BBC制作Netflix配信ドラマ『ドラキュラ伯爵』シーズン1 第1話 感想です。
シーズン1といっても全3話しかないのですが、ドラマにしては1話が90分と長いので短めの映画3本分ですね。
第1話を視聴したところ、全体的に非常に好みでした。
けっこうしっかりしたホラー感はありつつもイギリスコメディっぽさもあり、思わずクスッとしてしまう世界観もよくて夢中になってしまい、長いと思っていた90分がけっこうするっと終わってしまいました。
1話観終わって出てくる素朴な疑問。
(わたしのドラキュラの知識はいったいどこから入ったものなのだろう・・)
ドラマで少しずつ説明してくれる、吸血行動のほかに
・マントを着ている
・棺に寝ている
・弱点は日光、十字架、ニンニク(?)
などは予備知識として知っていましたが、全然思い出せない。
そんなにドラキュラ的なものを今まで観たような記憶がないのです。
そして、そもそも、何故【伯爵】なの?っていう疑問が湧いてしまったので、 ちょっとドラキュラについて調べてみました。
日本では、ドラキュラ(Dracula)もバンパイア(Vampire)もごっちゃに表現されることが多いようですが、バンパイアは吸血鬼全般のことを指し、ドラキュラは名前なので、ドラキュラではない吸血鬼のことをドラキュラと表現するのは間違い。
ドラキュラ自体が世間に認知されたきっかけは1897年に刊行されたイギリス時代のアイルランド人作家のホラー小説『吸血鬼ドラキュラ』で、その小説の主人公が、ドラキュラでした。
現在でも、その小説を元にいろいろな創作物が作られていますが、今回の『DRACULA』もそうです。
ドラキュラのモデルになったのは実在のルーマニアの地方貴族ですが、冷酷な領主だったという逸話はあるものの、伯爵という称号は後付けだし吸血行動に関連はないです。
『吸血鬼ドラキュラ』が有名になるにつれ、モデルとドラキュラがだんだん寄って行ったような話もあるらしく、日本も戦国時代の逸話に創作が多いように、話がだいぶ盛られているみたいでした。
何故、ルーマニアの地方領主に白羽の矢が立ったのかは不明ですが、たまたまなのかなぁ・・(笑)
『吸血鬼ドラキュラ』を執筆した作家は、女吸血鬼を描いた『カーミラ』という先輩の作品に影響を受けたみたいだし、そもそも小説は娯楽作品ですもんねー(笑)
ちなみに『カーミラ』は、日本では有名なレジェンドコミック『ガラスの仮面』の劇中劇でも引用されているらしく俄然興味が湧きました(笑)
主人公が吸血鬼・カーミラを演じているそうです。
女性同士の美しくも儚い愛憎劇だそうですよ。
調査の結果、ドラキュラの基本設定としては以下の通りでした。
・裏が緋色の襟のついたマント、黒ずくめの洋服、髪の毛はオールバック
・鋭い犬歯がある
・不死身
・栄養は基本生き血(若返り作用がある)
・狼、梟、蝙蝠、狐などの動物を操ることができる
・鏡には映らない
・家に招かれないと門の中には入れない
・美しい女性を狙う
・日光、十字架、香りの強い香草など(特にニンニク)、炎
・水が弱点だが、川の上を歩くことができる
・心臓に杭を打たれると死ぬ
・寝床の棺には故郷の土が入っている(じゃないと眠れない)
など、そんなに新しい情報はなくてすみません。
不死身ではあるけど、栄養が取れないとしおしおになるので、夜な夜な捕食してるっていうのがドラキュラの性質みたいなイメージ(笑)
ドラキュラに感染(?)した人たちみたいに本人がゾンビなのか実態のないものなのかは、はっきりとはわからなかったので若干モヤモヤしますが。
美しい女性を狙うといいつつ、男性弁護士が今回のドラキュラにおけるターゲット(花嫁と表現されている)であり、そもそもの女性吸血鬼の物語『カーミラ』も、同性間のやりとりが描かれているようなので、ドラキュラや吸血鬼の創作物においては通常設定なのかもしれないです。
