弁護士資格取り立ての頃のジミーがHHMのメンバーと、カラオケ付きの飲み屋でジミーの祝賀会を開いていた冒頭。
チャックもその時はHHMの下っ端のメンバーとお祝いに参加していて、ジミーに懇願されてカラオケを歌う、最終的にはジミーのマイクを奪って歌うというシーン。
ジミーの歌が微妙だったため、聞き覚えのある楽曲がなかなか思い出せず視聴に集中できない(笑)
チャックの歌が上手かったので、だんだん思い出すもわたしの中では、『男女が何かの映画で歌っていた』 という浅い記憶で(ピッチ・パーフェクトでエイミーが? いや、違う・・うーーーーっ・・マンマ・ミーアか!?)となって、最終話なのに、このままでは真剣に観ることすら危ぶまれると、視聴を一旦止めて楽曲を調べることにしました。
巻き戻してうっすら聞き取っていた歌詞から『loser mammamia』(うっすらすぎる(笑))で検索し、この動画を見つけることに成功。
THE WINNER TAKES IT ALL (ABBA) - MAMMA MIA + Lyrics
ABBAの『The Winner Takes it All』(邦題:ザ・ウィナー)でした。タイトルはわたしが検索したLoserじゃなくてむしろWinnerだったのですが、歌の内容はむしろLoser楽曲なんです。
そこが深いし、なぜキムがこの曲を選曲したのでしょうか。
『The Winner Takes it All』というタイトルからしてWinnerの曲ではないとは思いましたが、曲にダイレクトに『Winner』って入っているからなのか、単純に歌ってと気持ちいい曲だからなのか・・。
そうなんです。カラオケで歌ったら間違いなく気持ちいいタイプのやつです(笑)
歌詞をここに勝手に載せると得体のしれない人から叱られる可能性がありますので、興味のある方は、上記動画を見るなり、和訳を検索していただけるとわたしの言いたいことがわかって頂けるかと思います。
ですが、登場人物のいる地域の州のモットーや旗に書かれている文言までエピソードにからめてくるギリガン氏が、この曲の意味はわかっていないはずはないと思うので、今回のエピソードを最後まで観たわたしの感想では、The Winner Takes it All は、ジミーのことではないというのはわかったけれど、エピソードのラストシーンは、キムがこの歌の歌詞の内容みたいになっていました。
そう考えると、キムがなにげなく選んだ楽曲の状態に、数年後自分がなったということを現したのかもしれないです。
※シーズン4第9話の感想はこちら
シーズン4第10話(最終話)は、初回の弁護士資格を取り戻す面接に失敗したジミーが、あの手この手でキムに協力してもらいながら策を講じます。マイクは脱走したヴェルナーを追跡しますが、思わぬ追手も現れ騒動の収束に駆け回るエピソードでした。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
まず、マイクの件は、かわいそうだったけど仕方なかったかなぁ・・。
ヴェルナーは裏稼業をやるには覚悟が足りな過ぎたし、メンタルも弱かった。
マイクをだまし討ちして周到に計画して、小細工してまで脱走してたから。
置き手紙があったとしてもそこはアウトにしないと、今いるメンバーが許してもらえると思っちゃうし。
そういうことに手を出すっていうことは、命を奪われる可能性があるっていうことは当然だよなって普通に思うわたしは、海外ドラマの見すぎです(笑)
ただし、ヴェルナーの件は仕方ないにしても執拗に、マイクを付け回すラロはやっぱりガチサイコパス感満載で怖かったですね(笑)
だって、なんか常に笑ってるし。
だいたい海外ドラマで凝った料理作ってる大人の男性って、闇かサイコパスなイメージです(笑)
ところで、ラロを初めて見たときすごい既視感があって、『ウォーキング・デッド』のサイモンに似ていると思ったんですよね(笑)
サイモン自身も超、ちょい役で『ベター・コール・ソウル』にも出演していたんですけど。え?違う役でまたサイモン!? と一瞬思いました(笑)
