くっだらねぇ~!!(笑)
一言でいうとくだらない映画なんですが、メッセージ性がないわけでもない、つまんないわけでもない、見どころがないわけでもない。
そして、オチが個人的には素晴らしいと思った。
そんなに悪いところはみつからないのに、最終的な感想が『くだらない』っていう。
くだらなすぎて無心で観られたし、音楽もよかったし、長瀬君がかっこよかったし、そして、みうらじゅんが地獄を歩いていた(笑)
わたしは宮藤官九郎が好きなので面白かったですが、彼の作品は好き嫌いがはっきり分かれるみたいなので、ドラマをやれば視聴率の低さをごちゃごちゃ言われてしまったりしていますが、その中でもこちらの作品は、低レベルな下ネタも多いので、これまたクドカン嫌いの怒りをかうような作品を・・と思ってしまったりもしました。
ですが、基本的に老若男女すべての人に向けた作品じゃなく、クドカンが監督として好きなものを好きなようにぶっこんだらこうなったって感じでした。
映画の中心を担う存在が【ロック音楽】なんですけど、わたしは全然詳しくないのでそこがわかればもっと面白かったと思うし、カメオ出演している人たちや、ギタリストのCharとか野村義男なんかをもっとテンション上げて観られたなと思って、そこは本当に悔しかったです。
夏フェスとか今までも一度も行ったことがないし、よっぽどのことがない限りこの先も行く予定はない(アウトドア好きリア充パワーの人波に耐えられる自信がない)のですが、サマーソニック2019の最終日にお家で多少”サマソニ感”を味わえて楽しかったです(笑)
わたしは、この映画が好き。
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~あらすじ~
関大輔(神木隆之介)は、高校の修学旅行のバスに乗っていた。
大輔は、クラスメイトの手塚ひろ美(森川葵)にずっと片思いをしており、この修学旅行中になんとか告白したいと思っていた。
彼女とお近づきになりたいがために、バスの席をクラスメイトに交換してもらった大輔。
だが、彼とクラスメイトを乗せたバスはこの直後、ガードレールを突き破り崖に転落するという事故を起こしてしまう。
大輔は気を失い、目を覚ますと見慣れない光景の中に居て、顔にメイクを施したロックバンドがライブをしていた。
ライブをしていたのは地獄に住まう鬼だった。
鬼たちから自分の乗ったバスが事故に遭ったこと、地獄に落ちたのはどうやらクラスメイトの中で彼一人だったこと、事故の生存者がいることを徐々に理解していく大輔だったが、どうしても手塚ひろ美にもう一度会いたい彼は、ひろ美の生存を信じ、人間としての転生を目指すことにしたが閻魔大王のジャッジは厳しいものだった。
TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ - Wikipedia
※2019.8.19現在、AmazonプライムビデオとNetflixで配信されているのを確認しています。
この作品、地獄と天国という言葉が何度も何度も出てくるんですけど、宗教でいえば仏教です。
Hell、Hell言ってるんですけど、天使と悪魔のHeavenとHellじゃなくて、お釈迦様のほう。
なので、日本人ならお馴染みの感じの文字通り『地獄絵図』が見られるし、映画内でざっくり説明もしてももらえます。
今回初めて知ったんですけど、仏教では現世で禁を侵すと地獄に落ちる『五戒』というのがあって、乳飲み子以外は全員地獄に落ちるし、天国とか無理じゃない? って言う内容だったので、衝撃でした(笑)。
映画内の『五戒』の補足説明が以下になります。。
①生き物を殺さない
今まさに血を吸っている蚊なんかも含む。
そして、他の人に殺すのを頼むのもダメ。
売ってる魚とか肉とかを食べてる時点で地獄行き。
そして、自殺は、最上級の殺生。
②他人のものを盗まない
遅刻も他人の時間を盗んでるので地獄行き。
③浮気や不倫をしない
仏教では、心の浮気から地獄行き。
④嘘をつかない
はっきりとした嘘じゃなくても、都合の悪いことを隠したら地獄行き。
⑤酒を飲まない
