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【映画】イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 感想 ベネディクト・カンバーバッチさんの魂の演技を見てほしい。

 こんにちは。最近イギリスにどっぷりとカブレている女です。

 

通勤中の視聴用にダウンロードした『ザ・クラウン』が家でのテレビ視聴に格上げされたため、通勤中の視聴用に何か早急にダウンロードしなきゃいけないと思って、ネットフリックスの≪ダウンロード可能作品≫を検索したら、カンバーバッチさんと目が合ったので、なんの事前情報もなくダウンロード。

 

何故かわからないけど、『さん』付けで呼ぶのが個人的にしっくりくるので、以下、カンバーバッチさんと呼ばせて頂きます(笑)完全なジャケット鑑賞だったんですが、この映画、すごーく素晴らしかったんですよね。

映画の後半は、一気に引き込まれてラストシーンは電車で涙ぐんだ(電車で観てた)、その後お風呂入ってる時に、思いだして切なくなってうるっときてしまった。

情緒不安定だからじゃないですよ(笑)映画が切なかったんです!!

 

 

 

 

まず、このジャケットとタイトルから、想像していた映画の内容。

 

現代劇のちょっとしたミステリー的な要素を含む、でっかい黒板にわたしには全く理解不能な数式を書き連ねる、何かの謎を解くフィクション映画だと思っていた。ちなみにエニグマは人の名前。それに、カンバーバッチさん主演なのにアメリカが舞台の映画だとなんとなく思って見はじめたこの作品。

 

はい、全然、違いましたー(笑)

 

舞台は、第二次世界大戦中のイギリス。

今、イギリスのエリザベス女王を描いたドラマ『ザ・クラウン』を視聴中なこともあり、自分の中でイギリスが流行っていますが、この映画を観たのは本当に偶然です。

普段、戦争映画は、よっぽどのことがない限り観ないことが多いです。

たくさんの犠牲や、数々の戦争の歴史の上にこの世界があって、今自分が生きていることは、もちろんわかっているつもりですが、戦争というなんの罪もない命を犠牲にしなければならない理不尽な争いに空虚感と無力感に襲われるからです。

完全な余暇である映画という趣味で辛い思いをしたくないという気持ちが特に大人になってからは強くなってきたので、若いときは割とそういうのも観ましたが、最近はほとんど観なくなりました。

この映画も戦時中が舞台だと事前に知っていたら観ていなかったと思います。

 

なので、事前情報を全く知らずにいい映画に出会えたことには感謝です。

戦時中が舞台なので、今では到底考えられないような悲しい胸の痛む出来事や、理不尽な差別的なことはもちろんたくさんありますが・・。

それを差し引いても、映画として素晴らしいものでした。

 カンバーバッチさん、わたしを呼んでくれてありがとう。

 

ストーリーは、イギリスが敵国ヒトラーの率いるドイツ軍の当時最強とされる暗号無線機エニグマの解読に挑むチームに入った、実在の天才数学者の物語でした。現代劇でもなく、フィクションでもなく実話が元だった。

公式サイトには『泣けるミステリー』と書いていましたが、泣けるには同意ですが、わたしはミステリーではなく、ヒューマンドラマだと思う。

わたしのような凡人には、どの部分をもってしてミステリーなのかわからなかっただけかもしれないけれども、一人の人間の愛や信念を描いた人間ドラマだと思いました。

※ちなみに予告編(公式サイト)はこちらをご覧になってください。

 

主演のベネディクト・カンバーバッチといえば、マーベル・シネマティック・ユニバースシリーズ好きのわたしとしては、ドクター・ストレンジとしておなじみで、単独映画の『ドクター・ストレンジ』では最初の傲慢なキャラから第一印象は悪くマイティ・ソーの三作目のラグナロクでちょっと好感度を上げ、最新作アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー株が最大値に上がっていましたが、『SHERLOCK』の視聴がまだ途中なこともあり、わたしの中ではそこまでウェイトを占める存在ではなかったのですが、この作品のカンバーバッチさん、本当に素晴らしかったです!!

 

脇役のキーラ・ナイトレイ他、暗号解読チームの俳優さんの主役を盛り立てる演技も素晴らしかったですが、とにかくカンバーバッチさんが、この作品の主人公のモデルである、アラン・チューリング氏に尊敬の念を持ったうえ、魂こめて演じたということはものすごく伝わってきました。

ちなみに、この作品にはゲーム・オブ・スローンズのタイウィン・ラニスター役でお馴染みのチャールズ・ダンスさんもご出演で、相変わらずのイケオジぶりを発揮されていました。

 

脚本も多分何度も構成を練り直し、細かく描写しているような細かい演出です。

第87回アカデミー賞脚色賞受賞も納得の出来。

実話が元の映画あるあるで、やはりフィクションに比べて現実社会に生きている人の物語なので、劇的なことも少なくシリアスな感じではありますし、爽快感のあるラストではなく、なんとなくもやもやした感じが残ることは否めませんが、この作品はそこがまた逆に人の一生を丁寧に描写している感じがしました。

 

ネタバレなしだと、作品の世界観や脚本が素晴らしかったということと、カンバーバッチさんの演技に魅了されたことしか書けない(笑)

 

というわけで、未見の方は是非一度観てほしいと思います。

 

※この作品に対して、言いたいことはたくさんあるのですが、最後に、ちょっとだけネタバレ感想させてください。

ネタバレしてもいい方は、【続きを読む】をポチっとしてください。

 

 

 

 

この時代の法律で、裁かれざるをえなかったとはいえ、アラン・チューリングは時代に殺された一人でした。

この時代でなければ、非凡な才能をもっと生かすことができ、世間に貢献した天才だったでしょう。

戦争の終結に、心血を注いだ主人公は同性愛が警察にバレて強制わいせつ罪という罪で裁判で裁かれたうえ、男性ホルモンを抑制する薬で心身ともにボロボロになりました。

そんな主人公のアランの姿は、とても見ていられない切ないありさまで、それでも愛を貫いた姿に涙を禁じえませんでした。

そして、エンディングロールで、アランが死んでから約60年後にエリザベス女王から『死後恩赦』があったとの情報がありました。

恩赦があったの2013年ですよ? ものすっごい最近だし、この『恩赦』というのが全然納得できなくて。

 

当時の法律で有罪だったとはいえ、何故、現代の国王に許されなければならなかったのか。

裁いてしまって、ひどい目に遭わせて本当に申し訳なかった・・という最大の譲歩が恩赦しかなかったとしても、もやもやが晴れない。

しかも、他にも同じ目に遭った人がたくさん居たのに、国の勝利に貢献したという理由で、アラン一人だけ。

 

歴史上、こういう悲しい差別や迫害はありとあらゆる国であったけれども、今後こういうことは決して繰り返してはいけないという作品からの強いメッセージを感じました。

この映画の主人公のモデルとなったアラン・チューリング氏に謹んで哀悼の意を捧げたいと思います。

 

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