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【映画】『ザリガニの鳴くところ』感想 美で満たされた作品。映像美と演出が見事なミステリー(後半ネタバレします)。

【U-NEXT 1万ポイント消費強化月間 第四弾】

 

U-NEXTポイントがキャンペーンで当たったお陰で、あまり観るのに脳のエネルギーを使わないBLに振り切っていた映像視聴から、普通の映画にじりじりリハビリできてる!!(笑)

 

強制的なショック療法も場合によっては効果あるんだなと実感している今日この頃ですが、このままでは来月末のポイント期限切れまでに消費が間に合わなくなりそう(月が変わってまたptが増えてしまい12000pt以上を所持)なのでポイント消費のスピードを上げていく所存ですし、思い切って現在映画で一番ポイントを消費する2750ptの『ザ・スーパーマリオ・ザ・ムービー』にすればよかったとかちょっと後悔してるのですが。

 

それでもさすがにそんなに造詣の深くないマリオに2750ptかけるのにはビビッて、ポイント作品4つめはミステリーの『ザリガニの鳴くところ』(9/4現在:399pt)になりました。

 

リース・ウィザースプーンが製作なことでも話題になりました。

 

Amazonレンタルは¥400

 

原作は、こちらのアメリカでベストセラーになった小説になります。

 

 

舞台は1950年代から1960年台のアメリカの小さな町。

町で人気者だった若者が遺体で発見され、【湿地の娘】と呼ばれる町の外れの湿地の小屋で一人暮らす若い娘が容疑者として勾留され裁判にかけられる。

過去の回想から、なぜ彼女が小屋で一人暮らしをしているのか徐々に過去が紐解かれていく。

 

彼女は果たして有罪なのか、無罪なのか。

 

というミステリー風味のストーリーなのですが、最近はそこまで読まなくなりましたが若いときにミステリーを読み漁っていたわたしからすると、ストーリーはそこまで複雑ではなくラストのオチも予想通りではありました。

 

年取ってきてこんなことばっかり言って、映画見ても新鮮な驚きとかだんだんなくなってきて自分でも嫌だなとは思うんですが、仕方ないじゃん。

 

本当に予想通りだったんだもん(笑)

 

たぶん、たぶんなんですけど!

わざと予想通りに進むように作ってあったんじゃないかなーと思っていて、その変わり、映像や状況を説明するための多くは語らないって感じの演出がすごくよかったんですね。

 

あまり話を複雑化するところに重きをおかず、演出的な部分に振り切ったんじゃないかなと思って観ていました。

 

特に後でネタバレ部分で話すんですが、すごく感心したキャラクターそれぞれの描き方、そして演出のうまさ。

 

そしてラストは予想通りではあったんですが、ラスト近くぐらいまではミステリーとしてのどうなるのかわからないという面白さもきちんとあり、映画という二時間前後の1話完結物語における演出の重要性を、今更ながらしみじみと実感しながら鑑賞できました。

 

それに加え、次々と飛び込んでくる美しいもので映画が満たされていた。

美に始まって美で終わる感じ。

 

まず、一つ目。

主人公が圧倒的な美女

 

X(旧:twitter)にもつぶやいたんですが、主人公のルックスがもしわたしだったら絶対にあんなことにはなっていない自信がある(笑)

 

そのかわりもっと違った方向でおそらく大変な目に遭っていたんだろうなとは思ったんですが、今回の物語は「普通の女性にはないミステリアスさを兼ね備えた美女」じゃないと成立しない気がしました。

もし、主人公がわたしなら「こうはならんやろw」案件になっていた。

美女だからこそのリアリティーというか「わかる。めちゃくちゃ美人だもんね!」ってことで、観てるこっちは納得もするしストーリーに不自然さが出ない。

 

でも、作品の中では【美人】という表現は一切使われていませんでした。たぶん意図的に。そこは、さすがだなぁと思っていました。

彼女の容姿に関するセリフを聞いた記憶がない。

 

