たま欄

※当サイトの企業リンクはアフィリエイトを使用しております

『いだてん』#40~#44 ネタバレ感想  上等じゃんねぇ~っ!! 夫を支えた妻たちと東洋の魔女。

『いだてん』第40~第44話感想です。

 

『いだてん』今週の日曜日12/15日にて最終回。

大河を年内完走(予定)は、生きてきて初めてかもしれません。

今のところリアルタイムで最終回を観る予定で、それも初めての経験。

なんだろう、これだけ生きてきても初めての経験となると若干緊張しますね(笑)

 

第一話でビートたけし志ん生がオリンピック噺を話はじめたのが1959年

50年前の1909年当時嘉納治五郎と熊本に暮らす金栗四三のエピソードでした。

そしてこの5話の間に過去と現在が繋がり、未来に続く展開になりました。

50年の時が進みました。

今までの大河ドラマでも余裕で50年やそれ以上時間が経過してるんですね。

人の生涯を描いてるので、それぐらいの時間はかかります。

なのに、あんまり時が経過した気がしてなかったんですよね。

しかし、今回は近代史だったからなのか、人ではなくて『オリンピック』が主人公であり、メインのストーリーを引っ張る人物も途中で交代したからなのか、過去が現在に追いついてきたからなのか、すごくたくさんの時間が経過したような気がして44話まで観た段階ですごくしんみりとしてしまった。

 

船で何週間、何か月もかけて行く必要があった海外は、飛行機で移動するようになっていて、セイさんが人力車を飛ばしていた道は舗装され車が渋滞し、電話もあり、テレビもある。

それだけたくさんの時間をかけて、オリンピックを東京で開催しようとしていた人が居たんだと素直に思ったし、オリンピックが開催される2020年ではなく、前年の2019年にふさわしい作品だったと改めて思いました。

『いだてん』を観た全ての人たちは、オリンピックの日本開催を心から喜び、嘉納や田畑、金栗、そしてオリンピックに関わったたくさんの人たちに思いを馳せることができるし、世界各国のアスリートたちに敬意を払い心から応援できるような気がします。

 

40話から44話までのエピソードも非常に素晴らしかったです。

まだまだ語りたくはありますが、前置きはこのぐらいにして、あらすじと感想です。

 

 #35~#39話までの感想

 

www.meganetamago.com

 

<広告>

 

 


 

第40話~第44話までの感想です。 

 

1959年、東京へのオリンピック招致がいよいよ佳境に差し掛かっていた。

そんな中、IIOC委員会でスピーチをする予定だった人物が怪我をしてしまった。

代わりの人物としてNHK解説委員としてお茶の間の人気を博していた、平沢和重(星野源)に白羽の矢を当てた田畑政治阿部サダヲ)だったが、平沢はオリンピック招致に反対の姿勢を示していたため固辞されてしまう。

スピーチが苦手な田畑は、なんとしても雄弁な平沢にスピーチをしてもらいたかった。

思いを平沢に伝えるべく、戦後のスポーツ復興に奔走した日々を話し始める。

田畑の思いに打たれた平沢はIOC委員会でのスピーチを引き受けることに。

平沢のスピーチは成功し、とうとう1964年の東京でのオリンピック開催が決定されることになる。

その後、田畑は、オリンピック組織委員会の事務総長に。

1964年東京オリンピックを盛り上げるべく日本がメダルを獲得できそうな種目を検討している中、当時女子バレーボール界を席巻していた大阪のチームに目をつけ視察に向かうがそこでは壮絶な練習が繰り広げられていた。

オリンピックの選手村の場所を会場近くに設営したい田畑だったが、敗戦国である日本はまだまだアメリカの統治下にあった。

ベストな場所はアメリカが占有しており、会場から遠く離れた朝霞に選手村の建設が進んでいたため、土地を奪還したかった田畑は平沢と画策し土地を返してもらう話をつけるが多額の返還料金に苦慮する。

そんな折、バーに居た田畑は、返還料金を凌駕する秘策を思いつき、当時の総理大臣に直談判をする。

更には、オリンピックを政治に利用したい政治家の影が田畑に忍び寄っていた。

 

1962年、東京オリンピックの二年前オリンピックの前哨戦のアジア大会ジャカルタ大会が開催。

日本選手団のリーダーとして、田畑もジャカルタに居た。

しかし、インドネシアスカルノ大統領はアジア大会を政治に利用しており、台湾とイスラエルの参加を拒んでいた。

ボイコットする国も現れる中、東京大会を控えていた日本は参加の是非を問われるが、この時の判断が田畑を更なる窮地に追い込むことになる。

 

一方、脳出血で半身まひのリハビリに励む志ん生は、弟子の五りんと二人会を開く稽古に励んでいたーーーー。

 


 

 本当に器用な阿部サダヲと、そんな阿部さんを熟知していてうまく使えるクドカン

最高じゃんねぇ~っ!!

