とても綺麗です。アルバカーキ及びメキシコあたりの荒野の空は、いつ見ても。
わたし、あんまり『無心』になれなくて。
お坊さんは『無心』を手に入れるため、座禅を組む。そもそも無心になるというのは、厳しい修行を日々積んだりしなきゃいけないぐらい難しいことなのでしょうが、わたしは常に色々なことを考えていて、寝ていてもストーリー性のある夢をすごく見るので、脳がフル回転している状態で、ボーッとすることが非常に苦手なんです。だからといって、特にたいしたことは考えてないんですけど(笑)
でも、アルバカーキとかメキシコの空がバーンと画面に広く映し出されるたびに、心に一瞬静寂が訪れるんですよね。
南国の美しい海や、ヨーロッパの美しい街並みを見たときとも違う、独特の乾いた空気感と、虚無な雰囲気。それがすごい好き。
あの場所って『生きるか死ぬか』って場所じゃないかと個人的には思っているんです。
拉致されて丸腰であの場所に放り出されたら、水とか食べ物がなにもなくて、あと朝晩寒くて、脱水して衰弱して何日後かに死ぬか、通りすがりの人が助けてくれて生き延びれるかって感じだと思うんですけど、そういうある意味【試される大地】(あ、このキャッチフレーズ北海道の人しかわからないかも。昔、北海道のPRで使われていた標語?です)っぽい感じと、もし死ぬならあんな場所で誰にも見つからず朽ち果てるのも悪くないかなと思わせてくれる土の色と質感と空気感と空なんです。
あそこで寝っころがって空を見上げながら死ねたら・・ってなんとなく思いませんか?
って、そんな感傷的な気持ちに思わずなってしまうのも、わたしが確実に疲れているから!!
12月の中盤から年末まで(まさに今)本当に嫌い。
会社では、誰かに呼ばれただけでイラッとしています(笑)
海外ドラマや映画のことを考えたり、ブログに感情を吐き出したりして何とか乗り切れているから、わたしには趣味があって本当にセーフだったなと心から思います。
じゃなかったら、キムかチャックの二の舞もありえるぐらいに追い詰められる時期です。ワークライフバランスは本当に大事にしないととキムを見て改めて思いました。
というわけで、感傷と愚痴はこのぐらいにしてシーズン3の最終話の感想いきたいと思います。
※シーズン3第9話の感想はこちら
シーズン3第10話は、サンドパイパーの原告代表のアイリーンを孤立させて和解を成立させ、100万ドル受け取ることになったジミーでしたが、思いのほか施設でのアイリーンの人間関係がこじれ、頭を悩ますことになります。キムは疲労から車の事故を起こし、チャックはHHMの引退勧告に対し対抗しハワードと対決。一方、ヘクターはナチョの実家を流通経路にしようとナチョの家に乗り込む最終話です。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
『Lantern』(ランタン)と題されたシーズン3最終話。
わたしはすぐさまシーズン4に入れる身ですし、色々続きも気になるところですが、結果からいうとシーズン3は割とすっきりと終わったのではないかなと思います。
前回はジミーにイライラしていましたが、本人がきちんとその償いを果たしたこと、キムが結果的に元気になったことで、シーズン3を終えて『ベター・コール・ソウル』視聴としては久々に穏やかな気持ちです。
まぁ、泣きはしましたけどね、2回ほど(笑)
まず1回目は、キムが荒野の真ん中のハイウェイで自損事故を起こしてエアバッグが開いて腕を骨折し、病院に運ばれ家に帰された次の朝のジミーとのシーンです。
事故を起こしたキムを気遣い、朝食を作り献身的に面倒を見ようとするジミー。
利き腕を骨折したため、フォークがうまく使えず食事に手間取るキムを手助けするか迷うジミーに対して、キムが「食べさせるのはダメ」と一喝。
その一言が出るまでの無言の間にも、(そうだよね、キムは右利きだったわ・・字を書いている時、あー、キムは右利きなんだなと思った記憶があった。まさか、あれも伏線だったのかな・・)とか、(ジミーは、手伝いたそうだけどキムの様子をうかがっているなー、どうするんだろう)とか、もうこの時点で、色々気持ちが溢れて切なくなっていたんです。こうなったのもジミーのせいじゃんっ!ってキムがしゃべり始めるまでは思ってたんですよね。
そして「俺のせいだ・・」というジミーに対して、キムが「この選択をしたのはわたし、すべてわたしの責任だ」っていったところで涙が出ました。
キム、強い、そして優しすぎる・・。
本当は全然ジミーのせいにしてもいいところだし、ジミーを気遣っての言葉だったのかもしれないけど、わたしはキムに関しては本心だと思いました。彼女は今までも、余計なことは言わないかわりにウソも言わなかった。
