Netflix『sense8』シーズン1第10話『人間の条件』感想です。
『インデペンデンス・デイ』というウィル・スミスの映画がありまして、続編もあり、日本では『インデペンデンス・デイ』というと、映画の方を思い出す方も多いかと思いますが、アメリカで【Independence Day】といえば、7月4日、アメリカの祝日である【独立記念日】です。クリスマス、感謝祭と並ぶ大掛かりなイベントも多く行われる日です。
『独立記念日』という名前はついていますが、実際は1776年に独立戦争の真っただ中、『イギリスから独立する宣言をした日』を記念して制定された祝日です。
現在は、基本的には家族が集まってお祝いするのが慣例で、連休を取り帰省したり、街ではパレードや、花火が目玉となっています。
商業施設のセール戦争も激しいようですが、日本でも
ウィルが父親と船上で観ていた花火を、サンやヴァン・ダムも一緒に楽しげに見ていたのがとてもいいシーンで印象深いです。
独立戦争の最中の1776年にイギリスからの独立を宣言をし、アメリカ合衆国という国家を制定、フランス、スペイン、オランダなどからの援軍を得て、イギリスとアメリカでは物理的な距離も離れており、アメリカ大陸は広大だったため徐々にイギリス側の戦況が悪化。
独立宣言から7年後の1783年に結ばれた『パリ条約』(1783年)にて、イギリスはアメリカの独立を認め独立戦争は終結。アメリカ合衆国が誕生しました。
ちなみに『パリ条約』と名のつくものは、ざっと見た限り50個ぐらいあり、年号をいれないとどのパリ条約かわからないです。
アメリカの独立戦争は元々は、イギリス人が侵略したアメリカで、そもそもはアメリカ原住民を支配したイギリス人がイギリスに反発し戦争が起きるという事態になった興味深い世界史です。
ちなみに、1783年のパリ条約が結ばれた9月3日ではなく、あくまで独立宣言をした日の7月4日が独立記念日(建国記念日)とされています。
第9話の感想はこちら
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※以下、ネタバレありのあらすじ及び感想です。
シーズン1第10話。 『What Is Human?』
ドイツのヴォルフガングは従兄から、ダイヤを返せば親友とヴォルフガングは見逃してやると言われ約束奪ったダイヤを持って約束の場所に向かうが、ヴォルフガングは復讐を誓っていた。絶対絶命になっていたところに、自宅のジャグジーのバスタブで自暴自棄になっていたメキシコのリトが現れヴォルフガングのピンチを救う。
ヴォルフガングを救ったリトは、ホアキンに身を売ったダニエラを救うことを決意し、ホアキンの元に向かうが返り討ちに合う。そこにヴォルフガングが現れる。
インドのカーラは結婚のことで悩んでいることを父親に相談する。
韓国のサンのところには弁護士が現れ、父親が真実を告白したので釈放する書類にサインを求められるが弟のことを思ってサインを迷う。
アメリカでは独立記念日のお祭りが各地で行われ、共鳴者がウィルのところに次々現れる。
また、アイスランドではライリーの父親のコンサートが開かれ、共鳴者全員に自分が生まれた時の瞬間が脳裏に現れる。
リトは、仕事より愛を取ったねー。
恋愛関係において大なり小なり、どちらかがどちらかに犠牲を全く払わないっていう関係はありえないけど、個人的には自分のために相手に多大な犠牲を強いるのが嫌なタイプだし、自分にそこまでの価値があるとは思えないので、わたしがエルナンドだったら、リトの気持ちを素直に受け取るのが怖い。
身を引きたい・・いや、頼むからこのまま、身を引かせてくれ!