主人公が美女というのが一つ目の美で、画面がまず美で構成されるうまさ。

 

そして、二つ目は自然の美

 

生き物、森の景色。

すごい鮮やかな緑や美しい生き物に何度も(綺麗・・・)って思いました。

我が家の解像度の低いレトロテレビでもそれは圧倒的な美しさで、美女に自然の美が重なってそれはもう美しい。

緑色の美しさが忘れがたい。

自然の美が表現する、焦燥感や儚さや自然の強さが画面から伝わってきていました。

 

さらに三つ目はアートの美。

 

主人公が色鉛筆や絵の具で描く、自然の生き物の絵がとても美しいイラストで魅力がありました。

この絵だけでも一見の価値があると思います。

 

というわけで、主人公の背景も含めて非常に重苦しさを感じさせるストーリーでありながらも美しさで重苦しさが緩和され、ストーリーのテンポもよく見やすい作品でした。

ちょっとしたミステリーが観たいという方にはお勧めです。

 

ただし、一つだけ注意喚起なのが、そこまでの激しさはないながらもDV表現やモラ男が登場するのでフラッシュバックの可能性がある方はお気をつけください。

 

というわけで、後半ネタバレです。

 

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前段で少しお話させてもらいましたが、演出力が見事なこちらの作品。

 

例えば、1960年代といえばまだ黒人に対する風当たりが今より激しい田舎で、小さな商店を営むご夫婦が家庭環境が劣悪な事情のある小さな女の子を助けたいと思う気持ちと、なるべく目立つことは避けたい平穏に暮らしたいと思う感情が二人の些細なやり取りからもわかった。

 

今までの作品歴からも、理不尽なことで逮捕されたり、正当な理由なく射殺されたりしているところを見ているので日々緊張感をもって怯えて暮らしているということで、あの時代においては町の人に知られない程度の最大の支援だったと思う。

 

今の時代ならもっとスムーズに助けられたけど、正義感でできることとできないことがある。

 

そして、DV父ちゃんや家庭環境の劣悪さを多くを語らずとも表現しているのがすごいと前半は思っていたのですが、物語の後半に出てきたチェイスの人となりの表現の仕方が本当にすごくて『モラ男見分け方教本』として、全世界の女性に観てほしいと思うほどでした。

 

対するテイトは小さい時に友達の妹としてカイアと出会い、ひどい目にあっている姿を見て、おそらく淡い恋心を抱いた。

それを大人になっても忘れてない感じとか、カイアとそういう関係に踏み出せない若さとか、裏切ったりそれを後悔したりとか、普通の男性として描かれた。

 

なので、テイトはいいとしてチェイス!!

 

強引なアプローチと、すぐ結婚とか言い出す感じで逃げて!! って感じだったんですけど。

 

いちばん驚いたのが、ホテルのシーンだったけどあの短いシーンで全てを表現したなと思いました。

おそらく、カイア以外の女性にはあんな行為はしないはず。

それにカイアを世間知らずの女だと思って下に見ているなと。

行為後の言い訳もオエーでしたが。

 

その後の展開はほぼ予想通りでしたが、カイアがプレゼントした貝殻を革ひもに通した首飾りを肌身離さず着けていたという情報がさらに気持ち悪さに追い打ちをかけていて、執着心すごいなと思って。

 

別に女がいるというのは想定内でしたが、バレたあと急にDVしだすというパニックぶりが(これを見ている女性たちへのメッセージ性高いな)という思いでいっぱいになりました。

 

チェイスじゃなくて、テイトを選べと(笑)

 

彼女は不幸な境遇でしたが、最終的には自由に生きた。

 

そして、彼女が死ぬまであの場所で生きるということを選択しそれを全うしたことを全編通して描いた芯の通った作品になっていたと思います。

 

自分の人生は自分でつかみ取れというメッセージにもなっていたんじゃないかな。

 

良作でした。

 

というわけで、それではまた。

 

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