またまたディズニープラスの話題でごめんなさい。
ディズニーチャンネルオリジナルムービー『ディセンダント』。
1と2&3までの続編と、日本語字幕がないショートストーリーが今のところ配信されています。
正直、ストーリーはそこまで面白いとは言い切れないのですが、それを持ってあまりある、若手俳優さんたちの瑞々しさ、歌とダンスのパフォーマンス、衣装とセットの作りこみが素晴らしい作品です。
いい意味で、ディズニーランドやシーのショーパフォーマンスのような映画でした。
コロナ禍でディズニーランドやシー不足のディズニーファン、もしくはシンプルにディズニー作品のファン(わたし)の方にお勧めです。
ストーリーは、ディズニーキャラクターの二世たちの思春期の葛藤を描く物語で、シンプルにいうと、アメリカのハイスクールを舞台にしたミュージカルです。
ディズニー作品においての悪役の子どもたちを中心に話が進む展開で『眠れる森の美女』のマレフィセントの娘マル、その親友のイヴィは『白雪姫』の継母の実娘。
そしてマルとイヴィの幼馴染に『アラジン』のジャファーの息子であるジェイと『101匹わんちゃん』で、ダルメシアンの子犬の毛皮を矧いでコートにしようとするクルエラの息子のカルロスの4名がメインキャラクター。
その4人に主に絡む、悪役ではない二世の中心人物は『美女と野獣』の野獣とベルの息子のベンジャミン王子と『シンデレラ』に登場する魔法使い、フェアリー・ゴッドマザーの娘、そして『眠れる森の美女』のオーロラ姫の娘、そして続編の2からは『リトル・マーメイド』のアースラの娘が登場します。
それぞれの登場人物の衣装や、人となりにそれぞれの物語の背景がかなり加わっているので、少なくとも『眠れる森の美女』と『美女と野獣』は、なんらかの作品を一度は観て、うっすら知っていた方がいいかなと思います。
わたし自身は『眠れる森の美女』は『マレフィセント』しか観たことがく、記憶があいまいだったため、アニメーションのほうを視聴しました。
『魔法にかけられて』の元ネタであろうシーンが盛り込まれていたのと『ディセンダント』のセットで、アニメの建物などが細かく再現されていたので観た甲斐はありましたが、現代のジェンダー問題的に難があるストーリーが含まれているので、悪役ばっかりフィーチャーされるのがなんだかわかる気もしました。
『眠れる森の美女』のストーリーに関しては後程後述しますが、ディズニーアニメでは、プリンセスであるオーロラ姫の出番はかなり少なく、妖精三人組が中心の物語となっていました。
『ディセンダント』の見どころは、若手キャストたちの歌とダンス、そして衣装とセットです。
その中でもダンスはかなりハイレベルで見応えがあり、ヴィランたちが住む島は、基本的にみんなパンクファッションなんですが、それがもう、どの衣装も本当に可愛くて、1月にしてすでに人生における「可愛い~♡」年間平均の発語数をオーバーしたかも。
あまりいい動画がなくて、『3』のファッション動画を貼らせて頂きました。
これだけでも充分、可愛さを分かって頂けると思うのですが、それぞれの作品で「どんだけ着替えるの!?」ってほど、特に主人公は着替えているので、まだまだ可愛い洋服をしこたま見ることができます
それぞれの作品のテーマカラーの色使いがまた素敵なんだよね。
主人公のマルの紫も素敵だったけど、白雪姫カラーもリトル・マーメイドのブルーグリーンも可愛かった。
男の子たちの衣装もダルメシアンカラーが素敵でしたね!
