Netflixオリジナルリ リミテッドシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』 感想(前編)です。
※注意:今回の記事はドラマの話というより、ほとんどチェス(と将棋)の話になっています。
後編は『クイーンズ・ギャンビット』とはなんぞや?という説明をしていきながらドラマが訴えたかったことと照らし合わせて行きたいと思います。
いやー、久々に海外ドラマに夢中になった。
1話観て(え!? もう終わり?)と思いながら、ドラマに集中できたの何か月ぶりだろう。
シリアスすぎず、それでいて軽すぎず、脚本、役者、ファッションにいたるまで全てがちょうどいい塩梅のヒューマンドラマだった。
リミテッドシリーズ(ワンシーズンで完結)という、ハードルの低さもよかったです。
チェスだし、レトロな雰囲気でイギリスっぽい雰囲気なんだけど、舞台がアメリカっていうのがよかったんだと思う。
イギリスもののうす暗さが必要な時もあるけど、今のわたしにはアメリカだったようだ。
欠けてる部分に、パズルのピースのようにカッチリとハマって爽快だった。
孤児の少女がとある出来事をきっかけにチェスに夢中になり、並外れた才能を開花させ、チェス界に名を轟かせていくストーリーです。
社会的にも娯楽的にも男性社会であった時代。
チェスの世界に、女性であり子どもである主人公のエリザベスが飛び込んでいく姿。
孤児でありながら、しなやかに強固な意志を持って生きる姿にハラハラしながらも虜に。主人公の女優さんの演技すっごくよかった。
何人オーディションして彼女が選ばれたんだろう。
少女時代から大人まで、神から与えられた『ギフト』を持って生まれた人間の特権と悲哀。
特殊能力を持った女性ヒーローのようなかっこよさと美しさ。
お酒や薬物にのまれながらも、”それ”しかなくて、大好きでやまない”それ”にじわじわと食い殺される感じ。
話としては、ありていと言えばありてい。
天才の栄光と挫折というシンプルさとわかりやすさ。
だけど、そのシンプルさとわかりやすさの中にある色々な芸の細やかさに世界各国のドラマファンが魅了され、日本以外のNetflix配信国の92か国ではトップ10入りし、62か国で1位の視聴数を誇る作品となりました。
来年のエミー賞のリミテッドシリーズは賞を総なめでしょう。
なんで日本ではランキング外なの?
若い女性が活躍する話だから?
って、そういう話をしたい訳じゃないのにジェンダー問題に切り込みたくなってくるから、早く日本でもランキング入りしてくれよー、頼むよ。
ところで、話変わりますけど、わたし『3月のライオン』っていう漫画が好きすぎて好きすぎて、アニメも実写も観てない原作ガチ勢なんですけど。
もったいなくて最新刊まで読んでないし、買って家に置いてる。
心の準備が整い次第読むことにしている。
この漫画、主人公が豊洲(東京、もんじゃで有名な月島の近く)のリバーサイドに住む天涯孤独の少年棋士なんです。
となると関東近郊に住んでるわたしは『3月のライオン』の聖地巡礼を一通りしたいという思いが当然沸き上がるわけですが、さらに漫画の世界にもっと没頭したいというオタク魂から、3月のライオンのコミックスがおそらく3~5巻ぐらいの頃、将棋会館に一度でいいから入ってみたくなった。
一度でも入れば、空気感や雰囲気を漫画でもリアルに感じることができるとわたしは思いました。
月島や豊洲はすぐ行けたけど、将棋会館は、一般の人も入ることは入れれますが将棋をやってないとダメだったし、入れる場所が限られていたので、一般の人と対局するのに解放している部屋や将棋教室には行かずに、いきなり将棋会館で行われる将棋イベントにルールをざっくりと勉強した程度で参戦し、今や将来の名人候補とお会いしたり、座談会を眺めたり、多面指しを受けたり、特別対局室の座布団に座らせてもらったことがあったり、サイン入り扇子をゲットしたりで、もうそれはテンション上がったんですけど、残念。
将棋・・・向いてなかった・・・。
圧倒的に向いてない、挫折した、頭悪すぎた。
羽生さんの本を何冊も買って、駒買って、定跡(将棋の基本戦略)とか、詰め将棋(王手を掛ける練習)とか、NHKの将棋番組観たりとか、それはもう必死にやったけど、たぶん小学校低学年の初心者の子にも負けると思う。
なんかねー、ダメなんだよね。盤面を俯瞰で見られないというか。
致命的に、相手に隙を見せちゃう。
努力は報われないことと、将棋は選ばれた人だけが出来るゲームだと知った。
そして、数々の思い出を胸に漫画を楽しむことに専念することにしたのです。
そういうことが数年前にあったはずなのに『クイーンズ・ギャンビット』で、どうしてもチェスのルールを知りたくなってしまいました。
