きっかけは、twitterで「ゴールデンカムイの電子無料期間が伸びた」という情報を見かけたからでした(現在は終了しています)。
最後まで読めるんだったら・・・というのもあり手をつけてしまったが最後、完走してしまいました。
※ヤンジャンアプリでひたすら読んでいて、毎回この29巻の広告が出てきたからこの表紙を通算314回見た。ちなみに、この人は眉間のしわの濃い人だと思っていた。
GWは平日もお休みの10連休という待遇のよい会社に勤めているわけではなく、世間で祝日が多い分土曜日も出勤という労働基準法最低ランクの休日設定の会社に勤めているわたしにそこまでの時間的余裕はありませんでしたが魔が差してしまいました。
【北海道の話】というのは漠然と知っていたのでずっと読みたいとは思っていたんです。
そういったわけで余暇の時間を全てゴールデンカムイを読むことに費やしてしまい、積みゲーにしている『バイオハザード4』を1秒もプレイできなかったです。
ところどころ仕事が差し込まれたのでそこまで余裕はなかったのですが、お休みの日は、洗濯、掃除、料理、ゴールデンカムイをループしていました。
途中読むのに疲れて心が折れかかり挫折の危機を迎えたりはありつつも「とりあえず一周目は無料期間内に読み切る」という目標設定があったため、なんとか完走することができました。
『ゴールデンカムイ』は、北海道生まれ北海道育ちでありながら、今まで北海道の文化や歴史にほぼほぼ興味のないままここまで生きてきてしまった自分にとってものすごく価値のある読み物でした。
それでも常識的な範囲でご先祖さまは北海道の土地に生きていた人たちではないというのは認識しており「先祖はどこの土地から流れてきた人たちなのか」ということはうっすら考えたことはあるのですが、そこまで歴史的な事案などに思いをはせることはありませんでした。
開拓の土地だからとはいっても近代史的にいろいろあるのは知ってはいましたが、かなり興味深く読ませて頂きました。
漫画の面白さということだけではなく、教科書的な意味でも広く色々な人に読んでもらいたいと思う作品でした。
そして、漫画を読み進めているうちに漫画では描かれない歴史的な背景も知りたくなり、屯田兵や北海道の砂金や歴史のことを調べているうちに、自分の出自と話が繋がっていく部分があり、先祖が北海道に移り住んだ理由がなんとなくわかった気がしました。気がしただけで確かめようもないというのが実際のところではありますが考えただけでも価値があったのかなと思うようにしていますし、おおかた間違ってないような気がします。
その結果、やっぱりろくでもないというのが結論です(笑)
さらに、自分の親の生まれ育った土地の地名などからアイヌに深く関わる土地柄であったことも知り(先祖がアイヌの文化を奪うのに加担していたのかもしれない)と考えこんでしまい鬱になっていたりしました。
先人は先人で懸命に生きて紡いできたものがあるんだろうし、時代、といえば時代なのかもしれないけれど、今のこの暮らしや文化が正解ではないので、何かが少しでも違えった方向に向かえば”違う今”があったのかなと考えました。
将来的に今のこの時代が大河ドラマなどになった際に描かれる偉人が現在日本にいるのかすら2022年を生きるわたしにはわからないけれど、昔は時代を自分の思うように変えたい人が居て、それに賛同する人やついていく人が居た。
平家が滅びなかったら、織田信長が生き延びていたら、関ヶ原で西軍が勝っていたら、明治維新がおこらなかったら、それこそ日露戦争に完全に敗北していたら、第二次世界大戦が起きなかったら、というifの世界線。
そうだったら自分は存在していなかったけど、別にそこはいいです(笑)
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作品としては、あとがきで編集者が作者のことを『寡黙だけどものすごく意思の強い人』と表現していたことで激しく腑に落ちたのですが、ものすごく作者の”伝えたい思い”が流れ込んでくる作品でした。
商業的な問題やページ数の問題で端折らなければいけない部分があったことに未練を残しているような記述もありましたが、書ききれなかった思いも含めて強い意思を感じていました。
とにかく色々伝えたいことがあるという力強さがすごくて、歌もそうですけど音程が合っているからといって歌に感動するとは限らないのと同じでとにかく勢いがありました。
そのため、こちら側もそれに応える形で構えないといけない部分もあり非常に消耗したというのが正直なところです。
個人的には全体的に作品として好きなので、特に誰それを強く推すということもなかったですが強いていえば土方さん、かっこよかったですねー。
イケオジ好きとしては最高なお方でした。
刀とライフルの二刀流しびれた。
人物的には門倉さんがすごく好きでした。
自分があまり運を持っていないので、運のいい人が好きなんです(笑)
ビール工場のくだりと湖で毒入りのチカをもらって全部落とすのはとてもよかった。
ちなみに、チカの天ぷらはめちゃくちゃ美味です。
あとはトニさんですね!
クライマックスのエピソードの表紙の煽り文
「俺の名を呼ぶ貴方の名が聞こえた」
これは名文です。
考えた人、天才すぎます。
笑いの部分もけっこうおもしろくて、凝った表紙、ラッコの肉の回、少し切なかった親分と姫の回、「おまえ白石だろ」などなど、お休み回も差し込まれていて休憩させてもらえました。
アニメは表紙がないのが非常に残念。
面白い表紙たくさんありました!
実写化の話が出ているようですが、ロシアなしに『ゴールデンカムイ』の話は成り立たないしロシアの協力なしではいろいろ無理な部分もあると思うので、今はそのタイミングではないのではないでしょうか。
日本側から見た日露戦争とロシア側から見た日露戦争も当然違うし、個人的にはきちんとした形で描いてほしいと思うんです。
ヒグマやシャチとの闘いや、鹿の解体、リスのチタタプを中途半端に描かれるのも微妙。
あと、オオカミはどうすんの?って思ってます。
アニメですらラッコの肉の回では、すでに皮をはがれていた状態だったのに実写で日和らずにきちんと描けるのでしょうか。
『網走監獄編』だけを切り取るにしても。いろいろと問題があります。
中途半端になるなら本当にやらないでほしい、頼む。
というわけで、作者の野田サトルさん、長い間連載お疲れ様でした。
こういうことを考える機会を私に与えてくれてありがとうございました。
久々にがっつり漫画にハマれて楽しかったです。
あと最後に本当に蛇足ですが、クライマックスらへんで出てきた鶴見中尉が食べていた二色団子は消費期限が当日限りという商品で、次の日には団子が激しく固くなります。
猛烈に今食べたいのですが、現地に行かないと買えないんだよねー。
あの地方CMはまだやってるのかな。
あのへん、そういう【現地に行かないと買えないグルメ】多すぎだと思う。
商機にのっかりなよ!!って思う(笑)
そういう細かい北海道民しかわからない内輪話も含めてネタバレ満載で金カム話で盛り上がりたいです!
そして、今年アニメの四期もあるみたいなのでまだまだ楽しんでいきたいと思います。
それでは、また。
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