『いだてん』第25~第29話感想です。
前回、「早くリアタイに追いつきたいな~」と軽く言っていましたが、観始めたらあっという間で、次回、ロサンゼルスオリンピック大会が開催されるというところまできてしまった。
早い、早すぎる。まさに【いだてん】(笑)
そして、28話から29話ぐらいの間に四三の居ない『いだてん』にもすでに馴染んできてしまっている。
それにしても、今年の大河は泣けるよねー。
シマちゃんぐらいから、涙腺緩くなってる、確実に。
笑いあり、涙ありで観ていてすごく楽しいし、近代日本史の勉強にもなっている。
色々とありがとうございます。
#21~#24話までの感想
~第25~第29話までの『いだてん』あらすじ(ネタバレあり)~
四三は、選考会の結果により自身三度目のオリンピックに挑戦するも過酷な状況と体力的な問題で途中棄権という結果を残す。
四三は、自分に愛情を一身に注いでくれた兄、実次の死によりとうとう熊本に帰ることを決意した。
スポーツは勝ち負けじゃないという風潮が広まる中、大声で「スポーツは負けちゃ意味がない」と豪語する若者が居た。
静岡県浜松出身の彼は、子どもの頃水泳で体を鍛えていたが、病により水泳にドクターストップがかかってしまい、水泳に対し並々ならぬ思いを抱いていた。
震災不況でスポーツに対して消極的なムードになるなか、政治記者の立場を利用して大蔵大臣に直接接触、オリンピック参加への多額の資金援助をとりつけたり冬でも泳げるプールを作成したりと、本業そっちのけで水泳の発展に力を注いでいた。
彼は、怪しいバーのママ(薬師丸ひろ子)に占いで30歳までしか生きられないと告げられていたのと男子が早死にする傾向にある家系だったため、時間がないと焦っていたのだ。
田畑が資金援助をとりつけたため、日本は水泳と陸上でオリンピックアムステルダム大会に参加する。
その大会では初めて女子陸上が正式種目になり、日本からはただ一人、人見絹枝という女子選手が選手団に加わっていた。日本人初の女子オリンピック選手であった。
アムステルダムでは陸上の成績はふるわなかったが、日本泳法から自由形への泳法変更をした日本水泳は大活躍でメダルも獲得していた。
その影響もあって、神宮に国際大会もできるプールが完成。こけら落としの大会で田畑は天才水泳少女・前畑秀子(上白石萌歌)と出会うことになる。
その頃、震災からの復興に手ごたえを感じていた東京市長・永田秀次郎(イッセー尾形)は、東京にオリンピックを呼ぶことを思いつく。
しかし、日本の政局は混乱を極めていた、満州事変による暗雲、当時の総理犬養毅を襲った五・一五事件である。
「そんな時こそスポーツだ!」とオリンピック日本選手団はロサンゼルスに旅立つが、水泳選手団の中では新人選手たちの躍進で、前大会のメダリストたちが記録を伸ばせず、本選出場選手の選考は混乱を極め、田畑とコーチや選手たちの間で軋轢が生まれていた。
成績の振るわなかった前大会のメダリスト高石勝男(斎藤 工)は、選手の本命ではなく選手団を引っ張る存在として選手団に参加していたが、試合に出ることをあきらめきれず夜にこっそりプールで練習を重ねていた。
田畑への不満も噴出していたが、思わぬところで田畑の真の思いを知ることになる。
そんな中、水泳の本選に出る選手の最終選考会が行われた。
そして、30歳までしか生きられないはずの田畑は34歳となっていた・・。
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第25話~第29話までの感想です。
四三編、綺麗におさまりました。
四三の三度目のオリンピック参加は驚きましたが、観てるこっちもやりきった感があるし、四三とは対極にある田畑の登場で時代の変化も感じることができた。
そして、シマちゃんに続く、実次の死・・。
(池部の母(大竹しのぶ)が悲しむだろうなぁ)と思っていたら、年を重ねた池部の母が金栗家に登場し「起きろ、実次っ!!」で、またもや涙腺崩壊です。
四三、実次とスヤのおかげで好きなように生きられて本当に良かったと思うしツイてたと思うし、彼自身もよく頑張った。
彼がいたからこそ、今の日本のスポーツがあると思う。
そして、この人が居たからこそといえば、人見絹枝さんですよね。
これにもすごい泣かされたんですよね。もう大号泣でしたわ・・。
ほとんど、演技経験のないダンサーの菅原小春さんを人見絹枝役に起用した人、天才だと思う。
身体能力の高さはもちろんのこと、ダンサーとしての表現力はさすがでした。
そして女優さんとしてはちょっとつたないセリフ回しと彼女の持っている目力が、人見絹枝の芯の強さにリアリティを生み出した。
起用の決め手はなんだったんだろう。
起用を決めた人、そしてご本人に何かの賞をあげたいぐらいだった。
それにしても、こんなに時代が進んで文化が発展しても人間(特に男性)の底って変わらないんだなってうんざりしたし、そのうんざりしてる感じを直球で『アスリートを性別や容姿で差別したり、揶揄するのは間違っている』と大河ドラマというたくさんの人が観るドラマではっきり言ってくれて、本当にありがとうクドカン。
明らかに下卑た感じで描かれていたよ、人見さんをバカにしている人たちが。
女性アスリートを実力じゃなく容姿で判断したり、美人だと実力以上にもてはやしたりするのもいい加減やめたほうがいいと思う。(美人すぎる〇〇とかも)