わたしはキムのような真似は出来ないけど、泣きながらジミーはキムのこの思いに応えないと〇すって思ってました(笑)
ジミーが、アイリーンが孤立してしまった件で施設内でのアイリーンの人間関係修復に手間取る中、100万ドルというお金も今まで弁護士として築きあげてきたキャリアも捨てる覚悟でひと芝居打ったのは、ジミーを見直した一件です。
好きでいてくれる人を裏切ったという告白を自分からするのは、ジミーにとってはかなり辛いことだったでしょうが、自分で蒔いた種を自分で回収したというのは偉いと思ったし、キムはその選択をわかってくれるからこれは大丈夫でしょう。
それに、弁護士を少し休むと決断したキムと二人で開いた事務所をたたんで再出発をはかるには、一度リセットするといった意味でも、結果的によかったかもしれません。
そしてフランチェスカは、うちの会社に転職してきてくれ。
でも、一個だけ言わせてもらうと、アイリーンも施設の仲間もジミーの言うとおり早めに和解金受け取ればいいのに・・とわたしは思いました。
弁護士たちが得をするだけで、あそこまでのシニアになったら明日どうなるかわからないのに、何年も引き延ばすの怖くないのかなぁ・・と。
その判断ができない人たちだからこそ、サンドパイパーの餌食になってしまったわけなんですよね。
ジミーはジミーでアイリーンを孤立させたのはよくなかったけど言っている内容は別に全くの嘘でもなかったと思う。弁護士事務所だって依頼人たちの年齢をわかっていないわけではないので、図星さされてキレた感じにも見えました。
そして、チャックは主治医の言うとおりちょっとしたきっかけで少しずつ回復傾向にあった病気が元の状態よりもさらに悪化してしまいましたね。
和解を申し出たジミーに、ジミーが一番嫌がる言葉を投げつけて拒否した姿を見て、何年も世話させてたのに、「お前のことなんかずっとどうでもよかった」は、さすがにないと思ったけど、ジミーだってそのことはわかっていたはずなんだけど、チャックのところに思わず行ってしまった。そしてそんなチャックとのやり取りでアイリーンのことを償う気持ちにもなったんだろうけど、チャックの深すぎる闇にはこっちも引きずられそうになるのですごい嫌だったです。
更に、HHMの件では一度引退勧告をしたのに応戦してきたチャックに対し、ハワードは今までチャックの言いなりになっていたことに気づいたんでしょうね。いや、気づいてはいたけど、嫌と言えなかった自分に限界になった。チャックは事務所は自分を切れないという驕りがあった。
自分の資産を渡してでもチャックに強制的に出て行ってもらう決断をしたハワードを、チャックは受け入れるしかなかった。そして壊れた。
最後のシーンは、精神状態の不安定からの自殺だったのかなぁ・・。
チャックのアイデンティティーは弁護士であることだったから。
だから、弁護士になってしまったジミーともあんなにこじれたわけだし。
シーズン4で、生死がわかると思いますがチャックの件はもう見ていてイチイチ辛かったので、ジミーにはかわいそうですが、これでさよならでもしょうがない結果だったかなと思います。
シーズン4は、ガスのこと中心でお願いしたいし!!
ということで、もう1回の泣きのシーンは、ガスですね。
ヘクターが、ナチョの家に乗り込んで事前にナチョがお父さんに話してあったせいもあったと思うけど、お父さんは我慢してくれてその場は乗り切れた。その後、ガスとの会合で興奮して発作で倒れたヘクターが、ナチョが入れ替えた薬を飲んで救急車で運ばれましたが、救急車を待つ間、ガスが、ヘクターを一生懸命心臓マッサージしてたじゃないですか。「死ぬな、死ぬな」って。
普通は、本当に死んでほしくない人にやる行動を、死んでほしい人にやるっていうね、そのことですよね。
その思いに泣けました。
相討ちしてもいいほど死んでほしいと思っている人が、自分が手にかけなくても死にそうだったらふつう傍観しないですか。
しかも、自分が見ていないところで死なれるのが嫌とかいうならまだわかるんですが、自分の見ている前ですよ?
自分が生きているその意味が、復讐に染まっている切なさ。
幸せになりたいと誰もが願って生きている中、幸せなんて必要ないと切り捨てていける思い。
辛い・・辛すぎる・・。
シーズン4では、ガス・フリングが持っているその強い復讐心を少しだけでも満たせてあげられたら、というのがわたしの願いです。
そして、ナチョはマイクのアドバイス通りきちんと薬戻しましたよね?
ガスのことで取り乱してちゃんと見てないんです(笑)
それでは、またすぐにシーズン4のレビューでお会いしましょう。
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