『バービー』やっと観ました!!
当時色々と話題になっていたし、考察とか色々している人も居て扱っているテーマ的にも難しいこと考えたくなかったので観ていなかったのですが、結果的にはストーリーはシンプルでわかりやすく人形の生きる世界の再現度が非常に興味深かったため、飽きずに最後まで観ることができました。
一言でいうと、現実社会と男女の立場が真逆になっているバービーランドの住人の女性であるバービーが、リアルな現実の人間社会に触れるお話なのですが、最初は「バービーの実写化!?」と思っていたけどあんなにたくさんバービーの種類があるの”リカちゃん”で育った日本人であるわたしは知らなかったので非常に納得したし、女児向けの少女ぐらいの年齢の人形に職業があるとは思わないじゃないですか。
ちなみに、wikiによるとバービーの設定年齢は当初17才だったらしい。
大統領になっているバービーが何歳なのかは知らない。
ちなみにリカちゃんは11才なのにあきらかに11才ではない彼氏的な存在がいる。
がっつり違法案件なのでは?と気になるものの彼氏はリカちゃんの1個上の小6らしい。
ところで、わたしが映画の中で一番テンション上がったのは人形ハウスのセットですね。
CG込みではあると思うのですが、安っぽいプラスチックでできた家の感じ、コップやキッチン、すべてが固いなんらかの素材でできたバービーランドの世界観が元女児として非常にわくわくしました。
出てこない牛乳をカップに注いで飲む真似をするとかさ。
あれを見れただけでも観た価値があった。
ストーリーとしては、「うん、理不尽な男性優位社会に対する叫び、女に生まれたというだけでの理不尽さ、悔しさ。わかる、わかるよ」って感じ。
そういう話はあとに回すとして正味二時間ない映画の中で、コメディー部分も織り交ぜながらも重くなりすぎず伝えたいことうまくまとめてを描いたのでは? とは思いました。
バービーを卒業してしばらくして、現実社会に初めて触れたような若い年代の女性たちがバービーのキャラクターに自分を重ね、最後には少し希望を抱けるような仕上がりだったのではと思いました。
作品の出来に特に不満もないのですが、わたしのようなおばさんはテーマ的にはちょっとターゲット外かなとは正直感じてました。
でも、全体的に楽しくはあったので観てよかったです。
しかしながら、テーマ的にも家父長制&男性社会に対して考えずにはいられず、劇中でケンが発した「男というだけで敬意を払ってもらえる」という発言にはなんていうかガツンとやられたような気持ちでしたね。
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特に日本なんてジェンダーギャップ指数が146国中125位で、特に経済と政治の分野のジェンダーギャップが激しいんだって。
教育の面ではそこまで点数は低くないから、社会に出て特にジェンダーギャップを痛感する人も多いってやつ。
最近は他国のジェンダーギャップの指数が上がっているのに日本では一向にジェンダーギャップが埋まらないのでどんどん下位に落ちていっている。
ちなみに上記のリンク通りなのですが、アジア系上位は16位のフィリピン、シンガポールで49位、ベトナム72位、タイ74位、インドネシア87位、カンボジア92位、お隣韓国、105位、中国で107位そのあとだいぶ下がってやっっっと日本、125位。
特に国をあげて信仰している宗教もないのに125位!
(一応)先進国なのに125位!!
