たま欄

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『恋は雨上がりのように』アニメと実写を両方観た。若さに翻弄される老いた自分の悲哀と光。

この間、Twitterのフォロワーさんたちの間で、好きな映画を言い合うバトンを渡すリレーがあって、わたしが回したフォロワーさんが恋は雨上がりのように』 を上げてくれました。

 

Amazonのトップページですごい推されていたので、ずっと気にはなっていたんです。

 

恋は雨上がりのように

恋は雨上がりのように

  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Prime Video
 

 

このお話、女子高生の小松菜奈ちゃんが、冴えないおじさんの大泉洋に恋する話なんだなと、映画の宣伝や予告なんかで知ってはいたのですが、

 

(相手が大泉じゃなかったら観てたかもしれないのに・・)

 

と心の片隅に引っかかっている作品だったのです。

 

※わたし道産子で『水曜どうでしょう』をリアタイしていた人なので、大泉を呼び捨てはご了承ください。

 

「大泉の恋愛ものってちょっと・・」ってつぶやくと、道民のフォロワーさんが「わかる! 親戚の見たくない恋愛みちゃう感じだよね!」と同意してくれて。

 

そうなんです、なんていうか、別に嫌いじゃないけどそんなに好きでもない従兄のお兄ちゃんの恋愛事情を知っちゃうみたいな変な生々しさがあって、避けていたんですけど。

幸い、今までは『探偵はバーにいる』や時代劇が多かった(ような気がする)からセーフでしたが、さすがにJKに恋される大泉は・・って思いつつ、ザッピングしていたら、アニメがあるじゃん! となって、作品に興味がなかったわけじゃないので、アニメを観て、すごい癒されて数日で完走しました。

 

ちなみにわたしはAmazonプライムビデオで視聴。

 


TVアニメ「恋は雨上がりのように」 本予告PV

 

 

感想を一言でいうと、アニメ、すっごいよかったーーー。

 

わたし、ちょっとメンタルに来ると、カラフルなものが観たくなって、アニメに走るんです。

東日本の震災のときは、見なきゃいいのに、毎日テレビを見て、津波や、公共広告機構のCMや、被害状況を繰り返し見て辛くなっていたのですが、ぎりぎりのところでこれじゃいかん・・と思って、かたっぱしからジブリを観ていたことがあったのですが、そういうヘキなんです。

その節は宮崎駿氏ありがとうございました。

 

このアニメも色がすごく綺麗で、梅雨時の湿気の感じとか雨とか花とか、みなとみらいの景色とか、主人公のあきらちゃんのテーマカラーの紫とか、あきらちゃんのアップの時の透明なアメジストのような瞳とか、とても綺麗でした。

アニメの作画の人、すごいです、ありがとうございます。

アニメ詳しい人は、色々言いたいことももしかしたらあるかもしれないですが、わたしは個人的にすごく癒されました。

大好きなアニメになりました。

 

あと、この作品、主人公が女子高生なので、少女漫画かと思いながら観ていたんですけど、アニメを観勧めるごとに、少女漫画にしては変だな~と違和感を持っていて、調べて途中でわかったんですけどビッグコミックスピリッツで連載されていた大人漫画でした。

スピリッツは若向けとはいえ青年誌ですし代表作の老舗といえば『美味しんぼ』なのかな。

 

わたしが好きな作品でもたくさんスピリッツ出身のものがあります。 

動物のお医者さん』の佐々木倫子氏の『Heaven?』もスピリッツだし、浦沢直樹系作品もスピリッツだし、今は東村アキコの『雪花の虎』もスピリッツですね。

 

 

まぁ、そういったわけで、大人のわたしにも大ヒットしたわけですが、色々感情をかき乱される作品でしたし、この年になって観たことで気づけたことも多かったです。

 

アニメを完走した後、気になったので実写も観てみたんですけど、アニメのエピソードをかなりざっくりはしょられていました。

 

えーーーー、あそこカットしちゃったの!?

 

と思う部分も正直多かったです。

 

アニメは30分程度の物語とはいえ13話、漫画も全10巻、それを2時間のストーリーに収めるには強引にしなければいけない事情もあったと思うのですが、そこは頑張って作品の主なテーマを変えることで乗り切ったのかなと思いました。

 

アニメはどちらかというと主人公あきらのピュアな恋心、映画はあきらの青春群像劇というか、高校生としての青春の一ページのような描き方に感じました。

アニメは恋の中で一番楽しいかもしれない女子高生の”片思いの喜び”を中心に、若さと生命力に翻弄される店長を、映画はあきらと店長二人の、”夢を挫折しかかっているものが夢にかける思い”です。

 

ここまで言っておいて原作を読んでいないので、どちらがより原作に近い感じなのかはわかりませんので、原作はそういうんじゃないんだ!という意見には、ちょっとお答えできないのですが、あくまでアニメと実写との違いや、作品の切なさなどを下記につらつらと書いていきたいと思いますが、なるべく書かないようにしようとは思いますが、ネタバレを含むかもしれないので、ネタバレ絶対アウトの方はご注意ください。

