ブレイキング・バッド シーズン2 第12話の感想です。
シーズン2最終話1個前のエピソードが、こんなに切ない話だったなんて・・。
やりきれなさすぎて、気持ちの落としどころがない。
『ブレイキング・バッド』で泣くときは、悲しくて泣くのではなく、感動して泣きたかった。
人生、不条理すぎる。
生きているだけで、その時々の出会い、一瞬の迷い、一瞬の決断が人生を大きく左右するのを目の当たりにするのが、こんなに人生だいぶ過ぎた今でも怖かった。
というか、やり直しがきかない段階に来てるからこそ、見ているのが辛く悲しかったのかなとも思う。
前半は割と生温かい感情でまったり観ていたのに、後半で大きく雰囲気が変わって、最後はこんなもやもやした切ない気持ちになってしまった今回のエピソード。
振り返っていきたいと思います。
シーズン2 第11話の感想はこちら ↓ ↓
第12話は、前回のエピソードをまるっと引き継いで、スカイラーの陣痛始まりのその後、ウォルターは薬の売買に間に合ったのか、新しくできた彼女と葉っぱ以上の薬にハマってしまったジェシーの行く末が描かれました。
※以下、ネタバレありの感想です。
とりあえず、
スカイラー、無事出産おめでとう!!
しかも、出産前はちょっと心配だったみたいだけど、安産だったんだねー。
これで生まれてくる赤ちゃんとスカイラーにまで何かあったらウォルターが救われなさすぎるし、立ち合いに間に合わなかったウォルターに優しい微笑みをかけるスカイラーを見てほっとした。
よかった、怒ってないって(笑)
立ち合いに間に合わなかったけど、ウォルター娘を抱けて本当によかったと思ってジーンとした。
あのまま治療を拒否してたら、ベネキーがホリーのパパとして娘を育てていてもおかしくなかったよ。病室に居たしね・・。
ウォルターも驚いてたけど、わたしも驚いた(笑)
ウォルターはベネキーに妻を病院に運んできてくれたお礼もしなきゃいけなかったとは思う。
でも、職場で陣痛始まっちゃったからベネキーが運んだのは仕方ないとしても、
産まれるまでと、産まれてから夫が来るまで病室でスカイラーと赤ちゃんと3人で待機してるっていうのは、ちょっと空気読まな過ぎじゃないか?
とは思いました。
ウォルターも瞬時に色んな感情が生まれてきてたっぽいけど、とにかく目の前の赤ちゃんに夢中でそれどころじゃないし、
あんな幸せそうなウォルターとスカイラー、ドラマ始まってから初めて見た。
それだけでも、ウォルターが命をかけて命を長らえさせた甲斐が本当にあったと思う。
触れるの忘れてましたが、ウォルターは無事売人との時間に間に合って大金を手にしていたようですね。ジェシーがラリってる中一人でよくやり遂げたとこの時ばかりは思った。だけど、ガレージのDIY途中の壁の中に隠すという「あんなところに隠さないで!」っていう、こちらがハラハラするウォルターの不用心さ。
そして、更に赤ちゃんが産まれたことで彼のいろんな欲が全開になり、命をかけて手にいれた大金を今すぐ子どものためや自分のために使いたいし、人のお金として使うことが許せない。ウォルターJrが手術代の寄付を募ってるのも気に食わない、自分が稼いだ金がこんなにあるってことを家族に顕示したい。でも言えない!っていう相当矛盾したことをソウルにキレながら言っていて、「裏金なんだから、仕方ないじゃん。ウォルターめんどくさいよ(笑)」
って思うのと同時に、Jrが善意で作った手術費寄付を募るホームページ、家族写真がたくさん載ってて、ウォルターの顔写真がでかでか世界に発信されていたことも、ものすごい心配だった。
けっこう雑な変装で色々出歩いてるし、危ない橋もわたっているから、ハイゼンベルクの正体がこれでわかってしまうのでは?っていうことが今は気になって仕方ない。
それでも、お腹に赤ちゃんを乗せてベッドでまどろむウォルターとスカイラーや、夜中にミルクをあげる娘を抱いて満足そうなウォルターを見て、こっちまで幸せな気分になった・・、幸せな気分になってたのに!!(涙)
ここから後半あんなに落とすなんてひどすぎる。
幸せな気分になってたからこそ、残酷さが増したじゃない!
