Netflix『sense8』シーズン2第5話『恐れは何の役にも立たない』感想です。
前エピソードの感想で『かえるのうた』の話をしていたんですけど。
出身地も年も違う家人に歌わせたら、全然違う『かえるのうた』で爆笑を生んだので、自分が思っている『かえるのうた』と、目の前にいる人物の『かえるのうた』が同じだと思ってはいけないと言うのは非常に勉強になりまして。
そういったわけで、友人数名にも聞いてみましたが、ほとんどの人が、ケロ、ゲロ、クワッ、グワッ。
この4つの擬音で構成されているにも関わらず未だ、完全一致ならず。
そして、身バレの危険があるほど斬新な『かえるのうた』も登場し、違えば違うほど、ものすごく面白いので、是非周りの人に歌ってもらってください(笑)
シーズン2第4話、『かえるのうた』の話題入りの感想はこちら
『みんな違ってみんないい』がコンセプトのsense8なんで、『かえるのうた』の多様性ももちろんアリです(面白いから)。
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※以下、ネタバレありのあらすじ及び感想です。
シーズン2第5話。『Fear Never Fixed Anything』
ジョナスの死を知るクラスターたち。
リトは、事務所から渡された仕事の台本がゲイの役ばかりで、仕事に絶望している。そんな中、大きなLGBTQイベントに招待客として来てほしいという手紙が彼の元に届く。
ノミの事情を知ったバグは、ノミの痕跡をあらゆる国家のデータ上から消し、事実上死亡という形を取れば身の安全を確保されると考え、その状況を作り出せる男【The Guy】と連絡を取る。
The guyとの待ち合わせ場所に指定された映画館では、リトの映画が公開されていた。
バグは、リトの映画の大ファン。映画を楽しむバグの元にリトが現れ、バグがリトを元気づける。
以前訪れたバーのバーテンダーが彼に勇気をもらった話も聞き、リトの心境も徐々に変化していく。
ヴァン・ダムはテレビ出演後、政治家が家に押しかけてきて次の選挙に出馬を要請される。自分を取材した記者と仲を深めたいヴァン・ダムは彼女の仕事場に行き、記者の女性と会おうとするが、記者の同僚の下世話な噂話を聞かされたあげく、本人も侮辱される。
サンは、一人になり師匠の元に会いに行く。そこで師匠と生活をするが、そこにサンを追っていた警察が訪ねてくる。脱獄の経緯に不信感を抱いている警察官は、連絡先を師匠の元に置いていく。
ウィルとライリーはジョナスの死を受けて、これからの道筋を考える。
今までBPOから命を狙われないように逃げてきたが、みんなで力を合わせて立ち向かおうとし、ライリーはクラブイベントでDJブースに立つことに。
そのイベント中に何名かの感応者が現れるが・・。
ジョナス、唐突に死んでしまったなぁ・・。
けっこう好きだったので淋しい。
今さらだけど、何故BPOは『自分たちの仲間』を殺そうとするんだろう。
例えば、【特殊能力者たちが集まって、自分たちを排除しようとする非能力者たちに対抗しようと奮闘する話】は割と海外ドラマや洋画にはありがちで、単に特殊能力者たちの特殊能力を描くという側面だけではなく、【マイノリティーがマジョリティーに立ち向かう】といったストーリーに持っていきがちなのは、お国事情だと思うのです。
『X-MEN』系列のドラマ『ギフテッド』はそういう話でした。
それだけ、アメリカという国に多用性があり、差別も横行しているということだと思います。
マイノリティーがマジョリティーを支配しちゃう展開に持っていかれちゃうのも、マイノリティーもマジョリティーも根っこは一緒なのに、何故共存できないんだ。あんまり、迫害しているとこういう目に遭うぞ!!という圧力も感じます。
日本では特殊能力モノはだいたい単体(ひとり)のことが多く、特殊能力を生かして事件を解決的な話が多い印象。
すごく面白くてものすごくハマって観ていて、でも、後半(特に映画)世界観が崩壊してわけがわからなくなったのが、なんとなく海外ドラマを彷彿とさせる『SPEC』は、特殊能力者たちの組織が人類を支配する世界にしたいと願い、それに反抗する特殊能力者(主人公)と非能力者コンビという設定だったので、日本ではやはり珍しいドラマだったかと思います。
というわけで、今回のエピソードは感応者それぞれ個人の問題を抱えながらも、チームとしての自分たちの生活も築いていこうとするメンバーたちが描かれた転機エピソードでした。
同じ能力を持っているなら、対抗できると。
ちょっと、ふんわりとした描かれ方だったので、よく理解していないかもしれませんが、DJイベントにライリーが登場するということで、眼鏡ヒゲおじさんマシソンをおびき出しライリーにも会わせて感応させ、彼に対抗できるのをウィルだけじゃなくさせたってことかなとわたしは思ったのですが。
話が前後しますが、今回は個人的に心がほっとする展開が二つあってよかったです。
一つ目は、バグが窮屈な暮らしを強いられているノミとアマニタを心配して、BPOに狙われないように社会的な【ノミ・マークス】の存在を国のデータベースから削除しようと提案し実行に移した際に、バグがリトのファンだということがわかったことです。リトの映画は相変わらず、面白くなさそうですがリトの映画を何度も観ているというバグが、姿は見えないまでも直接リトに思いを伝えられたこと、そして役者として心が折れているリトが、自分の出演した映画を観て熱狂しているファンの姿を観たことは、今まで自分が歩んできた役者人生が間違いじゃなかったと思えた瞬間だったんじゃないでしょうか。
わたしは、リトはメキシコからアメリカに移住してイチからオーディションとか受けて役者をやればいいと思うよー。
それと、もう一つはサンとサンの犬が再会できたことですね。
サンの犬、めちゃくちゃ可愛い。
元気いっぱいで健康そうで、師匠が可愛がってくれていたことも嬉しい。
サンの足跡を聞きつけて、出迎えてくれていた時から泣いてた(笑)
再会できたことをなんとかして同房の美人に知らせてあげたい気持ち。
弟のことを抹殺したい気持ちはわかるけど、抹殺しちゃったら生き証人がいなくなるから、サンの未来のことも考えるとできればそれこそ社会的抹殺にしてほしいと思う。
どうせ、弟は未だに会社のお金を使いこんでるのは間違いないし、叩けばホコリがどんどん出てくる人物だし。
サンは、弟のことを殺すつもりでいったとしても、実のお母さんやオモニの言葉を戦闘中に思い出しておそらく、殺せない。
わたしなら、刑務所に放り込んで死んだ方がマシだったなっていう償いをさせたいと思ってしまう派なんで(笑)
あと、ヴァン・ダムのことはさすがに第5話なんで、だいぶ慣れてきました。
シーズン1のヴァン・ダムとは同一人物だとは思っていません(笑)
シーズン2のヴァン・ダムは癒し度は低いけど、弱々しさはなく芯が強そうで聡明な感じなので、出馬もアリな感じはします。
役者さんが変わったからストーリーも変えたのかもしれません。
ナイロビがあのままラストを迎えるのは切ないので、希望が見える形で締めるには最適なオチかなとも思ってきました。
最後に、個人的には『恐れは何の役にも立たない』とは思いません。
それなりに役に立つことも、生きていれば割とあると思います。
シーズン2も次から後半なんで、ラストスパート見届けたいと思います。
というわけで、それではまたー。
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