 

第40話の田畑のオリンピック噺の落語調の語り、上手くてビックリだよー。

たけしも神木くんも森山くんも頑張ってるけど、一番上手いのは阿部さんかもしれない。そして、阿部さんのキャラと声が作品にいい意味で軽さを出してるんだよなー。

 

「ペだよっ! ペッ!!」

 

って、日本語にすると思わず笑えるようなセリフをあの声で言われると面白いし、あんな真顔でよく言えるな・・と本当に感心するし、わたしが平沢だったら笑ってるよ(笑)

勝手でワガママで口が悪くて自由だけど、彼を慕う人が多いのがわかる気がする。

田畑も『オリンピック』っていう競技を走っているアスリートみたいなものだから、周りの人をはじめ、妻の菊枝も応援してしまうんだろう。

今回の『いだてん』は男性が主役だし、社会が男性で構成されていたから男性がキャストでは圧倒的に多かったけれども、その中でも女性がうまいこと差し込まれていて、女性の生き方や考え方が、先に描かれていた先人の努力もあって着々と変化の兆しを見せているのが感慨深かったです。

 

メインどころでは、好きな人が居たけれども、親の決めた相手に嫁いだスヤ。

寡婦になり四三を婿に迎え、走ることしか頭にない四三を経済的にも精神的にも支えた。スヤの義母の池部の母も金栗家を支えてくれました。

そして、孝蔵の落語の才能を心から信じて、ついてきてくれたおりんちゃん。

志乃(池波)がニコニコしてるだけで、今までの苦労が思い出され心底よかったねって思って泣ける。

志乃は首巻きねじねじもワガママそうだから、実生活でもきっとおりんちゃんみたいなんだろうなー。

更には、後半の主人公田畑の妻の菊枝。

いつも無表情で田畑に勝手に喋らせていて自由にさせている。

何故、菊枝は田畑がよかったのか正直全然わからない(笑)

描かれてないけど、子どもも居たようだし、多分すごく苦労したよね・・・。

でも、結果菊枝効果で一番好きなカップルだったかも。

お屋敷の女中だったシマちゃんに、女性スポーツ界の下支えをしたトクヨ、アスリートだった人見絹枝、オリンピック銀メダル前畑秀子も忘れてはならない。

 

そして『いだてん』有終の美を飾るのにふさわしい東洋の魔女が満を持して登場しました!

騒動の渦中にあった放送だったためか、まがまがしいテロップが出てすごい驚きましたが、バレーボール部の監督を演じていたのが脱税の方だったからだったようで・・。

今まで、スキャンダルを起こしたりすると映像が差し替えられたり代役を立てられたりしていたけど、バラエティじゃないし思いのほか特に気にならなかったな。

脱税といえば、ドラマ監獄のお姫さまで経済アナリスト(?)的な役をやっていた人が、脱税だったか粉飾決算だったかで逮捕されて服役するんですが「誰も損してない! わたしが得しただけっ!」というセリフをクドカンは書いているわけですが、だいたいの人は自分が損してなくても他人が得するのは許せないみたいだからなー。

【100円払うと目の前の人が100万円もらうのを阻止できる】というと、だいたいの人が100円払うらしい。

わたしは、自分が100万もらえるわけでもないのに、なんで100円払わないといけないの・・って思ったタイプなのでどうなんだろう。

損に敏感といえば、敏感なのかもしれない。

なにしろ監獄のお姫さまは、世間知らずの浮世離れしたお姫さまを200%のお節介で有志のおばさまたちが悪い奴から救おうとするヒーロードラマなので『いだてん』でクドカンにハマった方も、そうでない方もみなさん観てください。

 

話が逸れました。

色々な人が女性たちにスポーツを思いっきりできる環境をもたらし、田畑の目に留まった女子バレーボールチーム。

当時の鬼コーチに対してナレーションで何度も「虐待ではありません」とことわりをいれなくてはいけない有様だったけれども、安藤サクラがやられっぱなしではなかったのと、バレーボールが好きという情熱を出してくれているため、そこまで悲壮感がなくてよかったです。

あそこまで撮影していたら、さすがに代役たてるわけにもいかないよねぇ・・。

残り3話で彼女たちの活躍が見られるかと思うと楽しみですね。

 

田畑が政治に巻き込まれてオリンピックの事務総長をおろされて(河野は何をやってるんだ?)涙したシーンはさすがに胸にせまりました。

「俺のオリンピック、違う、そうっ、違う、そう!!」

菊枝のためにも、なんとか頑張ってほしい。

 

そして、時代劇では夫を立てて支えるのが妻の役割で当たり前だからかスルーされがちな妻の功績を、夫が一人しみじみと妻への感謝と愛を語るシーンを差し込んでくれたのはさすがクドカン、素晴らしい。

直で言うんじゃなくて、一人語りしてるところを見られるっていう一番恥ずかしいやつ。

あんな状況で自分に嘘はつかないから、本音しか出ないわけだし。

若いときは若い役者さんでやってくれていたこともあって、こちらはたくさんの人たちの何十年もの人生を見守ってきてような気になっているから終わるのめちゃくちゃ淋しいです。

 

泣いて笑っての残り3話になると思います。

 

それでは、最終話後にまた。

 

 

 

<広告>

  

いだてん 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

いだてん 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド)