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ブレイキング・バッド シーズン3 第5話『新しいラボ』 感想 ウォルターもハンクも、一人でプレッシャー感じすぎだなと思う。

ブレイキング・バッド シーズン3 第5話感想です。

 

とりあえず、邦題で今回のエピソードのネタバレ含むのやめてほしい。

途中、なんとなーくこの後の展開がわかっちゃって、本来であれば、もっと「おーっ!」となれたところの盛り上がりが減ってしまったじゃないか!

確かに訳すのが難しい【Mas】という原題ではあったけれど、(調べたところ、おそらくスペイン語で、英語で言えばmore的な意味合いの単語だと思う)だからと言ってネタバレは困るよー。

 

そういったわけで今回タイトルに若干(?)の不満もあったのですが、個人的に、家族観や父親観、母親観、夫婦観について考えさせられる回でもあり、興味深いエピソードでもあったので、その点も含めて、つらつらと思考を垂れ流しさせて頂ければと思います。

 

 

 シーズン3 第4話の感想はこちら ↓ ↓

 

 

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 シーズン3第5話は、ビジネス引退をとりあえず決意したウォルターを引き戻したいポヨスのオーナーであるガスとウォルター、一人でビジネスをやれると盛り上がるジェシーとそれに対峙するウォルター、そして、不倫を続けながら離婚話を進めようとするスカイラーとウォルター、という三者三様のウォルターの人間関係を描きつつ、ハンクとマリーの夫婦関係も描かれることになりました。

 

 

 ※以下、ネタバレありの感想です。

 

ジェシーとウォルターが作業場として使用していたキャンピングカーの入手経路が今回のエピソードで明らかになりジェシーその場の軽率な行動によるやっつけ仕事だったことが判明し、近々ハンクに追い詰められる結果を招きそうになっていますが、ジェシーは自業自得としても、キャンピングカーには証拠品もたくさんあり、必然的にウォルターが巻き込まれるので両者ともピンチです

 

 

 エルパソ行きをかたくなに拒んでいたハンクでしたが、相棒のゴメスがエルパソに行くことになり、今は悔しさと焦り、ホッとする気持ちがないまぜになった状態でしょうか。

妻であるマリーが、ハンクが追い詰められていることに勘付き、スカイラーよりはるかに夫に歩み寄る柔らかい対応でハンクに接するも、それも癇に障りマリーに怒鳴り散らすハンク。

周囲で心配している人々をことごとく拒絶するハンクが痛々しいし、ハンクの代わりにエルパソに行くことになったゴメスも複雑そうでかわいそう。

エルパソに行きたくなくて行かなかったという事実を作りたくないハンクは、何かに取りつかれたようにハイゼンベルクを追う形となっているし。

 

そんな夫を心配するマリーが、スカイラーにそのことを相談したことをきっかけに、『死に直面した夫』の心情を初めてきちんと考えたのかな。

今まで、スカイラーは、『死に直面した夫を持つ妻である自分』のことしか考えてなかったように観ているこっちは感じていました。

弁護士にも支離滅裂なことを言いだす始末だし、スカイラーはスカイラーなりに苦しんでいるということはわかった。

いや、わかってはいたんだけど、やっぱり全然気持ちに寄り添えないんだよね。

あんなにかわいそうな目に遭っているのに、こんなに同情できないのは一体なぜなんだろう、むしろ不思議なほど(笑)

 

一方、ウォルターは、前回ポヨスの袋に入れられた大金を急に渡されたことを巡って、ジェシーが取り分半分取られたと怒り狂ってめんどくさいことになっていました。

話は飛びますが、今回のジェシーが彼女を失った事件でウォルターがつくづく偉いなと思っているのは、ジェシーに対してけっこう献身的に色々手を尽くしたのに、そのことについては一切触れずに恩着せがましくしていないことです。

彼女の件については、ウォルターも罪悪感があるためか、言えないのかもしれないけど、人間何か与えたら見返りを求めたくなるのが普通なのに、そのようなことは二人ともなかったことのような感じになっている。

ジェシーは、本当にどん底に落ちる前にウォルターが助けてくれたことを感謝したほうがいいと思うけど、そういうことも更生の途中で忘れちゃうものなのかなと思っています。

 

そのジェシーが怒っている間に、ポヨスのオーナーであるガスと面会するウォルター。

ウォルターをおびき出すためにジェシーを利用したガスだったけど、ウォルターの言うことなんてあらかじめ全部わかっているような感じが今回も素敵でした。

 

ウォルターの愚痴っぽい話を最後まで黙って聞いたあと、ポヨスのオーナーからの完璧な『新しいラボ』のプレゼントに、驚きと喜びを隠せないウォルター。

しつこいけど、今回のタイトルが『新しいラボ』じゃなければ、このシーンがもっとグッと来たのになー。

ウォルターの化学の知識のプロフェッショナルさを認めてくれて投資してくれたこと、おんぼろキャンピングカーではない、きちっとした設備と材料できちんとしたものが作れる喜び。

 

思わず笑みが出て、喉から手が出るほど欲しがっている姿を見るガス。

それでも、家族を取り戻したいと断るウォルターに、『家族を養うのは男の仕事だ』と力強く言い放ちます。

男の仕事はそれだけなんだと。

 

ガスが、本当にそう思っているのか、死に直面したウォルターが家族のためにやったことが前提にあって、家族がウォルターの心を動かす最大の言葉だと思って言った、最後の一押しの言葉だったかはわかりませんが、家族という大義名分と、目の前にある魅力的な設備とお金と化学の魅力に勝てなかったウォルターは、ジェシーとスカイラーとの訣別を決意しました。

 

今回のエピソードは、男女における性差の考え方や男女が担っている役割の価値観で、だいぶ見方が変わったのではないかなと思うのですが、ガスの言葉に心をグッと動かされた人は、男女関係なく『男は女子供を養うもの』という昔からの根強い男女の役割分担的な考え方をどっかで持っていたりするのかなーと思って観ていました。

アメリカを舞台にし、育児や家事には積極的に参加するウォルターですら、そんな感じだし、ハンクは、ハンクで妻に弱みを見せたくない思いが強すぎて、夫婦関係がこじれてきている。

 

それがいいとか悪いとか、議論するつもりはなくて、家族や夫婦には100組いたら100通り、それぞれがよしとする形があるのもわかるのですが、二人とも何かわからない見えないものにがんじがらめになって辛そうだなーと思いました。目の前の人を見ていない。

 

わたしは個人的に、自分の生育環境もあるかと思うのですが、そんなにパートナーに強さや庇護を求めていなく、何かあったら一緒に戦いたいという、どっちかというと仲間意識のほうが強いし、わたしがもしあの2人の妻なら単純に淋しいって思うかなー。

 

最初は淋しいと思って、そのうち、わたし、そんなに頼りない? 相談するに値しない? 信用できない? って思ってイライラしてくると思う(笑)

 

スカイラーの場合は言ってもあの結果だったわけだから、何も言わないっていうウォルターの選択は正解といえば正解だったけど、今回のエピソードに関しては何かを隠しているウォルターにイライラするスカイラーと違って、心がだんだんと壊れていく夫をそばで見ているマリーがかわいそうに思えました。

 

家族って何かと難しい。

もっと単純にいろいろうまくいけばいいのに。

 

今後、このまま何もしなければハンクが壊れていく一方そうなので心配です。

そして、ジェシーも捕まるし(笑)

 

というわけで、それでは、また次のレビューで。

 

 

第6話の感想はこちら ↓ ↓

 

 

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