(まぁ、将棋のルール知ってるから、ある程度いけるっしょ)って正直思ったし(笑)
将棋用語はある程度知ってるから、ドラマのだいたいの雰囲気や試合スタイルもわかってた分ドラマの世界にハマってしまい、上記のオタク魂が再燃してしまった。
というわけでで、初めてしまったんですよね。
チェス・・・。
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最初、ざっくりとルールを覚えて、アプリで千本ノックを始めたんだけど、将棋の定跡で臨んでいたら全然勝てなくて。
あと、無駄に将棋のルールを知っていたことで駒の動きも混乱し、アプリでかなり対戦したにもかかわらず、一番低いレベルをやっと勝てるようになったぐらいのあたりです。
将棋が向いてなかったんだから、チェスも向いているはずがなくさっさと諦めればいいのに、まだやってる(笑)
これは個人的な意見ですが、何故なら将棋よりチェスの方が面白いから。
基本的には、将棋もチェスも自陣の王を守りきる戦ボードゲームなのですが、
わたしが将棋と比較して面白い理由としては、
・駒が将棋より少ない(ルールを覚えやすい)
・盤面が狭いので、見る範囲が狭くスピード感がある(全体を見渡しやすい)
・相手から取った駒は使えないのでスピード感がある(将棋は味方の駒として使える)
・クイーンが最強の駒(将棋にははっきりとした女性の駒はない)
という理由なのですが、これはほぼ将棋と違うデメリットにもなっていまして、駒が少なく、駒を取られたら取られっぱなしでスピード感があるので、リカバリーが効かずミスが許されないゲームでです。
将棋は長期戦になりがちなので、序盤のミス(本当はしない方がいいに決まっている)も、わたしレベルの初心者なら何とか頑張れば盛り返すチャンスに見舞われることもあるのですが、チェスはかなり厳しい。
将棋はどちらかというと守りを固める方向に行く戦型も多いのですが、チェスの場合、守ってばかりいると攻め込まれてどうにもならなくなる感じです。
将棋を無駄に知っていたので、チェスの駒の動きだけ覚えて、将棋の定跡で挑もうとして失敗しました。
日本の戦と欧米の戦の違いって感じで面白かったです。
特に、将棋は相手の陣営を自分の味方にして寝返らせるのが日本ぽいなと思いました。
犠牲を払って相手を追い詰める感じがチェスで、自陣を守りながらなるべく兵力を落とさず相手を降伏させるのが将棋っていう感じです(些少の戦国オタクもかじっています)。
あと、やっぱり女性としてクイーンが最強っていうのは、単純にやる気が出ました(笑)
自陣のキングを自らを犠牲にして守るのも攻撃するのも、一番の担い手はクイーン。
そして、一番弱いポーン(兵士)という駒が何故か最強のクイーンに成り上がることができる。
色々妄想できて、そういうストーリー性も私には面白かった。
ただ、将棋にしろ、チェスにしろ前半は『型』を覚えてミスをしないというのが基本だということは向いてないわたしでもそろそろ気付いてきました。
暗記(勉強)と、相手のミスや思考を見逃さない集中力が試されるゲームです。
ドラマでも、変な動きをして相手をイラつかせるシーンが盛り込まれていましたが、将棋でもよくあります。平常心を失ったら、もう負けなんです。
そして、定跡、全然勉強してないけど『クイーンズ・ギャンビット』というドラマのタイトルは、チェスの定跡、戦型の名前だということはわかりました(笑)。
※チェスについてはわたしは初心者なので、詳しくは、下記のリンクをご覧ください。
大変このたびはお世話になったサイトです。
非常にわかりやすくルールや、基本の対戦の仕方を覚えられます。
お試し対戦もできます。
わたしは、負けることが平気なタイプなので、ガンガン負けつつ経験値を重ねていますが、そろそろ人と対戦したいです(笑)
クイーンズ・ギャンビットきっかけでチェスを始めている人も世界中に増えているようですし、このコロナ禍の中、お家でできるチェスは最適です。
そして、駒も可愛い。
連れ合いが、ブッ●・オフで買ってきてくれた500円のアンティークチェス、すごく可愛いんですよー。
何かの石を手彫りしたような感じのやつです。
家にチェスがあるとアプリと違って、駒を倒して「リザイン(投了)」ごっこもできて楽しいですよ(笑)
コロナじゃなかったら、『クイーンズ・ギャンビット』チェスオフ会企画したのになー。
残念だー。
というわけで、わたし、まだ最終話観ていないのですが、ブログのボリュームがすごいことになりそうだったので、とりあえず前後編と分けることにしました。
後編は、最終話を観てから書くことにします(笑)
それでは、また。
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※本物のアンティークチェスは高いんだろうな・・・。