後々、仕事にやっぱり支障が出たり、引退して違う仕事を選んでしまったとして、リトが口に出さないまでも後悔しているのをうっすら感じ取ってしまっただけで、わたしがキレて喧嘩になるのが目に浮かぶ。
「後悔してない」って相手が何度言っても信じないし、 絶対言っちゃいけない「頼んでないっ!」も100%言う(笑)
ホアキンもこのまま殴られて引き下がるようなやつじゃないと思うし。
命に優劣はないとはいえ、DVしてるような奴は別。生きてる価値なし。
DVに正当性はゼロ。異論は認めない。
更に顔を狙って外に出られないようにして監禁状態にしてるっていう姑息さも兼ね備えてるやつだから、全然丸く収まってるように思えなくてドキドキする。
リト本人はスッキリしてるようだから頑張れって感じだけど、今後のことだよ。
エルナンドが、リトの愛を素直に受け止めるわたしのようなめんどくさいタイプじゃなければハッピーエンディングだろうとは思うんだけど(笑)
ところで、昨日「サンの父親、直前になって裏切るに1万点賭けたのに・・」と言ったら「まだ、油断はできない」と言われました(笑)
サン、心配だなぁ・・。どうなるんだろう。
同房の友達も気になるしさ。
そして、もうなんの疑問もなく共鳴している人たち(以下:感応者)が、自由にお互いのところを行き来するようになって面白い。
今まで会ってなかった人たちも会うようになって、カーラとヴォルフガングはほぼ2人で共鳴していたけど、他の感応者たちにも会うようになったり。
ちなみに、ヴァン・ダムの前に始めてカーラが現れ『ライオンハート』という映画を一緒に観ることになり「ダンスシーンがない」としつこくするカーラに「戦闘シーンがダンスなんだ」と答えるヴァン・ダムの懐の深さ。
更には、もうひとつのカーラの質問に、ヴァン・ダムが出した答えは真実を突いていて深かったです。
笑顔のヴァン・ダムとは裏腹に、ものすっごい気持ちがわかったから泣きそうになった。
わたしも、子どもの頃からテレビっ子だったし、わたしはヴァン・ダムと違って日本人だから、義務教育を小学校から受けて、読み書きと基本的なことは習えて学校には図書室もあったから、テレビと本にはだいぶ助けられたと今になっておもうことがあるし、このブログを書くことにも繋がってるかもしれない。
カーラも返す言葉がなく、自分の恵まれた境遇を思うしかなかったと思う。
「ベッドがないのに、家に大きなテレビがあるのは何故?」
「テレビは、スラム街の外に連れ出してくれるから」
テレビを見ることで、世界には文明や自分たちとは住む世界の違う恵まれた環境があることを知っていて、自分には到底手の届かない暮らしだとわかっているヴァン・ダムが、それでも夢を見たいと大きなテレビで好きな映画を観る。
状況が全然違うのはわかっているけれど、わたしの映画や海外ドラマ依存も、一種の現実逃避だもんな・・。
そして、最後ライリーのお父さんのコンサートに集まるみんなの元に、ライリーの出産の件から、自分が生まれた瞬間の映像が浮かぶ感応者たち。
(何故、ノミ以外はほとんど外なんだ?)と思ったけど、ほとんどの人が誰かに共鳴して出産日が早まったり、逆に遅くなったりして病院まで間に合わないなどの急な出産が多かったのかなと結論。
命をこの世に送り出すため、どの母もへその緒で繋がった我が子を誕生の瞬間まで一心同体で守り、産みの苦しみを味わいながらの命がけの出産。
自分が誕生した瞬間の映像が、地球全員すべての人に現れたら女性の価値がもっと上がるだろうな。
その後辛い境遇で育った人もたくさんたくさんいると思うし、自分を産んだ母がまともな親じゃなかったとしても、少なくともその瞬間は命がけで自分をこの世に送り出した存在が、全人類に一人は存在しているという事実は変わらない。
色々な問題に切り込んできた『sense8』シーズン1もあと二話ですね。
今回のエピソードはテーマが重すぎてざっくり割愛してしまったけど、バズーカをぶっ放したヴォルフガングはドイツに居られなくなると思うけど、意識不明の親友を残したままどうするのか地味に気になっています(笑)
というわけで、それではまた。
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