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『いだてん』#21~#24 ネタバレ感想  クドカン、二度目の『大震災』を描く。

 『いだてん』第21~第24話感想です。

 

げー!! もう32話まで放送済みだ!!

(2019.8.22現在)

 

前回、20話まで観てリアタイに追いついてしまって安心し、そのまま繁忙期に入って放置してしまい、ちょっと落ち着いた今週月曜から視聴を再開したのですが週一配信(放送)だからそんなに進んでないと思ってたら、かなり進んでた・・。

3日で4話、このペースで行けばまたすぐ追いつける(はず)

後半の盛り上がりは、『いだてん』をリアタイで観ている方々と共有したいので、なんとか追いつきたいです。

 

 

 #16~#20話までの感想

 

www.meganetamago.com

 

~第21~第24話までの『いだてん』あらすじ(ネタバレあり)

 

アントワープオリンピックの敗戦で打ちひしがれていた四三は、ヨーロッパを放浪中、スポーツに打ち込むたくさんの女性たちを見かける。

夫を戦争でなくした女性たちがその思いを振り切るようにスポーツに打ち込み、思いを吐き出す姿を見た四三は、日本女性にも変革が必要と確信。

日本に帰り、女性のスポーツの推進を図ることを心に誓う。

オリンピックも終わり、夫が熊本に帰ることを望んでいたスヤだったが四三は断固として拒否。

女学校の体育教師になった四三だったが、お嬢様学校であったその学校は花嫁修業の一環として通っている子女が多く、【学校を中退していいお家柄に嫁ぐ】ことが女子生徒たちのステータスであり、運動することに全く興味を示さない。

しかし、四三の再三にわたる熱血指導により、運動することの楽しさに目覚めた女子生徒たちはスポーツに打ち込むが、素足を出してハードルを飛ぶ姿が新聞に掲載され、当時では嫁入り前の女性が肌を露出してスポーツをするなんてはしたないことだと社会問題になり反発する女子生徒と四三。

だんだんと日本の女性たちにもスポーツの習慣が拡がって行くさなか、岡山の学校とのテニスの交流試合に引率した四三とシマは人見絹枝という逸材を発見し、シマは彼女に陸上をやるために東京に来てほしいと声をかける。絹枝に断られたシマだったが、後に彼女に手紙を書く。

 

小梅の間男の疑いをかけられ、浅草にいられなくなり色々な地を放浪した後、浅草に戻った孝蔵。

人力車の車夫の友人のセイと遊女の小梅は結婚し、所帯を持っていた。

2人の仲人で孝蔵もお見合いをすることになり、下宿屋の娘のおりんを妻に迎えた孝蔵だったが、酒浸りで家にお金も入れず穀潰しをしていたが、噺家としては真打に昇進していた。もらった給料を酒と遊びに使い切る孝蔵だったため、生活は苦しく家賃を払えず家を追い出されたりしていたが、おりんが内職したりして食いつなぎ、なんとか別れず2人で暮らしていた。

 

そんな中、東京を大地震が襲い、浅草近辺に大規模な火事が起こる。

治五郎の夢だった競技場も完成した矢先の出来事で被害も甚大なものだった・・。

 

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第21話~第24話までの感想です。 

 

『いだてん』の視聴を再開し、夫を戦争で亡くしたヨーロッパの女性がたくましく「槍でも投げないとやってられないわよ!」と夫の形見の槍を投げる姿に元気をもらったあと、女性のスポーツ推進に奔走する四三とスポーツをやったことがない女の子たちが楽しそうにスポーツをする姿を楽しく観ていました。

今までむしろ【はしたないこと】とされていた、女子スポーツに光明がさしたこと、最初は女生徒たちに下品だと思われていた四三がだんだんと女生徒たちに好かれてきて、彼自身が女生徒たちとともに社会の女性蔑視に真っ向から立ち向かっていく姿に、非常に感動していました。

 

教師になったシマちゃんの頑張りも清々しく、あの時代にこんな素晴らしい人が・・というパーフェクトな夫・増野さんとシマちゃんの結婚、美しいウェディングドレス姿にじんわり。

しかも、いつの間にかセイさんと小梅ちゃんも結婚。

小梅ちゃんは恋多き女ではありましたが、田舎から出てきて苦労してきたからこその情の厚さで下町の肝っ玉母さんに変化、世話焼き女房みたいになっていてその様子も微笑ましく、しまいに小梅ちゃんは孝蔵の見合いまでお世話。

志ん生の妻のりんさんの若いときを演じるのが夏帆ちゃんで、夏帆・志乃、志乃・夏帆・・だんだん2人が重なって見えてくる・・不思議だわ・・)とこの段階では呑気に思っていて、何もかも順調に進んでいるかのように見えていたところで、まさかの関東大震災・・。

 