まぁ、そのための前半の幸せ感だったんだろうけど、それにしてもショックが大きすぎて。
ジェシーの彼女はおセレブお嬢様ではなく、普通のパパにものすごく愛されたジャンキーガールでした・・。
せっかく薬断ちしていたのに魔がさして手を出した途端、性格まで変わり目が据わっていき、ジェシーの家はジェシーが戦ったジャンキー夫婦の家のようにどんどん荒れていったし、薬のためならパパにも平気で嘘もつく。
更生者の集会にいつも同伴してくれる優しいパパに、再度手を出したことがバレて、ジェシーとパパも乱闘騒ぎになって。
娘の体を心から心配するパパは、リハビリ施設ではなく刑務所に送ってでも薬をやめさせようと警察に電話する。
すごい愛だと思った。
今日からリハビリ施設にすぐ入れという父親に対し、「家が荒れるから明日からにして、明日から必ず施設に入るから」と涙ながらに懇願する娘の要求を呑んでしまったパパ。
この時、無理やりにでも警察に逮捕させておけば、ジェシーと引き離していれば、リハビリ施設に明日からと言わず、すぐさま入れておけば・・そもそも一人暮らしなんてさせないで手元に置いておけば・・と、この時の瞬時の決断を一生後悔する瞬間を見てしまう。
一方、彼女と一緒にやってしまっているジェシーは、夢の世界へ飛んでいる間にウォルターが薬を持って行ったことも知らず、なくなっている薬に焦り、ウォルターに連絡をとるも、葉っぱ以上のものに手を出したことを知り、心配しているウォルターと揉める羽目に。
ウォルターの学校に来て、「薬なんていつでもやめられるから取り分をきっちり寄越せ」と言う薬をやめられない人の典型的なジェシーの姿に、お金を渡せないウォルター。
ウォルターが要求した尿検査を拒否し、キレて出て行ったジェシーだけど、薬で意識が遠のくなか彼女にお金のことを言ってしまった。
ジェシーはウォルターはパートナーだからと尻込みしていたけど、ぐいぐい行く彼女を止めることができず、ウォルターは彼女に脅されて、ジェシーに迷いながらもお金を渡してしまう。
ジェシーと彼女は大金を手にし、薬を捨てて自由になろう!と最後の薬を処分しようとして、処分したかどうかわからないまま、お金を渡してしまったことを後悔するウォルターが家に帰れないでバーに入っている画面に切り替わると、隣にジャンキーガールのパパが居て、お互いの身の上話になる。
ジャンキーガールは娘への愛を語り、ウォルターはジェシーへの愛情を口にする。
ウォルターにとって、ジェシーはパートナーを超えて家族の存在になっていた。
甥といっていたけど、息子的な存在になってたんだなってこの時思った。
家族なら何があっても諦めるな、と、ジャンキーガールのパパに背中を押されたウォルターはジェシーの家へ引き返し、彼女と夢の世界へ旅立って寝ている最悪の姿を目撃。
ジェシーをなんとか起こそうとしてる隙に、彼女が吐いて窒息しかかっているところを助けようとしたウォルターだけど、一瞬考えて、泣きながら彼女を見殺しにしてしまった。
辛い・・。
ジャンキーガールのパパのことも辛すぎるけど、ウォルターも相当辛い。
自分が金儲けのために生みだした代物は、大切な人をこういう結果に導いてしまうものなんだっていうのを実感してしまった瞬間だと思う。
このジャンキーガールにもお父さんがいるということももちろん思ったと思うし、ジェシーへの愛情から、彼女とは引き離したほうがいいと判断して助けなかったのかもしれない。とにかくこの瞬間、ウォルターは彼女を助けないと判断した。
ウォルターは泣いていて、本当のところの涙の意味はわからないけど、いろんな意味での涙だと思った。
わたしも色々と思い出して、切なくなって泣いた。
娘が生まれて幸せ絶頂なはずのウォルターに訪れた悲劇。
幸せなだけが人生じゃないとはいえ、これはさすがに精神的ショックが大きかったです。
ウォルターは、彼女を見殺しにしたことをジェシーにバレないでいることができるのか、今後ウォルターとジェシー、二人の関係はどうなっていくのか。
次、シーズン2最終話です。
第13話(最終話)の感想はこちら ↓ ↓
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