『クワイエット・プレイス2』。
さんざん劇場鑑賞を迷っていましたが、我慢できずに劇場に観に行って参りました。
劇場へはもともとレイトショーに行くことが多かったので、フルタイムで仕事をしつつ休みの日は不要不急の外出を控える生活ではすっかり劇場から足が遠のいていました。
レイトショーがなくなったのマジできつい。
夕方6時まで仕事で飲食店は夜の8時までで、7時にはラストオーダー。
映画はどんなに遅い時間でも9時には終わるスケジュールではゆっくり夜ごはんも食べられない。
前作の『クワイエット・プレイス』は劇場での鑑賞を見逃していて、本当は去年観ているはずの続編でコロナの影響で劇場公開が何度も延期延期になっていて、でも劇場で観るのものすごく楽しみにしていたし、絶対絶対続編は劇場に行く! と決めていたんです。
前回劇場鑑賞に行くまでは。
この記事を書くにあたり、前回劇場に観に行ったのは何の作品だったかというのをずーーーーっと考えていたのですが、真後ろで上映中に延々とスクリーン中に音を響かせ続けて飲食していた男性の顔は思い出せるのに、作品のことは一ミリも思い出せないぐらいのトラウマを植え付けられていたようで、クワイエットなプレイスを壊す輩がいたらどうしよう・・・という映画への恐怖よりそっちの恐怖でなかなか踏み出せずに居たのですが、来月は映画に行ってる余裕もないこと、配信で観たときに劇場で観とけばよかったって後悔したくなかった、などの理由から思い切って観に行くことにしました。
ところで、ちょっと今回の映画のことで立腹している話をします。
初見殺しの続編を感じさせないための詐欺みたいな邦題はマジでやめた方がいいと思う。
結果的に、騙された!と思ったライトユーザーが映画嫌いになりますよ。
わたしは邦題は信用していないのであれですがお察しの通り、特には破られてないよね? っていう内容だし。
特に、この『クワイエット・プレイス2』に関していえば、前作品のラストの直後から物語が描かれるので、一作目を観ずにいきなり続編から観るのはお勧めしません。
実際、仲良しのフォロワーさんが見に行っちゃってたじゃない!!
いいけど、別にいいけどっ。
『クワイエット・プレイス』を愛しているものとしては、やっぱり続編として観てほしい。
疑問を抱きながら観てほしくなかった。
なので、続編を示唆しない邦題には怒りしか湧かない。
作品や映画を好きになるチャンスを奪って業界の衰退を招くし、そもそも人を騙すような真似して楽しいの?
ファスト映画が問題になってるけど、この問題もどうにかしてくれマジで。
話を戻しますが上映スケジュールの時間上、全席販売の狭いスクリーンと一席あけの大きいスクリーンという選択肢が二つあり、前回のずっと何か食べてるマンの時にこの全席販売の狭いスクリーンで失敗したため、大きいスクリーン、座席数多い、音響、画質よしの回にしたことは結果的に大成功でした。
客層は圧倒的に一人の男性か、男性の二人連れが多かったですが女性グループもいました。
ホラー好きって男性が多いのかなー。
わたしはというと、人里離れた席数の少ない一列を独り占めにしていましたが、予告段階で持ち込んだ食べ物を袋がさつかせながらモリモリ食べて、リュックのファスナーを開け閉めして落ち着きのない男性が近くに居て、席選び失敗したかな(涙)と思っていたんです。その男性は懲りずに冒頭の無音シーンでペットボトルの蓋をプシーッと開けた音を響かせていましたが、思いのほか鳴り響いた音にびびったのかそのあとは空気を読んで静かにしていて、映画の緊張感と相まって静寂を作り出していて、観客が一つになった瞬間があったと思う。
長い映画人生の中でも、これほどまでに観客が映画の雰囲気を壊さないように注意を払ったことはなかったかもしれない。
本当に客層に感謝しかない。
もし、これを読んでくれていて思い当たる節がある方が居たらわたし、めちゃくちゃ感謝しているんで!!
