たま欄

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【本】愚行録 貫井徳郎 感想

実写映画化で話題になっています。

貫井徳郎著 愚行録。

読了しましたので、感想です。

 

ネタバレは、極力なしです。

 

 時代は、現代って感じではなかったです。

印象としては、2017年現在、55歳ぐらいの人が、

35歳ぐらいの時に起きた事件?っていう雰囲気でした。

うまく説明できないのですが、それぞれの発言なども考慮すると、

今から、20年前ぐらいの時代だと思いました。

 

 

構成としては、一家惨殺事件があって、

それを追っている記者が居る。

記者が被害者たちの関係者に話を聞きまわっていて、

関係者が、記者に口語調で喋りかけている、

 会話はなく、一方的に喋っているだけ。

 

浅田次郎の泣ける時代小説壬生義士伝のようなスタイルです。

 

 

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

 

 

 

会話文がほとんどない分、

愚行録のほうが、話をずーっと聞いている印象が強いです。

 

よくあるスタイルだとは思うのですが、

 語り手の名前や性別などの情報が何もなく、

段落ごとにいきなり語り手が切り替わるので、

各段落の読み始めは、わかりにくかったです。

 

私は、本を読むときは声が聞こえるタイプなので、

(あー、この人女性だった)

などという勘違いがありました。

 

✳情報がなかった理由は最後の数ページでわかりました。

 

「私は全然嫌いじゃないんだけど、むしろ好きなんだけど!」とか、

「悪口は嫌い」とか言いながら、

悪口を言い続けている人っているじゃないですか。

 

それを延々と聞かされている状況です。

しまいには、自分の正当性を主張しながら、

「でも、すごくいい人なの!」

で締めて、自分はいい人アピールしてくるアレです。

 

よくいる嫌なやつの話の愚痴を延々と聞いているような感じ。

 

だんだんその話し手も嫌になってくる。

 

合間合間に、記者の妹の語りが盛り込まれて、

主人公(?)の家庭環境もわかるようになっています。

この妹の語りは重めです。

 

 そんなこんなで読み続けますが、

わたしが、アホすぎるからなのか、

実写化映画の売り文句の、

 

『仕掛けられた3度の衝撃』

が、読んでも読んでも一向に出てこない。

 

もしかして、

重大な伏線を途中で逃してるのかも、

って何度も思いました。

 

あと数ページで終わる!

っていうところまで来ても、

何も衝撃が出てこないので読み続けてしまうっていうのも、

これはそういうテクニックなんだろうかと思いました。

 

ハリウッド映画予告の、

「ラスト10秒、あなたは衝撃の展開に震撼する!」

みたいなのは基本的には観ないようにしてるのですが(笑)

 

非常に読みやすく、

すらすら読めた一冊ですが、

一言でいうと男性作家の作品!

って感じでした。

 

『愚行録』というタイトルは見事です。

確かにものすごい愚行。

むしろ愚行しかないです。

 

ちなみに衝撃は最後の数ページで唐突に出てきました。

これで3個?っていう確信のなさはあります。

 

 すみません、読解力不足。

 

海外ドラマに慣れすぎていて、

ちょっとやそっとの衝撃では、

動じなくなってしまっています(笑)

 

あと、最後に!小説に興味のあるかたは読む前に、

映画の情報は入れない方がいいです。

 

あーー!ってなりました。

 

 

愚行録 (創元推理文庫)

愚行録 (創元推理文庫)

 

 

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