唐突ですが『パーマン』というアニメを知っていますか?
大ざっぱな代表作は『ドラえもん』、『キテレツ大百科』の 藤子・F・不二雄氏の作品です。
かなり記憶がおぼろげだったため、この記事を書くにあたり『パーマン』について調べてみました。
そんなイメージは全くなかったのですが、意外と設定がこみあっており、わたしが現在MARVEL系のアベンジャーズを始めとするヒーロー系の物語に傾倒している元祖的な要素があるような気がしなくもないです。
え? そんなちゃんとした話だったの? っていうのが正直な感想でした。
そもそも、このドラマを観始めた動機も『アントマン』のポール・ラッド主演だったからという理由です。
ちなみに、パーマンのウィキペディアが読んでいてめちゃくちゃ面白かったです(笑)パーマン - Wikipedia
実写化されたら絶対観たいぐらいなんで、それこそNetflixさんお願いします!
その際は、子どもじゃなく是非大人バージョンで。
というわけで、ざっくりと、パーマンの設定を説明すると、冴えない小学生男子が宇宙人(スーパーマンという名前だったが、著作権の関係でバードマンに名称変更)からもらった”パーマンセット”を装着すると、怪力や空を飛ぶ能力などが備わり、仲間のパーマンとともにヒーローとして活躍する話・・。
ちなみに、パーマンの他のメンバーは、猿、美少女アイドル、小坊主、赤ちゃん(アニメには出ていない)です。
主人公以外は猿と、女の子のパーマンをうっすら覚えているだけだでした。
小坊主!?ってなりました(笑)
その『パーマン』がヒーロー活動中に本人の代理として日常生活を送っていたのが、本人の姿かたち、記憶をまるっと移すことができるのっぺらぼうで鼻が操作ボタンになっている人形、コピーロボットです。ほかの藤子作品(ドラえもんとか)にも登場しているアイテムのようなのですが、わたしが知っているのはパーマンのみ。
鼻を押すと電源が切れたり、押した人のコピーになってしまったりするので、トラブルの元でもある身代わり人形。
パーマンのことはほとんど覚えていないのに、主人公がコピーロボットを悪用(代わりに学校に行かせたり、宿題をさせていたような気がする)したりしているのを羨ましがっていた記憶があるのですごく欲しかったのでしょう(笑)
そして、わたしが今回『僕と生きる人生』を観ている間ずっと考えていたのは、そんなコピーロボットのことでした。
生きているコピーロボットが現れたリアルだと思って観ていました。
このドラマは、アラフォーの既婚男性が、どん底っていうほどではないけれど、人生に行き詰まりを感じ、同僚の勧めでやけっぱちで怪しげな高額スパに出向いたところ、本人の意思とは関係なく”自分よりちょっとだけ優秀な自分”が生み出されてしまうことから物語が始まります。
自分と探す自分探しの旅。
究極の問いかけが繰り広げられる全8話、以下に感想を綴っていきたいと思います。
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まず、一人二役が全然違和感ないのがすごかった!
