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【映画】『ノマドランド』 感想 人生のクライマックスで誰かといるより一人の方が孤独を感じない気持ちに共感した。

ディズニープラスにて『ノマドランド』鑑賞。

 

 

 

主演のフランシス・マクドーマンドをドラマの『オリーヴ・キタリッジ』ですごく雰囲気のある女優さんだと思って好きになってからずっと観たかったノマドランド』

 

※オリーヴ・キタリッジ

www.meganetamago.com

 

このドラマ、すごく考えさせられるドラマだったけど今はAmazonで有料配信しかしてないのかな。

HBOだからU-NEXTとかで配信してるのかも。

 

そして今回の作品ノマドランド』は第93回アカデミー賞、作品賞、監督賞、主演女優賞を受賞している文句なしのオスカー作品

アカデミー賞にもいろいろ言いたいことはあるけれど作品賞受賞するような作品はやっぱりそれなりに観る価値のある作品のことも多いです。

個人的には観て面白い、というより観る価値のある作品が作品賞獲ることの方が多いかなぁ。

 

こちらの作品は監督も中国出身の女性監督のクロエ・ジャオということで初の有色人種の女性監督の監督賞受賞ということで話題にもなりましたね。

クロエ・ジャオ監督といえばMARVELの『エターナルズ』でも話題になりました。

ノマドランド』『エターナルズ』ともにストーリーの細かさよりも世界観を大事にしている感じのする作品です。

 

セリフで多くを語らず引きの画面で景色などを見せて感情を表現する作風の印象。

 

日本では、何年か前にオフィスを持たずにカフェやレンタルオフィスなどで作業するノマドワーカー】という言葉が流行ってなんとなく意識高い系の言葉に感じるノマド】(nomad)。

コロナですっかり【在宅ワーク】中心になり元々ノマドだった人もカフェなどで仕事をする人は少なくなった印象ですが、本来【ノマド】は英語圏では日本語でいうと放浪者。移動しながら暮らしている人の意味合いで遊牧民と日本語では訳されます。

 

ジプシーも放浪してるイメージだけどジプシーは団体のイメージがあって旅役者を思い浮かべてしまうけど、この映画に登場するノマドたちはの多くは一人でマイカーを根城として暮らしている高齢者たちです。

日本はそういう生活があまりポピュラーじゃないので、そういった放浪生活を表すしっかりとした言葉があまりないですね。

ジプシーの類義語が旅役者って感じなのかな。

国土も狭いし本州であれば端から端までってそれほど時間かからない。

 

ノマドランド』原作はこちらです。

ノンフィクションのルポです。

 

著作のポイントは【高齢労働者】ってところでしょうか。

老人がリタイアできなくなったのは単純に寿命のせいなのか、他が原因なのか。

 

わたし自身、年齢的にも圧倒的に生よりも死が身近に感じる中、昨年は自分をこの世に誕生させた母がこの世を去ったりもして、自分の命も終わりに近づいている日々を感じざるを得ない状況です。

 

そのため、現代の高齢者を描くこちらの作品は非常に考えさせられる作品でした。

 

前述のノマドワーカーのイメージから、自由を謳歌する意識高めの話かと思っていましたが、もっと根は深くシリアスなものでした。

このノンフィクションはリーマン・ショックによって職を追われたアメリカの人たちが多数書かれているようですが日本に住むわたしであってもそれは他人事とは思えません。

 

その日暮らしという点でいえば、日々流されながら生活するだけで精一杯の今の暮らしも、そうなってしまった作中の人たちも大差ない気がしました。

ただ、日本人とアメリカ人という根本的なライフスタイルの違いや価値観の違いなどから表面上はそこまで悲壮感の漂う作品ではないですが、それは表面上だけのこと。

ずっしりと尾を引く内容。

 

主人公のファーン(フランシス・マクドーマンド)は古いヴァンをキャンピングカーのように改造し車で暮らしながら日雇いや期間工の仕事を転々としながらアメリカ南部を放浪して暮らしている。

ファーンには夫がいたが、死別。

彼と暮らしていた町は、町の基幹産業だった工場の閉鎖とともになくなってしまう。

やむなく街を離れることになったファーンが自分と同じように家を失って放浪しながら暮らす高齢者たちと交流を深めていく様子が描かれる。

 

日本の今の高齢者は特に慣れ親しんだ土地を離れたがらない人が多いので、このような社会問題は日本では起きにくいかと思いますが、自立と自由を重んじ、血のつながりを家族に強いないアメリカっぽい話だなと思いました。

 

わたし自身、車中泊の旅にハマっていたことがあったので、臨場感や空気感などもなんとなくわかる部分もあったし車で生活する過酷さも少しだけどわかる。

 

車の中で寝るのってほんとうに寒いんですよね。

 

振動もあるし、外の音もすごく響く。

そもそも狭い。

体のあちこちに不調を抱える高齢者が旅行だけではなく家として住むにはあまりに過酷な環境だと思います。

 

フランシス・マクドーマンドが演じるファーンの暮らしぶりや出会いや別れの時に見せる表情。

トラブルの時の対応などで多くを語らずとも色々な気持ちが伝わってきました。

フランシス・マクドーマンドはこの役を演じるのにピッタリでした。

 