この衣装だけとっても観る価値がありますし、ストーリー的にも小さいお友達から、大きいお友達まで全年齢OKなわかりやすいストーリーです。
しかし、大きいお友達であるわたしには、不服な点や物足りない点があったため、下記にそれをまとめて締めたいと思います。
興味のない方は読まなくて大丈夫な、単なる愚痴&蛇足となります。
特に文章の校正もせずに、装飾もせずに試しに勢いで書いてみたいと思います(笑)。
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ディズニー作品は子どもの頃からミュージカルが大好きなので、かなり作品を観ている方だとは思うのですが、最近は特にストーリーに説教くささというか、上から目線を感じることがあり『ディセンダント』についても、なんていうかもう少しどうにかできなかったのか? というモヤモヤが残っています。
ヴィランたちは、その悪行から危険人物とみなされ島流しに合っており、メインの上級国民の住んでいる島の近接地にありながら、通常はバリアで覆われていて島に閉じ込められており、太陽の光も差さない。
食べるものもメインランドの人たちのような贅沢な食物は口に出来ない。
島流しにあった悪党たちだけではなく、その子孫までもが貧困のループに陥っており、才能を発揮させる場もなく、親の言うとおりの悪行を働き、荒れた生活をしているという設定。
そして、物語は【生まれや親の意向に関係なく自由に子は生きることができる】というテーマのもと進んでいくのですが、それは夢があるのでいいとしても結局は、メインランドの許可が必要だったってことに最後までもやもやした。
最終的には、善人悪人に生まれや育ちは関係ないという大団円でまとめられていたけども、確かに内面的な問題でいえば関係ないのかもしれないけれど、善人ぽい行動をするか、悪人ぽい行動するかには関わってくると思う。
悪人ぽい行動をしないと生きていけない状況や環境の人もいるじゃないですか。
そういう恵まれない人たちを助けてあげよう! 的な善意の押し売りみたいなものを感じてしまったんですよね。
わたしがどちらかというとヴィランズみたいな悪環境で育ったから、素直に受け止めきれず斜めに見てしまったという側面は否めないけど、そういう選民思想みたいなもの
を感じた人もいるんじゃないかな。
ディズニー作品にそこまで求めるのもどうかと思うし、子どもの教育的には合ってるのかもしれない。
そして、だったらどういう流れだったらよかったのかと聞かれれば、困るんだけど、とにかく施しのような感じは違うと思うんだ。
特に子どもには。
あと、これは『ディセンダント』を観ていて、精一杯のメッセージか皮肉かなと思った設定だったんですが、みなさん『眠れる森の美女』をきちんと見たことあります?
冒頭で、子宝に恵まれない王様のところに一粒種のオーロラ姫を授かるんですけど、その出生祝いに呼ばれなかったマレフィセントがオーロラ姫に呪いをかけるんですけどね。
呪いの前に3人の妖精が、王女に贈り物として魔法をかけるわけです。
1つ目は、黄金のような美しい髪と、バラのような赤い唇と頬という見た目の美しさ。
2つ目は、天使のような歌声・・・。
そして3人目の妖精が、魔法をかけようとした直前にマレフィセントに死の呪いをかけられたオーロラ姫に、死の呪いを眠りの呪いに切り替えるんです。
で、成長したオーロラ姫が森で一人でララララ歌っていたら王子に見初められて、結婚に浮かれていたら、眠らされて、真実の愛のキスで目覚めるっていうわけなんですけど。
まぁ、元々オーロラ姫は王女なんで、王子と結婚することに関しては他のディズニープリンセスより妥当なんです。
ですが『眠れる森の美女』を観ていたわたしは思いました。
元々、金髪じゃなかったってことだよね?
そうです、典型的なホワイトウォッシングなんです。
現代の実写化では無理だなってなりました。
女は美しく、歌が上手いことがよしとされるているし、3つ目の魔法は「天才的な頭脳か?」と思っていたら、実際は『希望の光』の予定だったらしい。
そして、実際、美しく歌が上手いことで王子に見初められおり、魔女と戦ってくれて幸せを手にしている。
『ディセンダント』では、オーロラ姫の娘は白人ではなく、オーロラ姫の母は黒人でした。
そして、オーロラ姫の母は、孫を「娘は寝ているだけで、王子と結婚できたのに!」と罵倒。
このエピソードがこの作品の社会問題提起だったのかなと思っています。
最後になりますが、アメリカやイギリスのハイスクール映画やドラマを観すぎたわたしにとっては、ちょっとぬるかったです。
欲をいえば、クレーム問題を恐れてのことだったかもしれませんが、LGBTのキャラクターが一人ぐらい居ても良かったのかなーと思います。
ストーリーに、もやもやは若干残りますが、あくまでダンスや衣装、歌、セットなどは本当に素晴らしく見応えがありました。
安心してお子さんと観られるし、人にも勧められる作品です。
綺麗にまとまったので、続編はないと思いますが、他のキャラクターも見てみたかったです。
以上、蛇足でした。
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※Amazonプライムビデオでもレンタル可能
※ディセンダントの主人公の母