これはスクリーンのよさだとも思うんだけど空調の音すら聞こえず、ノイキャンを入れた瞬間のヘッドホンみたいになる時間が何回かありました。
今回は予告や事前情報を一切いれずに2を観たのですが、日本の公式サイトの予告はかなりネタバレを含んでいるので、未見の方は予告を観るのはお勧めしません。
1を観た人は冒頭のタイトルバックまでの数分間だけでも観る価値があります。
ここでグっと世界観に引き込まれたし、だからこそ静寂が生まれたとも思う。
あとはそうですねー、わたし出入口が見える位置に座っていたんですけど空調もほどよく暑くも寒くもなく、二時間ない上映時間でありながらトイレに立つ方が数名いらっしゃいました。
普段はあまり見かけないし、たぶん、怖かったんだろうなーと思いながら横目で見ていました(笑)
わたしは腕に力が入りすぎて冷や汗も出てきてしまっていたので、周りに人がいないことをいいことに手をぶらぶらさせたりして緊張をほどいたりしていました。
なにしろ、 今週(2021/6/28~の週)そうそうに上映が終わるところも出てくると思いますので、早めに1を観て劇場に駆け込んでください。(※怖いの大丈夫な人限定)
わたしは初見の時に、一度終わってまたすぐリピートして二回観たにもかかわらずけっこう忘れていたし、午前中に1作目を観て午後続編を観たのですぐ続きを観られて最高でした!
個人的には、富士急の戦慄迷宮(超怖い長丁場のお化け屋敷)より『クワイエット・プレイス』のほうが断然怖さを楽しめたというのも付け加えておきます(笑)
お知らせを挟んでネタバレ感想しますので、観てない人は絶対に読まないでください。
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ホラーだし、ストーリーの大味なところは差っ引いたとしても、劇場鑑賞に耐えうる続編で非常に満足です。
そして、予告を観ないで臨んで本当によかったです。
低予算だった前回のもお金のにおいのする今回のも両方よい。
冒頭の【DAY1】 をやってくれただけでもう正直満足でした。
1年以上前の過去の日にちの時間を追うのに、成長した子供をそのまま使うという強引なやり口でしたが、違う子使うのも微妙なので仕方なかったと思う。
あとお父さんはもう観られないのかと思っていたので単純に嬉しかったです。
音響のいいスクリーンだったので、まず車のエンジン音で脈拍が上がりました。
そして、お父さんが降りてきてドアを雑に閉める。
やめてー、怖いーーー。
グロサリーショップで買い物しているときの物を雑に扱う様でドキドキが高まる。
ショップのおじさんはアレのテレビをのんきに観ているしで。
さらには、なんかの催し。
野球の試合。
ドキドキドキドキ・・・・。
キターーーーーーーー!!!
初めて巨大スクリーンで見る巨大なアレとそこからの怒涛の逃げっぷり。
カーチェイスからの、祈りはともかく、携帯ーーーー。
上映中は電源切っとけーーーーー!!!
