ブレイキング・バッド シーズン4 第10話の感想です。
※わたしのブログを読んでる人は、もうすでにドラマを視聴済みの方が多いという前提でこれから話を進めていきます。
(もうシーズン後半なので、ブログもちょっと熱くなってきています)
これからわたしがぐちぐち言うことは、あくまで、個人の見解だということをご了承して頂きたいと思うのですが、今回、『第10話の邦題をきちんと確認しないで観始めて正解だった』と思いました。
これを書くときに邦題を見て、公式のものなので一応タイトルに入れさせてもらったのですが、「え、この邦題なの?」ってすごく驚きました。
これ、微ネタバレしてないですか!?
いや、仮に邦題を知っていて見ていたとしてもドラマの流れ的に、そういう趣旨だなってわかって観てはいたとは思います。
だけど、『復讐の』って入れたらダメだろーっ!
ちなみに、原題は『Salud』なんですが、Saludで検索していただくと、Salud(サルー)というレストランやバーが山ほど出てきます。
なぜ、Saludというお店が山ほどあるかと言えば、下記の意味だから。
有名なスペイン語みたいなので知ってる方も多いと思いますが、敢えてここは説明させてください。
Saludという言葉は、直訳すると、健康という意味で、そこから発展して、口語で言えば「お大事に」とか、くしゃみをしたときに英語圏の人が言う「Bless you」と同じような時にも使う言葉らしいのですが、もう一つ、お酒を飲むときの掛け声の「カンパーイ!」として使う言葉でもあるので、レストランやバーにSaludが多い理由はこれ一択です。
で、 今回のタイトルも素直に『乾杯』にしとけばよかったのに・・。
わかる。『復讐の』って入れたくなった気持ちはわかる。そういう話だったし。
でも、泣きたくなるほど思いのこもった真剣なエピソードだったのに、安っぽくなってる気がしませんか? このタイトルのせいで。
どーーっしても意訳したかったにしても、『覚悟の杯』とか『祝杯』ぐらいの微妙な感じにしといて欲しかった。
こっちは、睡眠時間削って、真剣に『ブレイキング・バッド』に取り組んでるんだよっ!
第9話の感想はこちら ↓ ↓
10話は、ジェシーがガスとマイクに連れられてメキシコの組織にシェフとして連れられて行く一方、残されたウォルターの思いが描かれました。
そして、ベネキー社の粉飾決算に巻き込まれるスカイラー再び。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
まずは、スカイラーのことから書かせてください。
今回のエピソードはスカイラーも不憫で。
息子へのサプライズバースデープレゼントの車もたいして喜ばれず、更に追い打ちをかけてくるベネキー。
あのスカイラーが選んだ車だって、充分いい車だったと思う。
クライスラー・PT・クルーザー。
これを読むと、母親から息子への愛を感じる車選び。
しかし、甘やかされて育った16歳の少年にはこの車のよさがわからないんだなー。
そして、誕生日に自分を祝いに来ない父親のところに行ってしまうという。
いいところばっかり持っていくパパずるい(笑)
そして、ベネキーがソウルに呼び出されて、見ず知らずの遠い親戚から多額の遺産を受け取ったと知らされるシーン。
あーーー・・・スカイラー、お金の件まで世話しちゃったのかー・・・
手切れ金かと思ったけど、いくらお金を持て余してるとはいえ、前回の変装までで止めておけばよかったのに。
スルースキルも大事だよ、ほんと。
わたしもスカイラーの立場ならやっちゃいそうで怖いので、今、自分で自分を戒めました。
これも資金洗浄のうちなのかどうかはわからないけど、ベネキーが国税に払わなければいけない額が60万ドル(?)でそれとほぼ同額の66万ドルなんちゃら33セントの遺産設定。
80万ドルとか100万ドルとかじゃなく、ほぼ同額というところがスカイラーらしいといえばスカイラーらしくてそこは笑いました(笑)
でも、66万ドル。日本円にすると約7300万(2018.9.7付)。
スカイラーが用意したそのお金を速攻ベンツに代えるクズすぎるベネキー。
そして、そのことをほっとけなかった世話焼きのソウルと、無視できなかったスカイラー。
この世界はおせっかいで成り立っているといっても過言ではない流れでしたね(笑)
そして、湾曲にお金を国税に払うようにベネキーに言いに行くも、ベンツを手に入れ浮かれているベネキーが、逆切れをしたうえ本当にタナボタだと思っている。
さすがにボンボンもここまで来ると腹立ってくるし、当事者のスカイラーが、とうとう自分が用意したお金だと言ってしまうくだり・・。
我慢できなかったか・・。だよね、我慢できないよね。
でも、言っちゃったあとどうするんだ。
国税にお金を払わずにベンツに速攻換える男が、お金の秘密をきちんと共有してくれるとは思えないんだけど・・。
こういうところからほころびがどんどん出てくるのかなぁと思ってしまった。
腐れ縁のベネキーとスカイラーが今後どうなるのか。。
一方、誕生日に自分の前に現れないうえ連絡がつかない父親のところにジュニアが来訪。
血だらけの下着姿で登場したうえ、顔も腫れているし、眼鏡も壊れている朦朧とした父親を見て、ただごとではないと判断したジュニアがスカイラーに連絡しようとしたのを止めるウォルター。