Netflixの時間とお金への余裕を感じた。
最新の撮影技術と、2人分演じたポール・ラッドに拍手を送りたいと思う。
ただただ感心するばかりでした。
ストーリー的には、1話から8話まででひとまとめになっていて、ラスト2話あたりでは感動してグッとくる場面も。
誰しも「自分はまだまだこんなもんじゃない」とか思ったことあると思うんですけど、
自分の目の前に【自分的にも、妻的にも、世間的にも理想の自分】が現れちゃうんですね。
自分のDNAの現状の最大値です。
前半は(わたしだったら、新しい自分に人生譲っちゃうかもなぁ・・)って思いながら観てたんですよ。
周りの人も幸せにできるし、社会貢献もできそうだし、何より新しい自分のほうが限りある残りの人生を有意義に過ごせそうだし、アップデートされた人生送ってみたかった。
まぁ、自分のDNAなんでいきなり絵心とか運動能力とかが備わるわけではないというのはわかっているけれど、自分では気づかなかった”何か”があるかもしれないなぁと。
マイナーチェンジが失敗することもあるけど、10年ぐらい経過してみないと成功か失敗かはわからないし、明らかに負けてる自分が自分として生きるのはちょっと・・っていう気持ちで5話ぐらいまで観ていました。
でも、最後まで観たら、このドラマの言いたいことはそういうことじゃなかったっていう、ガツンとやられた気持ちでした。
最後は、綺麗にまとまっていたのでシーズン2はないのかもしれないけど、今後があるとしたらどういう展開になるのかは非常に気になります。
ネタバレなしでは言いたいことが全然言えなかったので、下記にネタバレありのレビューをしたいと思います。
ネタバレしますよー
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わたしは、自己肯定感が深海の底なみなので序盤は(え? 嬉しくない?) と思っていたんです。
新しく生まれた意識の高い自分は、現状を打破できそうだし、エクササイズも続きそうだし、家族とも友人とも良好な関係を築ける感じ。
大好きな甘いものも我慢できそう。
記憶は今のまんま、やる気スイッチが押されっぱなしの状態になるんだったらいいなーって思った。
同じ人がこの世に存在しているのは無理だから、潔くキルマイセルフだ! と思っていて、アップデートされない本体が死にきれなかったのはスパの人のせいだから、スパの人にもう一度責任を持って処置してもらえばいいと。
そういう展開にならないだろうなぁーとは思っていたけど、やっぱりならなかったです(笑)
最初はパーマンにおけるコピーロボットみたいに、意識高い自分を利用していたマイルズだったけど、どんどん意識の低い本体である自分に嫌気がさしていく状況になっていた。
でも、意識高い自分が鬱陶しくなっていくだけで、自分が消えるという選択肢はなさそうだった。
そんなわたしのキルマイセルフ思考が薄れ始めてきたのは、マイルズの妻のケイトの存在でした。
ケイトのもとにマイルズ1&マイルズ2が現れてネタバレがされたあたりから、もしケイトの状況に自分がなってしまったらと視点が切り替わりました。
ケイトにびっくりするぐらい共感できたんです。
アップデートされた、出会ったころのような【素敵な夫】に惹かれていく様子と、そんな彼に違和感を感じ「あなたは疲れる」と、新マイルズを突き放した気持ち両方わかってしまった。
ドラマでも、数年前の倦怠期じゃない頃の2人も描かれていて、理想の夫との未来がキラキラしているかと思いきや、ケイトがだんだんと結婚した相手はこの人じゃないっていう気持ちになっていく様子に、うなずきながら観ていたのです。
マイルズだって昨日まで意識高かったのが急にだらしなくなったわけではなく、長年の月日があってそれと一緒にケイトも年を重ねて不満はありつつも、2人で今の状態を作り出してきた。
マイルズがダメになっていった月日の間、自分だけがマイルズに比べて意識が高かったわけじゃないケイトが「ダメなマイルズじゃないとダメ」というのは当然の結果だったと思う。
今の自分を作ってきたのはそばにいてくれる人と歩んだ時間であり、経過も含めての全てだと気付いた時に目から鱗だった。
それまでの自分を全否定して生まれ変わってしまうということは、一緒に過ごしてくれた人との時間も否定するということなんだって思ったときに(アップデートした自分で生きてみたい)と思っていた非常に傲慢な自分を殴りたい気持ちでした。
まぁ、それでもアップデートしてみたい気持ちはいまだにある(笑)
というわけで、気軽に観始めた割には心に響く作品となりました。
妻のケイトが本当にいい人であんなマイルズを心から愛していて、最終的には2人とも受け入れるという心の広さを見せてくれました。
でも、わかる。
2人でひとつだから、無理だよね。
どっちもマイルズだから。
この後どのように生活していくのかも気になるけど、アップデートされたマイルズはこの先ずっと意識が高いままなのかが一番気になる。
DNAを浄化したとはいえ、メンテナンスしないとダメなんじゃなかろうか(笑)
シーズン2に更新されたら絶対みまーす。
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