(注意:これはウォーキング・デッドのサイモンの写真)
そういったわけで、 シーズン5以降は、ラロとガスの戦いにも、もっと焦点が当たりそうなので、思いのほか『ベター・コール・ソウル』では出番の少なかったガス・フリングの出番を増やしてほしいわたしには、楽しみの一つです。
そして話は、今回のメインエピソードのジミーがソウルになった話に移ります。
前回怒り狂っていたけど、結局、社会は上っ面で回ってるんだっていう強烈なメッセージのエピソードでした。シーズン4最終話。
前回、いつもより比較的誠実に対応したジミーは弁護士資格を戻してもらえずに、今回策略だけで気持ちが全く入っていなく不誠実に対応したら、即弁護士資格を戻してもらえたわけですから。
わたしもある程度いい年の大人だし社会人としてある程度やってきたんで、そのことはわかってはいたけど、実際あんなに極端に社会の現実(ドラマだけど)を見せられるとツライ気持ちになる。
ドラマ自体終わってないから当たり前だけど、ソウル・グッドマン誕生の瞬間だったにも関わらず、すっごい、もやもやする。
そして、『ブレイキング・バッド』でもずっと思っていたし、ドラマ内でずっと語られている【時間は戻せない】問題。
過去は何があっても変えられず、許されることもないっていう人生の不条理を訴えているんですよね、ギリガン氏は。
このことはしつこく、しつこく言ってきます。もう、うんざりするほど(笑)
今回のエピソードでは、ヴェルナーも、スカラシップを申し込んだクリスティも、そしてジミーも。
【過去】を持ち出されて【今】や【未来】は見てもらえない。『社会は過去に過ちを犯した人間は許さない、彼らに受け入れてもらおうとしてはいけない。』ということをクリスティを通して、ジミーはわたしたちに訴えてきた わけですが、彼女はジミーの言葉を聞いて、納得し正攻法を諦めて別の道を歩もうとするでしょうか、それともそんなことを真剣に訴えるジミーを不憫に思ったでしょうか。
わたしは、ジミーの話は真理であると思うと同時に不遇さも感じたので、若くて人生これからの彼女がどう思ったのかすごく気になりました。
そして、シーズン4を締めくくるジミーの最後のスピーチ。
最初、チャックの手紙を読むと言っているのを聞いたときは、愚策だと思ったんです。
あんな、人に読まれること前提なテンプレート文面を読んだところで、ダメなんじゃないかと。関係ないけど、HHMに飾られていたチャックの肖像画は、夜に目が動きそうで怖かったし。
あんなのを読んでしまったら、チャックの怨念でダメになると思いました。
でも、キムも涙するほどの、”スリッピングジミー”ぶりで、ソウルを勝ち取った。
わたしは、どんなにうまくできた脚本でも、嘘をつくときは本音か事実を混ぜないと相手の心に響かなくて嘘だとバレると思っているので、全部が嘘だとは思いません。
特に、前半の『弟としては愛してくれたけど、弁護士としての自分は憎むべき存在だった』という部分は間違いなく本音だったと思うし、実際、チャックのジミーに対する愛憎は最終的には3:7から2:8ぐらいをうろうろしていたのかなぁと思います。
ところで、キムは、なんでずっとジミーのそばにいるんだろう・・。
愛情ももちろんあるとは思うけど、責任感とか、義務感かな。
マッギルの名に恥じないようにしたい・・と涙ながらに語った舌の根も乾かぬうちに、マッギルを捨てたジミー。
協力はしたけれども間違いなく、空しい気持ちになってるよね。私ならなる。
これから、シーズン5はソウルとしての生活が始まるわけですが、キムとの関係がどうなるのか、ソウルとしての弁護士生活で今度こそチャックと決別できるのか、新シーズンの配信を待ちたいと思います。
最後に、ここまで『ベター・コール・ソウル』40話分のレビューに付き合ってくれたみなさん、本当にありがとうございました!
それでは、またーシーズン5で!!!
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