最初は普通に話しているように見えたウォルターでしたが、だんだん様子がおかしくなり、(え?嘘、泣いてる? 息子の前で泣くなんてどうしたんだ!?)と思ったら、薬を(自分で)盛っていたのか・・。
だけど、子どもみたいに泣きじゃくるウォルターのジェシーへの思いを聞いて、こちらまでウルウルきてしまう始末。
いつも、寄ると触ると憎まれ口ばかりきいてるのに、なんでいつも素直になれないんだ・・。
そんな情緒不安定になっているウォルターに対し、冷静に対処してウォルターをベッドに戻す。
スカイラーには友達の家に泊まると報告して、ウォルターが目覚めるまで付き添っていたジュニア。
眼鏡も新しいものになっている。
若干甘やかされてはいるけれど、めちゃくちゃいい子に育っていて、ウォルターとスカイラーが愛情いっぱいに育てたっていうのが本当によくわかる。
そして、ぐっすり寝たあと目覚め、薬も抜けて失態した記憶が蘇ってきたウォルターは、16歳になった息子にウォルターが理想とする父親像を語り出しました。
早くに父親を亡くしたウォルターは、厳格で弱みを見せずそれでいて愛情たっぷりの父親像を息子に遺したかった。
それに対して息子は、本音を見せないウォルターに対して淋しさも感じていた。
今回、弱みを見せてくれて嬉しかったという息子の気持ちは本音だと思うし、今回のことは決してジュニアの父親像に影を残したりはしないと思います。
そして、ガスとマイクとジェシーのメキシコ行脚の件です。
いつもはここぐらいの文字数で、レビュー記事を終えているのですが、みなさんここからが本番ですよ!(笑)
もう少し(?)だけお付き合いお願いします。
まずは、ジェシー、あの緊張感の中で本当によく頑張った!!(涙)
セスナに乗り込む前は、もう「もう二度とアメリカに帰れないかもしれない」という思いでちょっと躊躇し、こちらを見たのかなと思いました。
だけど後から考えると、ウォルターが追って来れないようにボコボコにしたのかと思ってたけど、実はちょっとだけウォルターが助けに来てくれるの待ってたのかなとも思ってきました。
ウォルターのブルー製作に対する精神と手法があんなにジェシーに受け継がれているとは感心したし、わざとスペイン語で話す完全アウェイな敵陣のラボで、啖呵を見事に切り、普段使わない道具で人を指示しながら、あそこまでの純度の高いブルーを作り出せたのはお見事としかいいようがない。今やジェシーはゲイル並みの腕前ってことだ。
ウォルターが全幅の信頼を寄せている明かしだと思いました。
ガスもちょっと笑ってたもんね。
あの時点で勝負あったってことだったのかなと思います。
そして、『ガスの過去』エピソードの時の事件のあったプール再び。
年を重ねたメキシコのボスと手下たちが出てきて、ジェシーをメキシコにシェフとして迎える流れに。
ガス、ジェシーをメキシコに売ったの!?
と思ってたけど、そこまでが全部相手を油断させるための作戦だったなんて。
あんなことがあってから20年間、いくら時が経ったとはいえ、許すはずがない、許せるはずがない、あんな風に相手と歓談できるわけがない、と思っていたけど、あそこまで捨て身の作戦で、しかもマイクもそのことを知っていたとは。
知ってたうえで、ガスに付き添ってメキシコに来てたのにも涙出る。
ガスのプレゼントとして豪華な木箱に入ったテキーラが出てきて、それでみんなで祝杯となった時に、ガスはジェシーにお酒を飲ませなかった。
一瞬、(あ、ガス、ジェシーを守った)と思いましたがこの後の展開を考えると、三人しかいないのに味方が減る問題と、ジェシーが毒味を真っ先にさせられて、一番先に体に異変が起きたら作戦が全てパーになってしまう。
あの場合、毒味役は絶対必要だったから、ガスが飲むしかない。
相討ち覚悟の決意の作戦だった。
吐きに行くときも、お願いさっさと吐いて!(涙)と思っていたけど、服が乱れたまま戻ると怪しまれるから、吐いたことがバレないようにしないといけない。
きちっとジャケットを脱ぎ綺麗に置いて(これはいつもそうなんだと思うけど)ズボンも汚れないように下にタオルを敷いた。
トイレから戻ると、ちょうど毒が回った人たちがバタバタと倒れ、ボスもプールに沈めたけど、銃撃戦に発展。
ボスを仕留めて気が緩んだガスも体調に異変を来たし、マイクが介抱しながら銃撃に応戦。
しかし、マイクも撃たれてしまい、満身創痍のガス陣営。
ガス陣営の最後の砦、ジェシーがブルー作りだけじゃなくここでも活躍。
マイクを車に押し込み、逃げることに成功しました・・が、
あまりのことにわたし自身茫然としていて、このシーンの時の記憶が薄いからもう一度きちんとこのあたり確認したくなってきました(笑)
マイクは怪我だけですみそうだけど、ガスの命は取り留められるだろうか・・。
それにしても、ガスの20年はこの日のために存在していたんだなと切なくて仕方なかったです。そのためにもガスには優秀な化学者がどうしても必要だった。
素人は仲間にしたくなかったけど、背に腹はかえられなかった。
ウォルターには今回の仕事はできなかったと思う。
ジェシーだからこそなしえたことだと思うし、期待以上の働きをしてくれたでしょう。
もし、命を取り留めることができたら積年の恨みを晴らしたガスがこのあとどうするのか、ウォルターとジェシーの運命はどうなるのか。
シーズン4も残り3話です。
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