若い世代や観る人によっては響かないかもしれませんが個人的には、こんな暮らしは望んではいないけど、ファーンのようになし崩し的に流れでこういうことになってしまうかもしれないと切実に思いました。

 

映画は一人の女性の生き方に焦点を絞っているので、本当に社会問題になっているアメリカのノマドワーカーたちの根っこの部分などは掘り下げられていません。

実際はもっと深刻でもっと大変な人がいると思います。

 

後半は、個人的な映画に感じたわたしの個人的な思いを語りたいと思います。

 

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主人公のファーンは、古いミニバン一つで南部の砂漠を移動しながらAmazonで繁忙期にピッキングしたり、ショッピングモールで働いていたりします。

就職相談のときに年金の早期需給の話をされているので60才は超えているのかなぁーと思います。

 

ちなみにフランシス・マクドーマンドの実年齢は64才です。

 

彼女は仕事のキャリアが全くない専業主婦だったわけではなく、元々居た町ではそれなりに仕事をしてきたにもかかわらず世間ではキャリアとは認められず繁忙期の助っ人的な仕事を転々としながら車で暮らしていますが、最近新しく生き方の多様性として出てきたミニマリストの究極の形である【アドレスホッパー】とは全然違う。

 

www.huffingtonpost.jp

 

どちらかというとお金がなくてネカフェを転々としている人と同じような感じです。

イメージとしては。

 

でもこの映画の主人公はそのノマド暮らしを受け入れているというところが最大のポイントかな。

 

完全に受け入れているわけじゃないと思うんですね。

彼女は不幸と不幸じゃない間のギリギリのところで生きていると思いました。

自分が幸せな暮らしがどんなものか知ってしまっているから幸せではないと思います。

でも不幸かと言われるとそれも微妙で。

長い人生の中でたぶん彼女が幸せだと思っていたピークがあったと思うんです。

おそらく亡くなった夫との小さな町での穏やかな暮らしです。

 

わたしが一番強いと思ったのはギリギリ飢えないだけの稼ぎを手に入れられる健康な体があるところです。

あとIT環境も含めたネット環境をシニアも使いこなせるところかな。

 

お金に余裕があるわけじゃないから不測の事態には備えられないけど、かといって失うものもない。

1人だから。

あんな大自然でひっそりと死ぬ場所はたくさんある。

 

逆に健康体じゃなければあんな暮らしをしなかったかもしれないと思うと人生って本当にタイミングで左右されると思います。

 

あの年で何もかも失って、まだ年齢があと少し若ければ未来も描けたかもしれないけど、そこまで先も長くない。

仲間だったり、手を差し伸べてくれる人だったり、自分を好きだと言ってくれる人、人が好きだし一緒にいると楽しいし、心細さも少し解消される。

 

だからといって人といると、余計に自分の持っていないもの、失ったものが浮き彫りになったりすることってあると思うんです。

これから新しい思い出を築いていくには超えていかなければいかないハードルが大きすぎる。

 

1人なら誰に気を遣うこともなく誰のことも背負わず幸せだった思い出に浸れる。

誰かといることで感じる劣等感を感じずにすむ。

 

あの人はこれを持っているけど、わたしにはない。

 

わたしは1人でいる孤独のほうが考えなくてすむだけマシかな。

 

わたしは環境を変化させることに対してものすごく臆病なので、あのような暮らしは正直したくないし、むしろ引きこもっていたいタイプなのですが、引きこもる家も失ってホームレスになってしまったとしたら致し方ないかと思います。

 

特に資産も手に職もなく体も丈夫ではない。

さらにいうとこの先一人になってしまった時に頼れる人も特に思い当たらないため、出来ることならあまり長生きしたくないと思いました。

老後が想像できません。

 

「そうならないように、努力しろ。自己責任だろ」

 

っていうのが、最近の世間の風潮ですが人生ってそんな平べったいものでしょうか。

ものすごく気を付けて準備していたとしてもその時、その時のトラブルに見舞われるものではないかと思うんです。

そんなこんなで日々を一生懸命生きているうちに気が付いたらこうなってたっていう人も多いのでは。

 

リスクを回避できた、と努力の結果がわかるのって死ぬときだと思いますがその死すら自分ではコントロールできない。

自分の死ですらコントロールできないのに人の死なんて到底無理だと思います。

 

最後に、映画の内容とは全く関係ないのですが、フランシス・マクドーマンドのようなルックスにめちゃくちゃ憧れると思いながら観ていました。

若いときすっごく美人だったから今もなんていうか雰囲気がいいし、マニッシュなのもフェミニンみたいなのも似合っていて、基本的には人に威圧感を与える感じでありながら、笑うとすごくかわいいんだよね。

 

一番羨ましいのは面長なこと(笑)

 

sumally.com

 

めちゃくちゃ綺麗じゃないかー。

『FARGO』とか観てみようかな。

 

 

 

おっと。

話がそれました。

 

興味のある方はぜひ観てみてください。

 

それでは、また。

 

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