そして、インタビューで何故か女性だけに恋愛話や結婚観をしつこく聞く記者は本当に『いだてん』観たほうがいいよ。
そして、わが身を振り返って恥ずかしくならないようだったら、直接話を聞けない民衆を代表としてアスリートに接触するの本当にやめてください。
国民みんながそういうこと聞きたいと思われたりしてると思われたくない。
わたしは、少数派かもしれないですが、アスリートのプライベート興味ない派なんで。
普段、女性という理由だけで容姿で判断してバカにしながらもスポーツ観ている人たちは、このエピソード観てどう思ったんだろうとすごい気になる。
【化け物】呼ばわりされても、真摯にスポーツと向き合った物静かな女性が、選手団のただ一人の女性として長旅の男子選手の世話までさせられたうえ、競技で結果を出せず「男子選手は、負けても国に帰れるけど、女は結果を残せずに国には帰れない。わたしのせいで日本の女性のスポーツの未来を閉ざしてしまう」と、泣く姿が切なすぎて。
未経験の800mを死ぬ気で走るモノクロ映像は泣きながら観てた。
そして、結果を出して帰国してもそんなには賞賛されなかったけど、トクヨが・・。
トクヨが、静かに温かく迎えてくれて。
「シベリア食べなさい」って、微笑んでる姿にまた泣いた。
トクヨは、更に昔の人だから、女性としてあの地位につくまでにずーっと差別に遭ってきている。無口な人見さんが多くを語らずとも、その苦労と努力がわかったんだなって涙が止まらなかったです。
その後、人見さんが若くして亡くなったことを知ったのはショックでしたが、彼女の命がけの走りは確実に日本の女性の未来を切り拓き、そして2019年ドラマでその功績が大々的に知られて、現代に生きるたくさんの女性たちに勇気を与えたことは、あの時代誰にでもできることじゃなかった。
人見さん、本当にありがとうございました。
そして、まだまだ書きたいことがあるぞ!(笑)
高橋是清を演じた今年亡くなった荻原健一と、犬飼毅を演じた塩見三省、両名のベテラン役者による魂の演技。
萩原健一は圧倒的な存在感とカリスマ性で、ドラマを引き締め(多少悪徳でもいいから、今の日本の政治家にこのぐらいのカリスマ性があれば・・)と思わせてくれたし、
塩見さんは『あまちゃん』で勉さんを好演されたあと、ご病気されたと報道されていたので、登場にまずびっくり。
武力で支配する政治を望まなかった、満州事変に揺れる日本の首相を熱演されていました。
いだてん撮影の様子が、ご本人のブログに記されています。
あの名シーンを思い出しながら、いだてん撮影時のご本人の気持ちを読むとかなりグッと来ます。
ぜひ一読されてみてください。
そして、大河ドラマ『いだてん』の後半を担う主人公・田畑政治。
わたしは、すごく好き(笑)
勝手で気が強いのは四三と同じなんだけど、思っていることを全部口に出すところがいい。あと、迷いがないところがすごいと思うし、フットワークが軽くて羨ましい。
田畑が馴染み過ぎて口癖がすでに移っている。
「〇〇じゃんねぇ~っ!」って言っちゃう(笑)
新聞記者でありながら仕事をしておらず(ドラマ内では)水泳の事しか考えていない。
ロサンゼルスでは、水泳で勝つことばかり言って選手と軋轢を生み、鶴さん(皆川猿時)とも揉めましたが、その内に秘めていた思いをラストのシーンで持ってきて、選考会では、負けていた勝ちゃん(斉藤工)を必死で応援するということで、田畑にも人の心がないわけではないというような決着をつけるクドカン的ラストもよかった。
聞いた? 日本のマスコミの人たち。
『暗いニュースばかりの紙面をオリンピックの期間中だけでも明るいニュースで埋めたい』
日本を、元気にしたいんだって!!
私利私欲じゃなく、それが本心だってさ。
本当に、毎日荒んだニュースかどうでもいいニュースばかり流してるけど、マスコミには、本来は人を勇気づけたり力づけたりする力があるんだぞ!
わたしはそういう風に思ってくれている人がいるってことに感動したし、素直に嬉しかった。
まだ、始まっても居ない大会の水泳の紙面を託された菊枝さん(麻生久美子)。
今後妻になるみたいだけど、田畑のことを支えられるのは彼女しかいないと思う(笑)
結婚、すごく楽しみです。
後半に入ってきて、クドカン色がますます強くなってきて、クドカンファンとしてはすごく嬉しいです。
場末の(?)バー・ローズのママ、薬師丸ひろ子は相変わらず面白いし、田畑の周りの新メンバーのリリーさんも落ち着いた演技ですごくいい。
次の回は、ロサンゼルス五輪の大会で、前畑秀子選手(上白石萌歌)の活躍が観られそうなので明るい話題で盛り上がれそう。
ただ、今回のこのロサンゼルス五輪は昭和7年(1932)に開催されていて、このあと、しばらくして世界の戦争ムードは高まり、日本での終戦は昭和20年(1945)。
東京オリンピックは、このロサンゼルス五輪から32年後の昭和39年(1964)開催です。
また悲しい出来事もたくさんありそうですが、見届けていきたいと思います。
孝蔵のところは、おりんちゃんがたくましくなっていて非常に頼もしいです。
並行してこちらのほうも描いてください。
そして、たまには熊本の人たちの登場もお願いします。
というわけで、それでは、また!
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