金を注ぎ、ブロードウェイミュージカルを映画化したバブル・ミュージカル・ムービー『ザ・プロム』。
すごくよかったです。
軽く観られてハッピーだったし、キャストも豪華。
そして、主演のエマを演じた子が、若いときのドリュー・バリモアに似ていてすっごく可愛くて、わたしはドリュー・バリモア大好きなので、若い時のドリューを観ているようでそれだけでも観た価値があったうえ、エマの天真爛漫さが内容のシリアスさやミュージカル独特のストーリーのツッコミどころも隠してくれた感じで最後まで楽しく観られました。
楽曲もとてもよくて、ミュージカル初心者にも楽しめる作品だったと思います。
※エマとドリューが似ていることだけでも観てほしい予告。
本格的な感想に入る前に、残念だった点を二点ほど先に言っておきます。
IMAXの劇場で観たかったーーー。
(若干まだ映画館でやっているところもあるけどミニシアター)
なんで、アリアナ・グランデじゃないんだーーーー。
(ツアースケジュールと被ったため、代役に変更したらしい)
1点目。
やっぱり、ミュージカル映画は、スクリーンで観るのが一番だと思う。
『魔法にかけられて』をスクリーンで見逃したのを、おそらく死ぬまで後悔するわたしは改めてそう思った。
以下、ミュージカルについての個人的考察をぶつぶつ言いますね。
ミュージカル映画って、家でじっくり見ると、なんていうか現実に引き戻されるときがあるんですよ。
舞台のミュージカルを録画したものならともかく、舞台を映画用に脚色するとどうしても強引にしなくてはいけないところがが出て来たりしてくるものなんです。
そもそも、ミュージカルってライブ(歌)に踊りとストーリーが加わってるもので、生で観るのが基本じゃないですか。
生歌のエネルギーって本当にすごくて、よくミュージカル批判で「急に歌いだすのが受け付けない」っていうのがあるんですけど、ミュージカルですよ! Musical!
Musicがメインなんです。
音楽があったら、当然リズムを刻んだり、踊りたくなるじゃないですか。
歌しかなくセリフのないオペラと、一切喋らずダンスしかしないバレエを、ハードルを下げてわかりやすく見やすくしたのがミュージカルだと思うんです。
それによって犠牲にしたものも確かにあると思いますが、敷居が低くなった分のわかりやすさも楽しさも得た。
それで、今回の『ザ・プロム』はスクリーン用っていうよりも、配信がメインのミュージカルだったんで、ハリウッドの大女優、メリル・ストリープとニコール・キッドマンを投入。
で、もちろん画面映えのする演技もうまい二人なんですが、やっぱり彼女たちはMusicが専門ではないので『ビッグ・リトル・ライズ』シーズン2の掛け合いの方が見応え合ったなって家の小さいテレビとチープな音響(これはうちの環境のせいですが)では思ってしまうんですけど、劇場だったら勢いで乗り切れるんです!
次、2点目。
主人公エマの恋人のアリッサ役はアリアナ・グランデの予定だったそうです・・・。
けして悪くはなかったんですよ?
歌も上手でした。
でもね、なんか印象が薄くて、主人公はこの子のどこがいいのかってちょっと思ってしまったんです、ごめんねアリッサ!!
アリアナだったら、テレビ映えしただろうなぁ・・・。
CATSもあれほど、酷評されてたけどティラー・スイフトのコーナーはすっごくよくて、さすが歌姫は違うって思ったから、アリアナで観たかったなー。
もし、相手役がアリアナだったとしても、主人公の瑞々しさや初々しさは損なわれなかったと思うんですね。
アリアナのスケジュールが合わなかったということで、仕方のないことではありますが、残念無念。
もうクリスマスも終わってしまいましたが、わたしの大好きなアリアナの『Santa tell me』のMV置いておきますね・・・。
今年もかなりヘビロテしました。
というわけで、残念だったことは終わりです。
次は、この作品のよかったところを語って締めたいと思います。
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主人公のエマの若く美しい歌声もさることながら、ハリウッド女優二名をしっかり支える男優二名がすごくよかったです。
舞台畑で二名ともトニー賞(ミュージカルの賞)受賞やノミネートの経験あり。
演技は、バリーを演じたジェームズ・コーデンが素晴らしく、歌とパフォーマンスはトレントを演じたアンドリュー・レイノルズが圧巻でした。
わたしはミュージカルが好きなので、ブロードウェイ来日公演に行ったことがあるのですが、
(来日公演は二度と行かない、次は本国で絶対観る)
って決意するほど、二軍、三軍感の強いパフォーマンスで、日本人をバカにしてるなと思った苦い経験があるのですが、本国に行けば、このパフォーマンスを生で観られるのか・・・と、観ていてちょっと泣きそうになりました(笑)
トレントがメインのショッピング・モールでのフラッシュモブみたいなシーンは、本当にもしかしたらプロムで一番好きなシーンかもしれないってぐらいよかったです。
楽曲の内容も、わたしが常日頃から持っているキリスト教の神に対する疑問に答えてくれる歌詞でした。
わたしは無神論者ですが、海外ドラマや洋画を日ごろ観ていて(キリスト教、矛盾してない?)と思うことが一度や二度ではなかったのですが、それに対する明瞭な答えっぽいものがメッセージとして描かれていました。
明るいだけの展開ではなく、親にカミング・アウトして拒絶されることや、束縛母と娘の関係も描かれていたり、差別やいじめなど、シリアスな問題も盛り込まれていて、え、それは解決しなくていいの? みたいなこともあるにはあったんですけど、アメリカ映画特有の強引な明るいラストも個人的にはとても好きでした。
あとは、Netflixをはじめとした動画配信作品のハリウッドにおける立ち位置が本当にこの数年で、大幅に変化しているなと思いました。
テレビドラマで名を売って、大作映画に出る時代は終わったのかもしれません。
これからの動画配信サービスの未来にますます期待が膨らんだという点でも、よかったと思います。
最後に、この作品のテーマは単純で『恋愛の多様性』ですが、そもそも誘える相手が居なくても、みんなが楽しめる【プロム】だといいなと思いました。
というわけで、
今年のブログ記事は、この記事でおしまいです。
いろいろあった2020年ですが、比較的明るい映画の話題で終われてよかったです(笑)
日ごろ読んで頂いている皆さんにおかれましては、色々愚痴の多かった今年のブログにお付き合いいただきましてありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
それでは、また。
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※このタイトルジャケットすごく好き。