 

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舞台であるファミレス、『ガーデン』。

 

アニメはガスト、実写はロイホに見えました。

実写のまかないのサンドイッチが実写はすごく豪華だったし(笑)

 

わたしは最初にアニメを観たので、アニメでの細かいあきらちゃんの恋心をエピソードを実写で観られなかったのは残念でしたが、その分リアルな女子高生の青春を観たような気持にはなりました。

 

実写の主人公はあきらちゃんであり、アニメの主人公は今思うと店長だったのかなー。

 

アニメは前半はあきらちゃんの恋心中心ですごく可愛くて、かなわない思いを抱えたJKを生温かい目で見ながら(そうだよねぇ~、恋で一番楽しいのって、10代の片思いだよなぁ・・)っていう気持ちになって観ていたんです。

 

一番自分本位になれる恋というか、恋だけに集中できるのってその時しかないんだよなーっていう。

こっち見ただの、今日は会えただの、ちょっと喋っただの、相手がいるようでいて、相手がいないようなもんだもんなーと。

 

大人の片思いは、生活と恋を両立させなきゃいけないから、恋だけに集中できないし、片思いが成就してしまったらしたで、また色々大変なことも多いじゃないですか。

なので、JKが(今の段階では)自分を絶対恋愛対象にしない善良なおじさんに恋をするというストーリーの設定は、すごく上手いと思いました。

 

アニメは店長といる時は周りがキラキラしたり、絵がふわふわしたり、あきらちゃんがかわいくなったりしてわかりやすく描かれていたのもよくて、実写ではそれは難しいから菜奈ちゃん、かわいそうだなと思っていたんですけど、実写の菜奈ちゃんはとにかく走りが素晴らしかった。

 

でも、ずっと観ているうちに、子どもに翻弄される店長かわいそうだなっていう店長寄りの気持ちになってきてしまって。

店長も、そしてわたしも生まれたときから今の状態じゃないし、もちろん若いときも高校生のときもあって、若い子が自分と違うフィールドにいるときは、異星人として接していればすむ話だけど、同じフィールドに強引に入ってこられるのは、辛い。

まだまだ未来が選び放題の若者の逞しさや、溢れる生命力そういったものを見せつけられるのって、もうしんどいなと。

自分は、もう二度とそこには戻れない現実。

 

店長の夢や人生が徐々にあきらかになってきてからはそれが特に顕著で、非常に切ない気持ちになっていました。

実写では、店長がまだまだやり直しの効く若いあきらちゃんの背中を押す感じが強く描かれていました。

 

あと、これは本当に個人的な感想で、実写よりアニメのほうが、店長の夢にかける思いが強く描かれていたのもあって、そこは、大泉の演技力だったのかもしれないんですけど、大泉が机で原稿用紙に向かって文章を書くシーンがあるのですが、それを観て反射的にすごくそれが羨ましくなって(わたしもなんか書きたい)っていう風に思ったんです。

今はブログを運営していて、いつもなんかしら書いているのですが、そのシーンがわたしにとってはすごく強烈で、わたしは本当に書くのが好きなのだなということを改めて作品に教えてもらえました。

 

そのつながりで、実写でものすごく残念だった部分は『羅生門』のくだりをざっくりカットされていたことですね。

羅生門』はわたしは国語の教科書に載っていた記憶があって(髪の毛を抜くばあさんが怖い・・)というホラー的な印象を持っていたのですが、え?そんな話だったのか・・っていう衝撃もありましたし、『羅生門』に対する二人のやり取りとあきらちゃんが出した答えには、大事なことが込められていたので。

 

最後、これは実写もアニメも両方だったんですけど、風邪ですごーく具合の悪い時に子どもに押しかけられて詰められるのは、店長本当に気の毒だった(笑)

高校生にはわからないかもしれないけど、大人が調子悪いときは本当にしんどいんですよ?

何故、そんな辛い時に高校生のメンタルの面倒みないといけないの、あきら、店長を解放してあげなさい・・っていう気持ちでいっぱいでした。

いや、いいシーンなんです、物語のなかですごく大事な場面なんですが、あきら、若さがすぎますよ! っていう老婆心が出てしまいました(笑)

 

わたしは店長寄りの年齢なので、あきらちゃんのピュアさと恋心にすごく癒されたのと同時に、店長の人生に対するすでに諦めモードに入っている状況に光がもたらされたことが、彼の人生にどう影響するのか楽しみです。

若い子は、これからどうにでもなるから(笑)

 

ラストは、実写とアニメ、少し違いました。

 

とてもいい作品でした。

是非、興味があれば実写とアニメを見比べてみてくださいね。

 

わたしは、脇役の久保さんとちひろが好きでした。

 

それでは、また。

 

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恋は雨上がりのように コミック 全10巻セット

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