Netflix『ザ・ウォッチャー』。
リミテッドシリーズのドラマです。
また、ライアン・マーフィーの実話ベースです。
最近ホント、ライアン・マーフィーしか観てないな。
実話ベースといっても、全部見た後に元ネタを探ったんですけどかなりの脚色が加えられているようで、実際の本当のところの部分は「ウォッチャーと名乗る存在が居た」というところぐらいかなぁ…と思いました。
※敢えて内容がぼかされるように字幕なしの予告を貼ってます。
『ザ・ウォッチャー』は、NY郊外の富裕層の街に豪邸を購入し引っ越してきた家族のもとに怪文書が届き始め、その犯人を探っていくストーリーで、出てくる人全員が主人公も含めて怪しいので、そういう不安やもやもやを楽しむドラマです。
ドラマ後半の評判が悪いらしいのですが、逆にわたしは後半の方が面白かった。
人間の弱さや強欲な自分を隠せなくなっていくところなどが、追い詰められた末どんどん浮き彫りになっていく姿が見ごたえがあったので、目が離せなくて面白かったです。
人間くささが好きだった。
そういえば、レビューはまだ書いてないけどライアン・マーフィーといえば『ハリガン氏の電話』も観たの。
こちらは映画で、演技とかストーリーとかいろいろ見ごたえもあって面白かったんだけど個人的にスティーヴン・キングとの相性が悪めなんだよね…。
ライアン・マーフィー色が若干強いけど面白いと思います。
家人はすごくおもしろかったって言ってた。
さて、『ザ・ウォッチャー』ですが、こちらのドラマは家と家に魅了される人たちの狂気が描かれているドラマです。
そして、ライアン・マーフィーのドラマはどのドラマも家がめちゃくちゃ豪華で内装も凝っているものが多く、上記『ハリガン氏の電話』のはハリガン邸もそれはそれは豪華でして、今までで一番豪華だと思ったのは『ポリティシャン』に出てくる浮世離れした各ご家庭だったのですが、今回は一般のご家庭の実話ベースの物語ということで、それでも実際のモデルになったいわくつきのおうちよりはるかに豪華な建物でした。
お値段も3倍ぐらいだった。
薄々感づいてはいましたが、ライアン・マーフィー自身が建物や内装への並々ならぬ愛情を持ってる人物。
それゆえ今回の作品の人物描写も「ウォッチャー」というタイトルでありながら、見ず知らずのだれかわからない人物にウォッチされることへの恐怖と合わせて、家そのものに固執する人たちを中心に描かれたことから見ても、ライアン自身が今回描かれている”ウォッチャーの素質”を持っているのを確信致しました。
実は薄々はわかってた。
ライアンの家フェチについては。
ライアンのドラマに出てくる家はいつもすごく豪華なんだけど、どの家も潔癖で狂気性をはらんでる感じだもん。
豪華とか広いとかオシャレとかを超越して日本の暮らしと比べても仕方がないんだけど、生活感がないというか。だらだらできない家っていうか(笑)
家への欲求をドラマで満たしてる感じがしてた。
ドラマのストーリーに関係ないから言及してなかったけど、けっこう建物を興味深く拝見しています。
わたし建物好きだし。
そういう建物偏愛家の狂気性をこちらがウォッチできたのも楽しかったです。
あと、見どころといえばナオミ・ワッツの美。
すっっごい綺麗でした。
40代中盤の夫婦に見えていたけど、ナオミ54才なの!?
うげー。女優すげー。
というわけで、ナオミ・ワッツと家の豪華さを堪能するだけでも観る価値があると個人的には思います。
以降、ネタバレ!!
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後半、評判悪かった理由も実はわかるんです。
唐突に「あなた誰だっけ?」みたいな人が出てきて混乱するし、最後は何も解決しないで終わるし。
そして、最大の「なんでトンネルをマッハで塞いだ?」問題。
いやいや、どこと繋がってるか全部確認してから塞ごうよわたしなら引き返すなんて絶対しないよ。
あきらかあのおさげの姉妹の家と繋がってるじゃんっていう。
子どもの安全という問題はあるけれど、せめて売る前にすべての通路確認しにいってよー(笑)
と思いながらもやもやしてた(笑)
それでも、わたし的には後半のほうが見ごたえあったと思うんです。
実際の話も結局、ウォッチャーは誰なのかわかってないようだし仕方なかったのかも。
それに、解決したらしたで文句が出たと思うんですよね(笑)
あのパターンじゃなくても、自分でも手放した方がいいとわかっている感情に囚われて抜け出せないっていう状態をだいたいの人は多かれ少なかれ経験してて、なりふりかまわなくなっちゃうじゃないですか。
その感じすごくわかるし。
今回のドラマでいえば、証拠はなかったけれど一番怪しいのは『街の建物と景観を守る会』みたいな人たちじゃないですか。
集団で目的がある大義名分と溢れる正義感って気持ちいいからたぶん癖になるし、人数もいるから手口に手垢がつかなくて相手を混乱させることができるし。
よそ者を排除したい欲求ってたぶん誰にでもあるけれど、それを文化的保存という大義名分オブラートにくるめば罪悪感も減る。
迎合しない人を攻撃する材料になる。
それともあの場合は、手紙だけは別の人の犯行で家の中に入ったりする嫌がらせはあの隣人たちだったりと、複数犯の可能性もありはするけれど全ては闇の中。
色々考えられるし、ただただ家を見てる分にはほっとけばいいと思ってたけど、彼らの場合は実害もあったからそうもいかなくてかわいそうだったなー。
あるとき「これが真実だよ」って誰かに言われたとして、証拠もそろってて、揺るぎないことなんだって頭ではわかっていても、それが自分の知りたい真実じゃなかったら人間は信じないっていうことがよく描けていたなと思います。
そして、個人的に登場人物で一番嫌だったのはカレンです。
女性として長く生きてきた人はあの嫌さわかると思う。
友達面してくる友達風の人が一番タチが悪いので、ノラ役のナオミがキレて中指立ててた時はスッキリしました!
ノラが信用してたのは何故なのか、お花畑すぎると思っていました。
「うわー、やだわーこのオンナー」ってずっと思ってました(笑)
最後はちょっとかわいそうではあった。
そもそも町の警察の人は白人男性だったからライアン・マーフィーのドラマだし信用してなかったし、探偵はある程度の年齢の黒人女性だったから信用してました(笑)
最後に一言。
わたしは解決するまで絶対家は売らないよー。
万が一説得されて売ったとしても、絶対ディーンみたいになるのは確実です(笑)
知りたい欲求って人を惑わせるよね。
今回のリミテッドシリーズは割と面白かったですー。
新作楽しみです。
というわけで、それではまたー。
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