Amazonプライムビデオ『モダンラブ・東京』感想後編です。
こちらの記事の続きになります。
上記記事を読んでいただけるとわかるのですが、非常にがっかりしています。
一緒に視聴に付き合わされた家人もがっかりしているため、「本家はすごくいいエピソードもある!」と主張し、
シーズン2のエピソード1(だけ視聴済みだった)の『あなたが愛したスポーツカー』と、
そしてわたしたが『モダン・ラブ』シリーズの中で一番好きなエピソードである『私の特別なドアマン』
を、強制的に観させたところわたしは単なるほっこりだったのですが、まさかの号泣で爆笑しましたが、おそらく反動もあったのかなぁ~と思います。
本家はシーズン2のep2以降の視聴がまだ残っているので、引き続き観ていきたいと思います。
というわけで、さっそく『モダンラブ・東京』のネタバレ感想の後編です。
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ep4:「冬眠中の僕の妻」
主演・成田亮/夏帆
~あらすじ~
デザイナーのマイ(夏帆)は仕事のストレスにより精神に支障をきたした。
異変を感じたトリマーの夫(成田亮)は妻を病院に連れていく。
妻の変化に戸惑いながらも必死に妻と向き合おうとする夫婦の姿を描く~
このエピソード自体脚本家推しなのか本編始まる前に「監督・脚本 荻上直子」と出たので、こちらも(荻上作品はこれかぁ~)と身構えてみることになってしまったのがよかったのかどうかわかりませんが、荻上直子っぽい雰囲気ではありました。
ちなみにわたしは荻上直子作品はマニアックなものも含めてほぼほぼ網羅しているほど好きな監督で、脚本・監督観をしているほどですし普段意識してない方に比べてかなり詳しい方だと思います。
荻上作品みたいなのが好きだからこそ元祖の『モダン・ラブ』も好きなんです。
日常の中に潜む小さな幸せを多くを語らずに映像で静かに観せてくれる作品が元々大好きなのですが、このエピソードに関してはこの監督が描く題材にしては尺が短すぎたかなという印象。
最後、急に終わったなと思いました。
鬱問題を描きたいのか、愛を描きたいのかわからないまま中途半端に終わってしまった。
もともとゆったりした雰囲気が持ち味の監督さんですし、ストーリー自体がゆったり進むとなれば時間が必要です。
お家芸の美味しそうなご飯も一瞬だったし。
冒頭に出てきた阿佐ヶ谷姉妹の江里子さんも結構長々しゃべってて期待値が高まったけど、使いきれずに尻切れトンボ感が拭えず。
あの公園が入院施設のある病院があるところのベンチなのかなぁ、と思いきや診療所の前の公園だった…の…?
そして、江里子さんが編んでいたレース編みのコースターは直近に迫ったバザー用で、ラストに二人で買いに行ってたような感じの流れだったけどそんなすぐにメンタル回復した? 一週間とか二週間ぐらいの時の流れだったのか…と謎が多くて。
『モダン・ラブ』の全体感でそこまでシリアスな作風のものを求めてなかったのかもしれないとは思います。
しかし、二年ぐらいまえにコロナ鬱化してまだ完全に回復しきってないわたしからすると、夏帆が演じていた妻の気持ちがわかって非常に辛くかわいそうだと思っていたのですが、個人差があるとはいえ最後は少し拍子抜けはしました。
そんな見てわかるほど突然開眼するもんなのかな。
そういう人も居るとは思うけれども。
わたしは日常をなんとか這うように日々やり過ごしていて、気が付いたら死にたくなくなってたっていう感じでした。
そういう表現も含めて本当はもっとしっかりメンタル不調の部分も、二人の関係性の部分も描きたかったんじゃないかなぁという印象を荻上作品が好きだからこそ思ってしまってそこが残念でした。
あと、全体を観た後での個人的な要望なんですが、こちらの話を水川あさみ&前田敦子で観たかったですね。
家、内装、ファッション、お相撲さんは非常に可愛かったです。
ep5:「彼を信じていた十三日間」
主演・永作博美
~あらすじ~
仕事に生きてきたテレビ局勤めの主人公は、結婚もせず子どもを持たなかった人生に焦りを感じ、婚活をする。
待ち合わせに登場した男性はプロフィール写真と別人だっ。それを指摘すると帰ろうとする男性だったがそこを引き留めて交流を重ねる~
え…、結局なんだったの?
というのが観終わったあとの感想です。
ラストのオチまではそこそこ楽しく観てたんですね。
最近は、若い人には気を使って話したりするのであそこまできつく接する人は少なくなってるし、若干主人公のキャラクター設定が古いなぁとは思っていたのですが、ここまで来ると贅沢言わないきもちにもなってくるので全体の中での評価は高かったんです。
ラストまでは。
結局、幽霊か幻覚か妄想だったからロボットみたいに無表情で感情無い演技だったのかなってすごいもやもやした(笑)
コロナ禍などの事情があってホームレスになってしまった彼だったけど、彼女が丸ごと引き受けて二人で生活を再建していくラストじゃダメだったの?
