今回の邦題は『おさらば』となっていますが、原題は『Wiedersehen』で、今回に限っていえば、英語でもスペイン語でもなく、ドイツ語。
挨拶的な言葉なので知ってる方も多いと思いますが、グーグル翻訳で調べると【再会】となっていて、今回のように広い意味で【さようなら】的な使用例の場合は、正しくは【Auf Wiedersehen】(アウフ・ヴィーダーゼーエン)というのが正しい文法のようです。
あくまでわたしの個人的な探究心から来るものなので自己責任なのですが、過去『ブレイキング・バッド』から『ベター・コール・ソウル』まで、言語を始めとし、一体どのぐらい何を調べたのか(笑)
「あれなーにー?」「これなーにー?」としつこく、しつこく聞く子どもだったらしい幼少期のわたし(記憶にはもちろんない)。出かけると特にそれがひどかったので、わたしが幼少の頃の母の苦労話として語り継がれるぐらいの、生まれ持っての好奇心。
前世がもしあるとすれば、何かを調べる人だったか、調べきれずに死んだかのどちらかだと思います(笑)
ところで話をドラマに戻しますが、今回もう一つ疑問に思ったのがアメリカの弁護士資格についてなのですが、ざっくりと調査したところ、アメリカでは弁護士資格は州をまたげないというのが個人的に一番びっくりしました。アメリカは国でありながら、自由が尊重されるからそれだけ州によって法律が違うということなのだと思います。
アメリカの司法試験はロースクールさえ卒業していれば、日本の司法試験より通りやすくはあるようですが、それでも血のにじむような勉強が必要なのと、筆記に突破するとともに、『自分が弁護士に値する人間である』ことを証明しないといけないらしいです。
ジミーが本編でも言っていた通り宣誓書や、他人からの推薦書、『ベター・コール・ソウル』内にもよく出てくるプロボノ案件と呼ばれる弁護士としてのボランティア的活動(国選弁護などがそれにあたる)は必須で、実際の司法試験の場合の面接は、よほどの前歴がない限りそれで落とされることはないようなのですが、日本の場合の面接的なものは言葉通り口述筆記試験要素が強く、弁護士になるには知識さえあれば人間性はそんなに問われないし、そもそも『自分が”何か”であることに値する人間である』っていう発想がわたしにはなかった(笑)
それに、自分がそのような存在に値すると思ってやってみたら違う結果になるかもしれないし、まだなってもいないのに、そんなことわかんなくない!?
しかも、そんなことを他人が正しく判断できるのか・・というのが今回のエピソードを見ての一番疑問に思ったところですので、詳しくは下記に。
※シーズン4第8話の感想はこちら
シーズン4第9話は、いよいよ裁判から1年経過し弁護士に復活しようと面接に臨むジミーと、地下のラボの建設工事がなかなか計画通りに進まないマイクの苦労が描かれました。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
冒頭は、ヘクターにベルが与えられた瞬間が描かれましたね。
あまり深く考えていなかったけど、よくよくみると確かにホテルのフロントとかにあるやつだった。
後付けのエピソードかもしれないので、ナチョの新しいボスであるラロの言っていることが、筋が通っている話なのか一体なんの話をしているのかイマイチよくわからなかったけど、とりあえずヘクターのお見舞いの手土産に、『サラマンカファミリーに不愉快だったやつを、やりましたよ』っていう報告だったことはなんとなくわかったし、ポヨスに何気なく乗り込んでけん制したりして、ラロが一言でいうと『だいぶやべーやつ』なことはわかりました。
『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』ではリアリティを追及しているせいか、ガチサイコパスってあまり出てこないじゃないですか。
リアル社会にいる割合と同じぐらいかなー(笑)
今まではリディアを狙っていた、トッドぐらいかなーと思っていたけど、ラロもそうかもしれないです。
話は変わりますが、今回のエピソードのかなめは日頃なんのためらいもなく嘘ばっかりついているジミーが嘘をつけなかったことだったと思います。
あんな大事な場面の面接でジミーは、何度も誘導尋問的にチャックのことを言わせようとしていた面接官を無視し、かたくなに、チャックのことには触れなかった。そして、『チャックに対して敬意を払わなかったという理由』で、また1年の資格停止を言い渡されました。そもそも判決は、1年の資格停止だったんだから、1年経ったらすぐ弁護士に復活できると思っていましたが、できなかった理由はジミー自身が『弁護士に値する人間』だということを面接官に証明できなかったから。
しかも、『誠実さを感じられない』だってー。
もう、このことが腹が立ってしょうがないんですよね。すごいムカムカする。
わたしにはジミーの気持ちがすごく、すごく、すごくわかる。
1年根気よくジミーに付き合ってくれて、プレゼントまで用意して弁護士復活をお祝いしようとしていた優しいキムに一方的に八つ当たりしたことは100%ジミーが悪い。このことでキムに別れを告げられたとしても、仕方ないと思う。
ただし、チャックの怨念がジミーにしみついていて、『身近な人ほど自分を信じない』という心の闇が出てきちゃうんだよね。普段は隠せていても非常時には出てきちゃって、あんなことを言ってしまったんだと思うんだけど、多分本音。
もうそれは、本当にキムの努力とか関係なくておそらく一生無理で。
だから、ジミーはキムを幸せにしたかったら、身をひくしかないとわたしは思う。
だけど、わたしは面接官たちに「あんたたちに何がわかる!!」と叫びたいぐらい腹が立ちました。
そもそも、弁護士に『誠実さ』っている!?
いや、ないよりはあった方がいいのはわかるけど、医者だって、弁護士だって、教師だって、警察官だって、政治家だって、ほかもろもろの職業だってみんな誠実ってわけじゃないじゃん。
今まで生きてきた実体験で、誠実じゃない医者や教師なんて山ほどいたし、政治家だって誠実だったら汚職なんか発生しないわけだし。
全員そうだと思うけど100%誠実な人なんか存在していなくて、誠実なときと誠実じゃないときがあるでしょう?
そもそも、社会に生きてる以上は誠実なほうがいいに決まってるけど、みんな全員が全員誠実だったら、こんな世界になってないわ。
自分が他人の『誠実』をはかる立場の人間なら、何故ジミーがチャックのことを口にしないのかちょっとでも考えろ!! それこそ、誠実さが足りないんじゃないの?って思ってました。
チャックのことを嘘でもいいから語ることが正解だったのかもしれないけど、でもそれは誠実とは程遠いよ。
お得意の口車でチャックのことを涙ながらに語ることも嫌だったんだよ。
自分にウソはつけなかったんだよ、弁護士に戻ることがかかっていても、1年も経っても!!
ジミーの葛藤がわかる。死んでもなおチャックはジミーのこと苦しめてくる。
それに、いつも嘘をつくジミーが嘘をつかなかったことが最大の誠実さじゃないかとわたしは思うんですけど。
あと、余談ですが冬になって高価なテカっているダウン着ている人を見ると、チャックのことを思い出して嫌な気持ちになるようになってしまっています・・。
そのこともチャックには責任取ってほしい・・。
このあとジミーが弁護士に戻ることはわかっているので、このあとどうやって戻るのか、弁護士資格を取り戻すため、自分に最大の嘘をつくシーズン4最終話を迎えることになるのか。
あ、書き忘れたけどヴェルナー、脱走しちゃったね。
マイクが電話なんかさせるから余計里心ついちゃって。
って次、最終話じゃん!!
今回のレビューはちょっと気持ちが入ってしまって、熱くなりすぎてしまいすみませんでした。
それでは、またシーズン4最終話のレビューで。
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