公私ともによる心身の疲労、某邦画の配信によりいい劇場を奪われてしまっているという事実とで(すぐ、配信されるし…)と心が折れかかっていた『ブラックパンサー』の続編『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』。
行ってよかったよ! 土曜日の仕事終わりにレイトショーで行ってきたよ!!(涙)
ほぼほぼ終電での帰宅となったため、翌日は屍にならざるを得なかったですが、当日の夜は久々の映画での高揚感によりしばらく寝付けなかったぐらいでして。
『ブラックパンサー』が公開されたのは、2018年3月。
全然期待してなかったのに、すごく面白くて二回観に行ったんですよね。
その時から評価がものすごく高くて。
最近、こんな記事も書いていた。
一作目で主人公を演じていたチャドウィック・ボーズマンが『ブラックパンサー』公開後の2020年に43才という若さで闘病の末亡くなっていたことを知っていたために、続編ではどういう風に話を繋いでいくのかと思っていましたが、わたしの些末な心配は稀有でした。
制作陣、スタッフ総出の弔意が作品から漏れ出ており、「ワカンダの国葬中継をこの目で見させてもらった」と思ったとともに、死を乗り越えて次の世代に繋ぐ思いみたいなものを感じて、要所要所で涙がこぼれ落ちました。
素晴らしい出来です。
主人公のシュリが王族として、民を導くリーダーとしての決意と覚悟を持つまでの道筋が丁寧に描かれました。
まだまだ見た目も子供っぽく危うさもありますが、そういう面も含めて応援する気持ちも持てたし、この先を見ていきたいと心から思えて大満足して劇場を後にしました。
最近のMCUは風呂敷をかなり広げてるし、100人のファンが居たら100通りの見解があるぐらいの感じではあるので色々な感想を持った人が居ると思いますがわたしのように最近のマルチバースについていけてない者からすると「こういうのがいい」という感じです。
MARVELはもともとヒーロー映画じゃんか。
わたし、ヒーローが観たいのよ。
観たいものを見せてもらえる満足感久々に味わいました。
週末のレイトショーでもガラッガラだったので、未見の人はお早めに劇場に足を運ぶことをお勧めします。
以降はネタバレありで感想呟かせてもらいます。
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洋服や音楽やワカンダの世界観は本当に好きで、今回も素晴らしかったので省きます。
国葬は白一色で彩られていてそれも素晴らしかったですね。
まず、今回のワカンダ・フォーエバーは最初のタイトルロールまでの描き方とタイトルロールが素晴らしかったため、これから最後まで楽しませてもらえるという確信を得ました。
前陛下の出演が物理的に無理ななか、どう描くのかと思ったのですがチャドと同じ病死で科学の力で寿命を延ばすことができなかったという事実を基にした描き方。
今回はシュリの葛藤と成長を中心に描かれましたが、わたしから見るとまだまだ子供っぽいシュリに降りかかる数々の試練が本当に気の毒でならなかったです。
ワカンダの王族に生まれ、強い母と優しい兄のもとで科学の天才という才能を伸び伸びと発揮して生きてきたシュリ。
今までたくさんの命を救ってきたのに、その能力をもってしても身近な人を救うことができなかった虚無感は筆舌に尽くしがたいものがあったと思う。
なぜ、どうしてと数えきれないほど思ったうえ、答えが出せなくて
「全世界を(自分ごと)燃やしたい」
と思ってしまってもしょうがないかなと思いました。
そして、わたしは前回の『ブラックパンサー』の時は知らなかったワカンダの王女・ラモンダ役のアンジェラ・バセットという女優さんを『9-1-1:LA救命最前線』という海外ドラマで知ることになりまして。
色々見散らかしているなか、この作品だけはすっごいハマって配信されているものは全て視聴済みっていうほどなのですが、そのメインキャストがアンジェラ・バセットなので今回の『ワカンダ・フォーエバー』はすごいそういった意味でも楽しみだったのですが、思い入れもあったせいか素晴らしい演技。
アンジェラ・バセットを見ていていつも感じるのが強い母性愛なのですが、ワカンダの君主としてではなく夫と息子を失って娘と二人取り残されてしまった一人の母という役どころだったとわたしは理解したのです。
あくまで女王としてではなくて母として描かれたなと思っていて、最期も含めて母味が強かったと思うのです。
9-1-1のアシーナでも同じことしたよなっていう感じだったので女優さんの魅力というか資質がふんだんに発揮されていたなと思います。
ただし、さすがに息を吹き返さなかったのは驚いたしシュリが気の毒すぎた。
そこがきっかけでハート型ハーブの生成に成功はしたわけだし。
細い体でさー、おばちゃんは心配なんよ…。
あと、ワカンダガチ勢のオコエが最後許されなかったまま女王が死んだのかわいそうだったよね。
まぁ、女王の主張も正論ではあったんだけど。
新しい敵(?)に関してはびっくりしたけど(ゲースロのホワイトウォーカーみたいな恐怖があったよ…)
海が荒れてる時の暮らしとか細かいことは気にはなったけど、理想郷なのかもしれないなーとは思ったし、サノスの時は半分居なくなったのかどうなのか気にはなった。
画面が暗くて見えなかったので、そこだけちょっと不満でしたがIMAXで観ればもっとよく見えたかも。
やっぱりIMAXにすればよかったなって後悔はしました。
色々語りたいこともあるのですが、長くなってしまうしもう一回行くつもりなのでここで、クライマックスシーンの話を。
シュリがハイチで喪服を燃やすシーン。
浜辺に座って、シュリが涙をこぼす瞬間と全く同じタイミングで涙がこぼれました。
すごくない!?(笑)
女優と全く同じタイミングで目から涙をこぼすことができるめがねたまご。
いやいやこれは冗談で、すごいのは制作陣ですよ。
観てる人の目線で作ってるってことなんですわ。
喪服が白だったのと逆に全身黒の服で、過去にけじめをつけた彼女が最初のシーンより大人に見えましたわ。
ティ・チャラJrの登場も、両親、兄と血縁を失って孤独になってしまったシュリの希望になってよかったです。
悲しいだけじゃなくてあたたかさが残るラストシーンで、最後の「チャドウィック・ボーズマンに捧ぐ」が活きたし嗚咽しそうになってしまいました。
最後になりますが、個人的に一番テンション上がったのはジャーヴィスを彷彿とさせるMR.グリオというAI(声もよかった!!)とアイアンスーツの音ですね。
アイアンハートなんでしょ? 彼女が。
継父が誰かも気になるところですし。
アイアンマン推しとしてはちょっとあのスーツの音だけで泣きそうになったんですよね…。
ありがとうマーベル。アイアンマンを忘れないでいてくれて。
なんかフェーズ4はヒーローが若い女の子ばかりになってきていてそこは大丈夫なんでしょうか(笑)
とは思ってますが、なにしろもう一回観に行ってきますね。
というわけで、それではまた。
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