こうなってくると料理酒もアウトなんだろうなぁ・・(笑)味醂とかでも多分地獄行き。
これ、全部やってない人いる?(笑)
はい、これを読んでいるそこのアナタ、死んだら地獄行き決定です。
頑張って転生しても動物に生まれ変わったりして、しかも何の動物かは選べなくて、人間になるのにはかなりハードルの高い狭き門。
なので、もし今のわたしの人としての人生が1度目じゃなくて、転生のたまものだとしたら、前世の何かが相当頑張ったうえでの人生なのに、これ・・? という気持ちと、死んだら地獄なんて申し訳ない・・という矛盾した感情でせめぎ合う。
そして、転生にもタイムリミットが決められているのも初めて知りました。
何度も何度も転生できるわけじゃない。限界がある。
来世から頑張るとか、来世で会おうね!とかよくいうけど、来世があるかどうかすら死んでみないとわからないのです(笑)
そういったわけで、くだらない映画ではありますが仏教のことを新しく知れたのは有意義でした。
あと、映画としてはクドカンお得意の、張った伏線を後からどんどん回収していく展開はやっぱり小気味がよかった。
(ここ、そう繋げていくかぁ~!!)というのがやはり天才的で、他の人にはできないやり口なんだよなーと感心してました。
そして、クドカンファミリーの神木くん、長瀬くんのコンビもすごくよかったです。
神木くんは、『11人もいる!』の主演の時っぽい役柄をもうちょっと頭悪くしたような感じで一言でいうと、バカすぎる高校生男子(悪いやつではないが、ひたすらバカ)を好演。
長瀬くんは、『池袋ウエストゲートパーク』、『タイガー&ドラゴン』、『うぬぼれ刑事』など、クドカン作品ではおなじみなので、馴染みもいいし、音楽が映画で出来る!という喜びが映画から伝わってきていた(笑)生き生きと演じていた気がする。
そして、今まで観た長瀬くんの中で一番かっこよかった。
特にメガネのほうがどストライクすぎ(笑)
他にも脇を固める豪華キャスト、古田新太、桐谷健太、尾野真千子、シシド・カフカ、宮沢りえ、坂井真紀、古館寛治、ラーメンズの片桐、あとはROLLYなんかも出演。
でも、特殊メイクで誰だかわからなかった人もいる(笑)
ロックのことは詳しくないので多くは語れないのが残念なのですが、楽曲は割と好きなものが多く思わずサントラが欲しくなりました。
対バンみたいなもののシーンが長かったのは、ロック素地がないわたしにはちょっと飽きてしまった。
もうちょっとあのシーンは短くてもよかったかなと思いましたが、多分あそこが見せ場だったのだと思う(笑)
音楽好きはたぶん楽しい。
わたしが、色々な楽曲の中で一番好きだったのはガールズバンドのものでした。
パフォーマンスも含め、すごく完成度高いの!!
あのバンドがデビューしたら推したいぐらいだった(笑)
最後にちょっとネタバレになってしまうんだけど、クドカンの描く天国というのが映画内に出てくるのですが、すごく意表を突かれた(笑)
まぁ、上記の『五戒』を破ってない人間は存在しないと思うので、それこそ徳を積んでその徳と相殺してもらわないと天国は全人類無理そうなんで、五戒は冒してるけど地獄ってほどでもない人がおそらく天国行きなんだと思うのですが、個人的には最高な天国でした。
天国行きたいから、今から徳積むしかねーっ!って気合い入る感じ(笑)
”天国”と似た経験したことあるんだけど、もうちょっとあれに近い状態だったら最高だったんだよね。
でも、家人は「あの天国は嫌」って言ってました。あれだったら地獄の方がいいと。
みなさんは、天国と地獄どちらを選ぶのでしょうか?
どんな天国か確かめてほしいです。
というわけで、それでは、また。
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※ジャニーズ事務所が絡んでいるので、ジャケ写が載っていない・・。
- アーティスト: Various Artists(宮藤官九郎監督作品)
- 出版社/メーカー: ジャニーズ・エンタテイメント
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