以下は、第1話のあらすじとネタバレ感想です。
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ー『ドラキュラ伯爵』シーズン1第1話 "The Rules of the Beast"ー
修道女であるシスター・アガサはある男から事情を聞いていた。
変わり果てた姿になっていた男は謎が多かった。
男はルーマニアのトランシルバニア地方にある”ドラキュラ城”に捕らわれの身となっていた日々の記憶を順に語りだす。
彼の名前は、ジョナサン・ハーカー。
イギリスに引っ越す予定だというドラキュラ伯爵の城に、婚約者のミーナをイギリスに残し、不動産売買の手続きで訪れていた弁護士だった。
ジョナサンはすぐにイギリスに戻るつもりだったが、謎の多いドラキュラ公は1か月の滞在を要求し、日に日に自分が弱くなる一方、ドラキュラ公は反対にどんどん生気を取り戻していく。
ジョナサンは自分のほかに城に人が居ることを察し、城の中からあるものを発見する。
ある時、城の地下深くの部屋を発見するが・・。
修道女アガサがお気に入りです(笑)
赤血球をモチーフにした美しいオープニングはハンニバルを思わせ、思わず「ヒィッ!」となるようなホラー感が随所にありつつも、なんとなくちょっとドラキュラがお茶目な感じに思えてしまったのは、ジョナサンのピュアな感じのキャラクターとドラキュラの美しすぎない(失礼)ルックス。
そして、アガサの存在が大きかったかなと。
ドラキュラ城での出来事と並行して、アガサがジョナサンに興味津々で突っ込んだインタビューするスタイルにより、少しコミカルな感じが生まれたと思う。
もしかしたら、コメディ感を感じてるのはわたしだけかもしれないけど・・。
なんせ、ホラーは比較的平気なタイプだからさ。
だとしてもアガサは修道女でありながら宗教およびオカルトマニアであり、周りからちょっと浮いた存在であることはなんとなくわかりましたが、鉄オタが鉄道会社に就職するような感じで、ああいう修道女もいるかもなって変に納得してしまったんですよね。好きを仕事にするってああいうことですよね。
アガサがストーリーテラーになってくれたことで、ドラキュラに造詣の深くないわたしにもいろいろ教えてくれてたし。
ドラキュラがいろいろな動物を引き連れてジョナサンの元に来たときには、ドラキュラが気迫負けしていて面白かった。
ところで、ドラキュラの特性には「変身できる」という説がありまして、ジョナサンに変身してミーナに襲いかかっていたドラキュラですがジョナサンはドラキュラの発言した通り、胸に杭を打たれて完全に死んだのでしょうか?
それともただ変身していただけだったんでしょうか。
なぜ、こんなことが気になるかというと、ジョナサンがもう出てこないのはちょっと寂しく思うのと、ドラキュラは一度城の上でジョナサンの命乞いの際に、ジョナサンの光にやられて川に飛び込まれて逃げられちゃったじゃないですか。
アガサは「太陽ねの光ね!」と言っていましたが、確かにドラキュラの背中側に
あった太陽の光がジョナサンのクロスに反射して光ったって感じにも思えたんですけど、途中地図を探していたジョナサンが「愛する人は光だ!」って言って、設計図を絵の裏に発見してましたよね。
ジョナサンを愛してしまっていたら、展開として面白いのにって思ったんです。
あのジョナサンの光にやられたとき(あ、ドラキュラの愛の物語もやるのかな)って思ってたんですが、ハンニバルの影響かもしれないです(笑)
それにしても、天使だの悪魔だの(ルシファー)、ドラキュラだのってそんなんばっかり見てる(笑)
ドラキュラに関しては、イギリスドラマとNetflixの融合感が非常によかったです。
2話、3話も楽しみです。
それでは、また。
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