ホームレスってわかって、それでも彼を森の中で探して探し当てて二人でお茶を飲んでたときそうなるんだなって思ってた。
彼の生きてる間の未練が解消されて、あそこが死に場所だったから成仏して終わりっていうのもなんかなぁ。
だとしたらホームレスである必要性もなかった気がする。
これもホームレスという設定にしてしまったから、社会問題を描きたかったのか、愛の物語を描きたかったのかラストでわかんなくなってしまった。
こうなってくると愛だったのかどうかも怪しくなってくるけど、愛を得て呪いが解けるデ〇ズニーみたいな話だったのかな。
想像にお任せするラストもあるってもちろん知ってるけど、壁紙と同じ色のカップが池に浮いてきちゃのはなんだったのか…。
ラストって本当に大事だと思いました。
ep6:「彼は最後のレッスンをわたしにとっておいた」
主演:ナオミ・スコット/池松壮亮
~あらすじ~
アメリカに住むイギリス人の主人公が、講師を勤めるオンライン英会話の講義で日本の大学生の池松壮亮と知り合い恋に発展する~
やったことあります?
オンライン英会話。
わたしはあります。
某有名オンライン英会話なんですが、だいたいがフィリピンかセルビアの先生ばかりで、アメリカの先生なんてお会いできたことありませんしマジで美人な先生は予約すごく埋まってました。
フィリピンの先生が悪いと言ってるわけではなくて、フィリピンは英語の映画に字幕がつかないほど英語が浸透している国ですし、最近は語学留学先に選ぶ人も多く英語力に問題はないですけど、実際問題オンライン英会話は先生の当たり外れがすごく多いので、ナオミ・スコットが講師で登場したらそりゃ惚れるよね。
そして、ナオミ来日。
ナオミ・スコットがア〇ホテルにインしている姿を見たときは度肝抜かれました。
アラジンでジャスミンなナオミがア〇ホテル…
すごく微妙な気持ちになりましたし、なんか心の中でごめんって謝ってしまった。
ナオミ・スコットがかわいかったので観てはしまいましたが、ストーリーは特にはないです。
そんなに文句もないけど、普通でした。
ある意味、ちょっとしたファンタジーです。
実際あんなぐいぐい来られたらオンライン英会話の先生は迷惑だと思いますので、やめましょう。
このエピソードはナオミが来日したことに価値のあるエピソードだったと思います。
ep7:「彼が奏でるふたりの調べ」
~あらすじ~
仕事でのミスを叱責され行きつけのバーで酔いつぶれていた主人公は、ある曲をきっかけに高校時代の淡い恋を思い出す。
このアニメも脚本が荻上直子だったみたいです。
特に不満はなく画面も可愛くて声も上手かったし、青春ストーリーとして面白かったと思います。
オチもすっきり綺麗にまとまっていて読み切りの少女漫画のようでした。
よかったなー、爽やかだったなーとは思うけど、すごくおもしろかったからみんな観て!! というほどではないですね…。
【総評】
以上、7話分の感想をお届けしました。
なんていうか、これ書いてて思ったんですけど7話中3エピソードがマッチングアプリが題材に使われていて(ep5は婚活かも)、後半三話もタイトルが、彼、彼、彼でした。
ep3はすごくよかったけど、あとはスタンダードであるのに奇をてらいすぎたのと予想の斜め上の展開に気持ちがついていけなかった感じです。
日本の脚本家さんたちがオムニバスや短編形式に慣れていないせいもあるのかもしれないですが、脚本と演出に特に残念感がありました。
役者さんたちは非常に豪華で演技もうまい人が多かったと思うので、もったいなかったなぁという気持ちでいっぱいです。
東京版を観たあとすぐに本家を観たら、説明しないでも一瞬でわかる演出や説明しないでも話に違和感を感じない主軸のストーリーがあったり「愛のカタチ」に沿ったテーマがあったんですが、どんな「愛のカタチ」を訴えたかったのか描きたかったのかがわからない作品が多かったのでシリーズを通してみても印象がぼやけてしまったような気がします。
『モダンラブ・東京』を観る方は本家の『モダン・ラブ』を観てる方も多くわたしも含めて海外ドラマに慣れている方も多いと思うので、やはり比べてしまうのも仕方ないとは思います。
比べられることを想定して本家をガッツリ研究したうえで景色だけではなくて日本らしさもほしかったです。
日本らしさを研究した結果、恋愛に振り切りましたよではあんまりではないかと思います。
期待していただけにすごくがっかりしました。
今後またそういうチャンスがあるのであれば、ぜひ日本のエンタメ業界にも頑張ってほしいです。
期待をこめて。
それでは、また。
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※主題歌です。