全然予備知識がなく、この展開を知らなかったので文字通り青天の霹靂。

地震が起きたとき(え・・まさか、関東大震災か!?)と頭をよぎったのですが、その後の惨状はうっすらとですが予備知識としては知っていたし、走馬灯のように脳裏を駆け巡るシマちゃんフラグ・・。

(やだ、シマちゃん、ヤダ・・(涙))

 と、ここからは四三編が終わるまで涙腺崩壊でした。

一話で終わらせる予定だったのですが、二話立て続けに観てしまった。

 

宮藤官九郎といえば、東日本大震災で甚大な被害を被った北三陸を舞台にした朝ドラあまちゃんを書いた脚本家です。

わたしがクドカンが描く大震災を見るのはこれで二度目。

当時も『震災をあくまで人生で起こりえる悲劇のひとつ』として、そこに生きている人たちの人生の一部として描かれているなと思ったのですが、今回もなんとなくそう感じました。

人生に起こる悲劇っていうのは山のようにあって、そのだいたいの悲劇は理不尽なものだから、起こってしまったことは敢えて劇的に描かないような気がしている。

 

でも、そこから立ち直ろうとする人々のことは強く描く。

もちろん、悲しみも強く描く。

 

前回のレビューでも、孝蔵を愛してくれた師匠の円喬(松尾スズキ)の突然の死に呆然としていたけど、こうして大事な人との別れはなんの前触れもなく訪れるんだなって。

シマちゃんの夫であった増野さん(柄本佑)のリアリティのある演技にはかなり泣かされた・・。

本人もなんとなくわかってはいるけど、愛する妻との突然の別れを受け入れたくないなか、妻に思い切って伝えたご飯の固さの好みの件を、救援物資のおにぎりや、自分もご飯を食べるたびに思い出して後悔していた自責の念が溢れ出るシーン。

「ご飯の固さの件なんかどうでもよかった・・」と泣き崩れる増野さんを励ます四三も「夫婦なんだから、そういうことに折り合いをつけながら暮らすのが当たり前だ、ご飯の固さの好みを伝えるのは当然だった」と、増野さんを肯定します。

日常を送る中で、悲劇は誰にも予測できない、避けられないことなんだと。

 

そんな四三も、シマちゃんに劇場のことを伝えていなかったせいで、シマちゃんは浅草に行ってしまって被災し、自分は助かったことで、自責の念に駆られて必死でシマちゃんを探していたけど、心が疲弊して熊本に帰ってしまった。

しかし、いつもは四三が好きなことばっかりやって帰ってこないことを怒っている池部の母が、四三が帰ってきたことを叱っているのにも泣けた。

「困っている人をほったらかして何をやっている!」と、大量の救援物資と四三を東京に送り返した。

池部のお母さん、かっこよかった。

大竹しのぶは、出番が少ないながらも必ず爪痕残すからすごい。

 

復興に力を注ぐ四三と並行して孝蔵の件も描かれましたが、結婚しても相変わらず酒浸りで家にお金も入れない、才能がありながら芸を食いつぶすダメ芸人であり夫であった孝蔵に変化が訪れたのは、おりんが身ごもったことと、震災です。

家賃を払えず田端動坂に引っ越していて、火災の難を逃れた孝蔵でしたが、坂の上から焼け野原になっていく思い出の地の浅草を見つめる孝蔵。

復興に力を注ぐセイさんと小梅夫婦のところで寄席をし、束の間の笑いを届ける孝蔵に夜の避難所の切なさを伝え、悲しい現実を受け止めながら生きている人に、ちょっとの間だけでも現実を忘れさせる噺家になってほしいとセイさんに言われた時の孝蔵の目がすごかったです。森山未來くん、相変わらず演技すごい。

 

そして、復興運動会。

本来、【運動会】とは競技するものも、応援するものも楽しいものであるべきだと、当たり前のことを思い出しました。

運動会したからといって復興が進むわけではないけれど、人の気持ちが前を向いていなければ復興は進まない。

生きていれば楽しいこともあると、誰かが教えてくれなければ、支えてくれなければ、大切なものを失った悲しみを乗り越えて生きていくことはできないです。

そんな運動会に現れたシマの強い思いを背負った人見絹枝が四三の前に現れる。

絹枝がさっそうと走る姿を見る、シマの面影と、シマの手紙にまた号泣。

「あなたが走る姿を見て、憧れる女性が一人でも現れれば・・」

 

悲しみとともに綺麗にまとまった四三編から、東京オリンピック編に次回から移ります。

 

絹枝の活躍ももちろん楽しみですが、シマの孫であることが明かされた五りん。

五りんの母はりくですよね。陸上の”りく”っていうのもまた泣けました。

三島の家で女中をしていたときから、女でありながらスポーツをすることに強い憧れを抱いていたシマが残したりくの人生が、五りんから語られることを期待しています。

 

シマちゃん、たくさんの感動をありがとう!!

 

それにしても、今年は推しの死亡が甚だしい・・。

もう誰も好きにならない方がいいのかもしれない。

 

それでは、オリンピック編でまた。

 

 

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