WOWOWのドラマなんですが、都合上【映画】カテゴリにさせてもらいました。
エイプリルフールなので、嘘がテーマの作品その1。
昨年の大河「真田丸」でも、素晴らしい脚本で視聴者を惹きつけた、
三谷幸喜の脚本作品です。
三谷幸喜作品は、東京サンシャインボーイズの舞台作品が、
テレビで放送されている頃、ファンになりました。
偶然観た舞台作品が面白くて、面白くて。
東京サンシャインボーイズを生で観るのが夢だった子供の頃、
その夢を果たせずに劇団が休止してしまった時は、かなりのショックでした。
最近は三谷幸喜がものすごく有名になってしまい、
その名前だけで、有名役者さんがこぞって沢山出てくれるようになり、
作品がごちゃついて、当たりはずれが出てくるようになってしまったのが、
とても残念に思いますが、この作品はすごく面白いです。
元々、舞台畑の人なので同じ場所で人が行き交い、
色々トラブルが巻き起こる密室劇は当たりが多いです。
あと、人は少なめな方がいいです。
『12人の優しい日本人』とか『ラヂオの時間』とか。
で、前置きが長くなってしまいましたが、
この『大空港2013』。
天候不良で、九州から羽田への飛行機の便が、羽田に到着できずに、
途中の信州まつもと空港に降ろされてしまう家族の、
様々なごちゃごちゃを追った作品。
ワンストップ撮影などの撮影法が話題になっていましたが、
ワンストップ撮影か編集かどうかは観る方にしてみたら、
面白ければどちらでもあまり関係がないので、そこは割愛。
空港グランドスタッフの竹内結子が、一家族のお世話を担当し、
そのごちゃごちゃに巻き込まれていきます。
家族を演じるのは、香川照之、
その妻役に、駆け込み女と駆け出し男でも怪演だった神野美鈴、
妻の兄のダメ叔父に生瀬勝久、妻と妻の兄の父親役に綾田俊樹です。
あとは、家族ではないですが、関係者に戸田恵梨香と、
家族問題によくある話を、面白おかしく描いてくれます。
コメディは、場を乱す演技のつたない人がいると、
途端に空気がおかしくなってしまったりするのですが、
この作品は大丈夫です。
私が今回、特に注目したのは、妻役の神野美鈴さんです。
最近ではカロリーメイトCMで受験生の母役をやっていらした方です。
今回神野さんの立場は、妻、母、娘、妹、そして女と、
5タイプあったわけなのですが、なんかどれもすごくリアルでした。
親せきのおじさんとおばさんを彷彿とさせていて、
本当に血が繋がっているのでは?と思ってしまったほどです。
女って確かに相手によって対応がかなり変わるけど、
演じ分けすごいと思ってしまった。
個人的に地方空港の感じも郷愁を誘うし、
外の天気がすこぶるよい、だだっ広い景色も綺麗でした。
最後まで観ると、さわやかな晴れ晴れしい気持ちになって、
じんわり心があったかいような気持ちになる、
三谷幸喜作品のラストっぽくて、すごくよかったです。
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