あえてジェンダーギャップを下げていきたいスタイルなんだろうなと最近は思ってもいるのですが、そんな125位の国で女を長年やっているわたしがジェンダーギャップ指数が43位とそれでもギリ上位の国アメリカが作る家父長制や男性優位社会に異議申し立てる映画を見て、
そっかー、男ってだけで社会が敬意を払ってくれるもんなんだ。
ってなんかすごい開眼しちゃって。
女ってだけで常に見下されて生きてきたわたしにはなんていうかそういうもんだろうなとは思っていたけど実際言葉にされると実感として胸に刺さったし、胸が痛かった。
人生で敬意を払われてると思ったことないもんな。他人に対して。
常になんていうか存在が馬鹿にされてるような気がしながら生きてきた。
実際、日本社会では日本男性はそれだけで敬意を払われる存在として生きているけど、一歩日本を出ればアジア人差別だってあるし、それは例えば黒人コミュニティでも、LGBT+コミュニティでも、被差別を受ける側だったとしてもいつだって男性は強者の存在として君臨してるよなって。
男性が自分は敬意を払わないくせに無礼を働かれたと思うとキレ散らかすのは敬意を払われて当然の存在と心底自分を思っているからなんだなーという気づきもあったし。
わたしは仕事柄男性の取引先の方や顧客対応をすることも多いのですが、圧倒的に敬語使わないもんね。
なんでそんな馴れ馴れしく偉そうなんだ、おまえはわたしの上司じゃねー!と思うことは日常茶飯事。
女がいきなり馴れ馴れしくタメ口で男性に話しかけることなんてほとんどないし。
女の人は女の人でさ、すごい態度で詰めてきてても男性に電話変わると急に態度変わって後でその男性に「全然大丈夫だったよー」とか言われてこっちが無能扱いされたりもする。
でもさ、そういうのを許してきたりそういう風に教育する社会にも問題があるからこれからどんどんダメだってなっていって社会も考えも変わるんだと思うし、変わっていってほしい。
実際はバービーの作中ではケンが女性の立ち位置そのものだったわけだからそうなるんだろうけど、日本がそんな社会になる前にわたしの寿命は尽きるだろうなとは思っている。
2000年ぐらいにはあと25年ぐらいしたらもうちょっと色々変わってるかと思ったけど実際のところは携帯がスマホになって、日本の景気がどんどんよくなるどころか後退したのがリアルなのでたぶん先にこちらが死ぬ。
来世に掛けるかと思ったとしても、日本人に生まれ変わるには少子化でかなり倍率が高そうだからわたしの徳では無理そうだけど、同世代で苦労した女の人が来世の日本に女性で生まれ変わるときにはジェンダーギャップがかなり埋まっている国になっていますようにと願わずにはいられなかったです。
そして、”男と対等に渡り合える女性”、“女性ならではのしなやかな視点”などという言葉は撲滅してますように。
最後に主演のマーゴット・ロビーについて。
彼女はハーレイ・クイン役などで有名だけどわたしは下記の実際に起きたFOXでのセクハラを描いた、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという美の競演だった『スキャンダル』という映画での印象が強くて。
※けっこう表現がエグイのでフラッシュバックが起きそうなことがある方は観ない方がいいです。
こちらの映画ではセクシャルハラスメントを受け入れてしまい悩むリアルな女性を演じてました。
バービーでの彼女を眺めてたら、最初は前世でどんな徳を詰んだらこんな容姿に生まれることができるのかと思って見ていたのです。
体のバランスが本当にバービーみたいでこの体作るの大変だっただろうなとか人形みたいな歩き方とか座り方とか可愛いなとか。
ストーリーはそこまで複雑ではないのでマーゴット・ロビーとか衣装とか余計なところばかり観てたんだけど、話が進んでバービーが人間社会の色々なことに触れているのを見ているうちに、
(こんなに美しくて、キャリア的にもプライベート的にも順調そうに見えるけど、それでも”美しい女性”だからこその理不尽な悔しい目にも合ってるだろうなぁ)
となんとなく思ってふいに悲しくなってしまった。
ハリウッド界隈も未だに男性と女性の俳優でギャラに差をつけられたりしているみたいだし、わたしのうかがい知れないえげつない差別もあるだろうなと。
なのでバービーの脚本に勇気づけられたところも本人もあるのだろうなと思ったりしていました。
なんか現代社会に生きる女性たちへ演技を通じて懸命にメッセージを送ってくれてる気がして心があったかくなったんだよね。
ちなみに、余談ですがわたしはへんてこリカちゃんを生成する女児でした。
髪が長いのが嫌だったらしくバッサリ切り刻んだ時の記憶がしっかりあります。
そのうえ、あまり可愛がってなかったです。
ごめんね(笑)
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