Netflix『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』(서울 자가에 대기업 다니는 김 부장 이야기/The Dream Life of Mr. Kim)を完走しました。
邦題は韓国原題の直訳ですが、英題が全然違うことにお国柄を感じます。
英題をつけた人は、
(このドラマを観てそういう感想なんだ・・・うん、まぁ、そういえなくもないけどさぁ)
と正直言うと思いました。
わたしの感想とは若干違うなぁと。
わたしならこのタイトルにはならないかなと。
全話配信ではなかったので、途中間をあけたりして昨夜二話続けて観て完走したのですが、ラスト二話のまとめ方と主演のリュ・スンリョンと妻役だったミョン・セビンの演技が良すぎて余韻がすごい。
一夜明けても色々考えてしまっていた。
こちらのドラマを特に観てほしいと思うのはブログ記事のタイトル通り、氷河期世代の男性とその妻です。
いや、老若男女観てぜんぜんいいんですけど、ドラマのメッセージ性を受け取るにはある程度の人生経験の年数が必要かなとは思います。
一番ハマるのは主人公と同世代前後10才ぐらいの40代~60代ぐらいがターゲットだとは思います。
なんどもいうけど特に男性。
主人公は50代前半の男性です。
ここまでミドル世代の男性の生きづらさを直球で描いたドラマはわたしは今まで観たことがなくて。
男性主人公で男性を描いたドラマはたくさんありますが、だいたいの男性主人公はなんかしらのヒーロー扱いされているドラマが多いと思うんです。
日本の倍返しのドラマなんかはサラリーマンだけどある意味ヒーロードラマですよね。
そういうんじゃなくて本当のヒューマンドラマ。
男性として生きることのしんどさを直球で男性が演じるという。
今まであるようでなかった新鮮味がありました。
価値観の古い男性がアップデートするドラマはここ最近の邦ドラでよくありますがそれともちょっと違うんですよね。
50代の自分探し的な感じもあった。
既婚の方はご夫婦で観てほしいけど、一人で観たほうが気まずくならないんじゃないかなとは思います。
そのぐらいやらかしまくる前半のキム部長。
この記事では、そういったわけで今まで韓ドラといえば古の恋愛ものだったりのイメージがあり、流行った『イカゲーム』ぐらいしか韓ドラは観たことなくて、
「韓ドラはおばさんが観るものでしょ」
って思ってるまさにそこの貴方がこのドラマを観てほしい人です。
それを、韓ドラ好きだけど男女恋愛ものは一切観ない(チャレンジしたけどやっぱりダメ)韓ドラ好きなおばさんが全力で紹介します。
これを読んでる人があまり韓ドラを観てない体で紹介するのでよろしくお願いします!
まず、主演のリュ・スンリョンは韓ドラ勢にはご存じすぎる演技派として有名です。
軽く観られる有名映画『エクストリームジョブ』。
事前情報なしでぜひ。
泣ける映画で有名『7番房の奇跡』
ごめんなさい、救いがなさすぎてわたしにはちょっと。
最近では、ディズニープラス『ムービング』の愛溢れるお父さんがすっごいよかった。
めちゃくちゃ面白いし男性にもお勧めの特殊能力系ドラマ。
恋愛パートが若干あるけどわたしでも大丈夫なレベルだから心配しないでください。
あとこのサムネの美女がすごい美女です。
Netflixでは、
時代劇Kゾンビ『キングダム』の悪役。
大量のゾンビに銃無し、ビルなし、缶詰なしで挑むなかでの政治的悪役がリュ・スンリョン。
ゾンビものにはゾンビを出せ!!というゾンビガチ勢の方にお勧め。
不思議世界観で娘が”タッカンジョン”という甘辛ソースチキンになってしまう『タッカンジョン』。
独特ワールドすぎてめちゃくちゃ人を選ぶ作品(笑)
と、まだまだ韓ドラビギナーなわたしですらこの上記作品は全て出演しているぐらいの実力派俳優が主人公なのですが、その彼がこの作品では、努力こそしてきたけど大きな挫折なく大企業に就職し、妻と子と持ち家を得て部長にまで上り詰め役員までもう少しのところまで来た50代のサラリーマンを演じます。
