『ウェントワース女子刑務所』を観るため休んでいたhuluを再契約したわたしは、貧乏性ゆえに(せっかく契約したんだから)と、ネトフリに傾いていた視聴傾向でありましたが、huluで配信されている中から意地でも何かを観なくてはいけないという使命感にかられていました。
hulu内を徘徊していたところ、マーベル・シネマティック・ユニバースでは一番の推しの【アイアンマン】を演じている、ロバート・ダウニー・Jr様(以下、ダウニーJrさん)のお顔が。
彼が演じている『シャーロック・ホームズ』は大好きですが、そういえばヒーローでもない、探偵でもない普通の役をやっているところをあまり観たことがない・・と思って、こちらをチョイスしました。
この作品には非常に失礼なのですが、完全にジャケ見であり、しかも体調があまり芳しくなく【寝落ち目的】で観始めたのです。
本編が2時間21分もある長い作品だし、内容にはあまり期待していなくて、だらだら長くて途中で眠くなるんだろうな・・ぐらいの気持ちで観始めたら、ダウニーJrさんはかっこいいし、話はけっこう好みのタイプだしで、最後まで一睡もできませんでした。
ですが、長い作品だったため休養はとれたかもしれない(笑)
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~あらすじ~
小さな田舎町を逃げるように出て、都会で有罪も無罪にするような弁護士をしていたハンク。お金次第の仕事をし、フェラーリに乗り、豪邸に住んでいるが家庭はうまくいっていない。そんな中、故郷から母の訃報が届き忌み嫌っていた地元に帰ることになるが、母の葬式を終え帰ろうとしていたときに、42年間地元の判事を務めていた父親に殺人の容疑がかかる。大リーガーの夢をあきらめた兄と、心優しいが問題を抱える弟が住む故郷で、ずっと対立していた父親を救おうと奮闘するハンクだが、死んだ母しか知らなかった事実や、殺人事件の被害者と容疑がかかっている父親との複雑な関係が事件を複雑にしていく。
といったわけで、とりあえず予告でも観ていってください。
これを書きながらこちらの映画について調べたのですが、地方の街の判事でありダウニーJrさんと対立する父親役を熱演された、ロバート・デュヴァル氏。『ゴッド・ファーザー』と『地獄の黙示録』でも助演男優賞にノミネートされていますが、2014年当時のアカデミー賞当時83歳で、こちらの作品でも助演男優賞にノミネートされています。作品内では72歳の役でしたがどうみても80歳過ぎには見えていたのですが、ノミネートも納得の圧巻の素晴らしい演技でした。
最初は、ジャック・ニコルソンにオファーした役だったようですが断られロバート氏になったようですが、観終わった感じでいえばジャック・ニコルソンとダウニーJrさんでは圧が強すぎるような気がします。
不器用な正義感溢れる田舎の父親役を彼が助演として、ダウニーJrさんの魅力を底上げしてくれたといっても過言ではないと思います。
最後は泣かせてもくれました。
あとは、田舎町の三人男兄弟の長男という微妙な立ち位置であるグレン役を演じた、ヴィンセント・ドノフリオ氏の演技も光っていました。
わたしはまだ未見なのですが、有名な海外ドラマ『LAW&ORDER』のロバート・ゴーレン役で有名な方のようです。
この作品、ダウニーJrさんが好きな人には見どころがたくさんあって。
(以下、マーベル好きのわたしが、ダウニーJrさんを推すだけの感想がしばらく続きます)
まず、役柄が弁護士ということ。
法廷に立つダウニーJrさん、かっこいい!
いや、弁護士じゃなくてもかっこいいんですけど、パリッとしたスーツ着てネクタイ締めて法廷に立つダウニーJrさんの姿観たくないですか? マーベル映画では、スーツといってもアイアンスーツか、変なTシャツを着ていることが多いし、ホームズは、あれはあれでかっこいいけど、スーツではないし。
そして、ダウニーJrさんといえば、アイアンマンのトニー・スタークでもおなじみ、父親から愛情を素直に受け取れなかったゆえに、こじれた大人になってしまったやんちゃおじさん、でも根はすっごく優しいだと思うんですけど、まんまそのキャラで。
しかも、アイアンマンと違い、まだこちらの作品では父親が生きているのでやり取りも激しく、愛を求めるさまがはっきりしすぎていて正直ツボを刺激されまくりました(笑)
さらに、もう一つ。
マーベル作品ではあまり観られない、子どもとの交流。
アイアンマンでも不遇な少年と絡む作品がありましたし、『スパイダーマンホームカミング』では、高校生男子(スパイダーマン)に対する不器用な父性が描かれてはいましたが、今作品では6~7歳ぐらいの女の子を溺愛するパパであるダウニーJrさん。
この娘との絡みは素晴らしかったですね!(笑)
もっと観たかった。
と、ダウニーJrさんの話はこのぐらいにして、作品の内容にそろそろ話を戻します!
ジャンルとしては法廷ミステリーっぽいのでネタバレはなしでいきます。
この作品は、脚本がすごくよかったと思います。
2時間21分と長い作品なうえ、法廷ものでそこまで派手さもないなか、長さをあまり感じず最後まで観られたということはそういうことなんだろうと思います。
法廷ものでありながら、ファミリーのヒューマンドラマであった部分もかなりあったというのも脚本力を感じる部分でした。
法廷ミステリーとファミリーものって融合することができるんだ・・って思ったんですよね。
批評家たちの評価は低かったようなので、わたしがダウニーJrさんが好きというひいき目もあったかもしれませんが、ウィキペディアに書いてあった『内容は陳腐』はさすがに言い過ぎだと思います。
細かい心理描写や、静かなメッセージ性みたいなものが作品の随所にちりばめられているとわたしは思いました。
批評家っていうのがどんな存在なのかわかりませんが、アカデミー賞をとったあの作品やあの作品よりも、少なくとも心に残る作品ではありました。
最近では、SNSの発達で正義を振りかざす人が増えてきているし、正義ってみんな好きじゃないですか。
わたしもヒーローもの大好きだし、正義は大好きなんです。
でも、わたしの思っている正義は本当に正しいのか。
そもそも正しい正義なんて存在するのか。
この映画のタイトルは『The Judge』なんですけど、山ほど弁護士ものを観てきて、やっぱり人が人を裁くっていうのは無理なんだなと最近はどれを観ても毎回思ってるんです。
今までの育った環境とか、本人の今までの人生とか、主観とかが絶対影響すると思うんですよね。
結局『法の上では平等』とか言っておきながら、人によって法の解釈も違うし、日本だって変な判決は山ほどある。
そもそも裁判官になるような人って例外はあるにしろ、だいたい恵まれている人が多いと思うんですよ。
能力もあって、裁判官になれる環境があって、出世もできた人生だった・・。
そんな比較的恵まれた人生を送ってきている人が、犯罪を犯して裁判にかけられるような人生になってしまった人と、その被害者の気持ちに心から寄り添える人って少ないような気がするし、そもそもわからないと思うんですよね。
そういった理由もあって、色々な立場の人の意見も必要というわけで陪審員制度があるし、日本も最近裁判員裁判を取り入れたわけですけど、でもやっぱり人間って判断も間違えるし、騙されたりする生き物なんで。
もう、AIとか感情のないものに犯罪の刑罰は任せるしかないような気がします。
そういう深いことを考えさせてくれる作品であったし、ロバート・ダウニー・Jrさんを愛でられて非常に満足感が高い作品でした。
エンディングも割とよかったと思います。
ダウニーJrさんのファンはぜひみてください!!
というわけで、それではまたー。
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