パニックと興奮でてんやわんやでした(笑)
アレが最強に怖いのは形とかじゃなくて動きの早さだと思うんです。
走らないゾンビなんかは、動きが人間より遅いしそこまで頭よくないから勝ち筋があるけどアレは走って逃げてどうにかなるやつじゃないし、DAY1でいろいろ不明な中逃げ切るのマジできつい。ロックオンされたらおおかた死。
ただ、まだDAY1でアレ側からみても襲う対象がたくさんいるのでマークされにくいという利点をどう生かすかだけど誰かを囮にしたりしなきゃいけないので心が病む。
家族で生き残るとか相当な覚悟が必要だったと思う。
長女のおかげで家族が手話でコミュニケーションできたことはかなりの利点だったと思うけど、よくあそこまで逃げ切れたな・・・。
そして472日後(?)聡明で優しかった父がいなくなり、
・赤ちゃん産んだ直後の足裏に釘をぶっさしてしまった手負いの母
・耳が聞こえない長女
・ビビりすぎる長男
・言葉が通じない黙れない新生児
と、最悪の布陣での始まりでした。
そして、今回はエミリー・ブラントではなくて、長女のリーガンの成長っぷりがすさまじい。
何故かパニックになって罠に足を挟まれる長男が叫んでいても、声を出さない母と娘。
もう、あれだけ叫んでいればみそくそ一緒だと思うんですが(笑)
そして、目の前で父親と弟を失った辛い過去を経ての長女の怒りと悲しみが伝わってきた。
彼女は実際に耳が聞こえないので、実生活でも表情で気持ちを伝える訓練は積んでいると思う。
にしても、前作と比べての演技と本人の成長がすさまじい。
ものすごく魅力的に成長していました。
新キャストであるキリアン・マーフィーとの掛け合いもよく見応えがあり【ダイブ】のシーンは痺れました。
彼女が感じている無音状態を映画で表現していたのもすごくよくて。
実際外の世界って完全な静寂じゃなくて、それこそ虫や鳥のさえずりやか風の音が聞こえてくるものだと思うんですけどシーンの切り替えとしてうまく出来ていた。
彼女の心情の切り替えとしても使われていたのかもしれないけど、緊張感でよく覚えていません(笑)
キャストでは、エミリー・ブラント。
本当に綺麗。
あんまり化粧してなくてもすごい魅力的。
クワイエット・プレイスの彼女が今まで見た中で一番美しく見えます。
余談ですが、わたし夫婦とかカップルの片割れが監督で主演女優を撮影している作品、すごく好きなんですよ。
女優が魅力的だし、すごくきれいだから。
伊丹十三作品の宮本信子や『川の底からこんにちは』の満島ひかりなどです。
ご存じではあると思いますが、『クワイエット・プレイス』も父親役のジョン・クラシンスキーはエミリー・ブラントの配偶者であり今回の製作総指揮、監督です。
やっぱり役者や監督といえど人間だから、レンズのその先の人物というのも撮る方撮られる方の感情というのは関わってきてしまうと思うし、観ている方にも伝わってしまうものだと思う。
そして、今回も息子二人を守るための気合と気迫はすさまじいものがありました。
美しかったなー。
父親いなくなって、これどうすんの!?
と思っていた矢先に登場した父親代わりのエメット役、キリアン・マーフィーもすごいかっこよかったです。
わたしがエメットだったとしても、食べ物も底をついてあんなところに一人で生きていても仕方ないから協力できるならしたいと思う。
そして、最後まで緊張感を崩さずなんとか死人を出さずに切り抜けた続編ですが、今回もクリフハンガーラストかーいっ!
続編やるにしても、次の作品は監督ジョンじゃないんだってー(涙)
ジョンの撮る世界観やエミリー・ブラントが好きだったので製作にはいろいろな人が関わっているとはいえ、不安しかない。
そして、一体いつまで続けるつもりなのか。
あの生活にだって限界があるでしょうよ。
そうはいっても、新作が公開されたら
まー、観るんですけど(笑)
今回の劇場鑑賞が人生で思い出に残る劇場体験になったことは間違いないし、このままいくと2021年ベスト映画になってしまうかもしれない。
なんやかんやいって、死ぬほど泣いたとか、貸し切りだったとか、うるさい奴がいたとかそういう映画のほうが印象的になってしまうので純粋に作品のみの印象で記憶に残る映画って実は少なかったりする。
ほかの映画であのドキドキと変な汗は味わえないもん(笑)
というわけで、予告でやっていた『ブラック・ウィドウ』と『ヴェノム』も楽しみですー。
コロナが落ち着いたら戦慄迷宮もまた行きたい。
それでは、またー。
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