学歴や肩書、持ち家への圧力や重要度は日本より韓国の方が上と言われていますが、氷河期世代、昭和生まれの日本人にとっても大差ない世界観だと思います。
ただ、学歴、肩書、持ち家のプレッシャーがすごい競争社会だということは韓ドラ観る上では大前提です。
観ている人の多かれ少なかれがキム部長自身だったり、周りにキム部長がいる。
わたしは女性なので(こういう人、今までの人生にたくさん居たな)って感じなんです。
そして、部下や妻への態度でドラマが進むごとにすごくキム部長が嫌になってくるし、決して尊敬はしてないのですが、それでも彼を最後まで不幸になればいいのにとは全く思わなかったのは脚本や演出の上手さとリュ・スンリョン自身の魅力かなと思ってました。
決して二枚目という顔立ちではないのになんでも着こなすスタイルの良さと清潔感。
韓国は長身の俳優さんが多いのでそこまで大きく見えないけどちょうどいいスタイルなんですよね。
今回のドラマでも若者向けの変なパーカーがめちゃくちゃ似合っててすごく驚きましたし、高級スーツから作業服、無精ひげまでなんでもありだった。
そしてそれをこなす確実な演技力。
最終話では(この人たち全員俳優さんなんだよなぁ)と思っていて、一緒に観ていた家族は「ドキュメンタリーのようだった」と言っていました。
韓国ドラマは本当にヒューマンドラマがうまくててですね。
ヒューマンを描くのも、人生を描くのもすごく上手いんですね。
その分すごい重かったり、自分の過去の古傷が抉られたり、救いがなかったりするんですけど、人間って善人悪人がはっきりしていないし、人によっても善悪の基準が違うし、人生もそうっていう一辺倒じゃないあたりを描くのがうまいっていうか。
実際は、このドラマも大企業務めで美人な妻と優秀な息子がいてそこそこ成功しているという実数の少ない主人公なんで、そこがフィクションといえばフィクションなんですけど、だからといって感情移入できないわけではなく、ある場面で言えば言ってる人全員の言うことがわかるなと思いながら観てるシーンもよくありました。
わたしが主人公であるキム部長に完全に感情移入しないからこその客観的な視点だったからかもしれません。
キム部長はわたしからみると本当に全然ダメで、選択肢をとことん間違っていって、見てるこっちがうんざりしてくるんだけどだからといってわたし自身それを強く言えるほど選択を全部成功して生きてきたかというとそうじゃないし、キム部長も頑張ってるし、わたしもそれなりに頑張ってきたなとドラマを最後まで観て思えてきました。
特に最後の二話はドラマの締めくくりとしてすごくいいので絶対に観てほしいんですけど。
このドラマを主人公と近い世代の人が最後まで観ると、嫌でも自分自身の今までの人生を絶対に振り返ると思います。
あんなこともあったな、こんなこともあったなと。
わたしもたった一度の人生の大部分が過ぎてしまったことをほんとうに実感しました。
そして決して若くはないこれからの残りの人生を思いました。
ドラマ内のセリフの一言が非常に胸に刺さったのでそれだけここで公開しちゃうんですが「違う人生があったかもしれないけれど、それは確かめようがない」というセリフがほんとうにすとんと落ちてきました。
何を思い、何を人生で大事にして生きていくかは人それぞれなのでドラマを観た人全員に違う思いが生まれるとは思いますが、個人的な感想としては、運もなかったし失敗も数多くしてきたけし、人に誇れるものは無いけれど今の今、現在進行形でいえば絶賛不幸とは言い切れないなということでした。
ドラマの中盤は本当に観てるのが辛くて全然楽しくなくて、家の雰囲気も暗くなっていたのですが、続きを観るのがやめられなくて終わってみれば観てよかったです(笑)
すごく良かったです。
それなりに自分の役割はこれまで果たしてきたような自分を認めたい気持ちにもなりました。
ここまで読んだ人で未見の人は気になりますよね、ドラマの内容(笑)
ぜひ、キム部長の人生観てみてくださいね。
というわけで、それでは、また。
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