Amazonプライムビデオ『モダンラブ・東京』。
Amazonのオリジナルシリーズ『モダン・ラブ』の第一弾の舞台はNY。
一話完結で新聞に読者投稿されたほっこりストーリーをモチーフにしたドラマということでスタートし、人気のシリーズとなりシーズン2も制作されました。
わたし自身はシーズン2は未見。
これを機にシーズン2も観てみようかなと思っているところです。
今回その人気シリーズの日本版ということでAmazonオリジナルドラマとして制作された日本版の『モダンラブ・東京』。
週末使って全部観たのですが、個人的な感想でいうと勝率は頑張って7分の2です。
7話観て、すごくよかったのが一話。
特に文句がないのが1話。
ちなみに結果からいうとep3がすごーくよかったので全力でお勧めしたい。
あとの1話はep7のアニメで、これは特に過不足がない感じでスッキリさわやかでアニメっぽいよさがありました。
あとは多かれ少なかれなんかしら言いたいことがあります(笑)
一番の残念ポイントは、『モダン・ラブ』の全体を通してのテーマとして【いろいろな愛の形】というのが掲げられており、元々の本家の「モダン・ラブ」で一番好きなエピソードは下記の【私の特別なドアマン】というエピソードです。
マンションの警備員とそこに住む女性の物語で、親子愛でも恋愛でもない愛が描かれた一作で、すごくお気に入りなんです。
しかし『モダンラブ・東京』に関していえば、ep1を除き残りの6話を全て【男女愛】に振り切っていました。
ep1のみ【親子愛】です。
オープニング映像では男女愛だけではなく、色々な愛のカタチが写真やイラストなどで流れてくるのですが全て観終わったあと「これでは、いろいろな恋愛(しかも男女の)の形やないかい…」というのが一番の残念ポイントでしたね。
今の日本の地上波では観られないものが観られるのじゃないかとわくわくして期待して配信と同時に観ましたが、肩透かしをくらったような気持ちでした。
最近日本自体もエンタメ業界も絶賛不景気じゃないですか。
特にサブスクやYoutubeなどの動画配信時代になってわたし自身も地上波を観ることは災害の時とどうしても観たいものがあるときぐらいになってしまいましたが(Amazonの資金力をもってしてもこんな感じか…)というがっかり感がすごくて、思いのほかダメージを受けてるんですよね。
勝手に自分でハードルを上げてしまったことを後悔している。
もっとハードルを下げていればそれなりに楽しめたのかもしれない。
ただし、いろいろな男女の恋愛の形を観たい人には刺さるかもしれないですし、一話も短くさらっと観られるタイプのドラマではあるのでそういうのがお好みの人にはお勧めです。
東京の様々な景色もよかったです。
そして、ここからはネタバレありで一話ごとの感想をお届けしていきたいと思います。
芸能人のお名前は敬称略で進めていきます。
<広告>
ep1:「息子の授乳、そしていくつかの不満」
主演・水川あさみ
~あらすじ~
母乳育児に強いこだわりをもって臨み、家族と軋轢が生まれる。
母乳育児に限界を感じ葛藤が生まれるも子どもへの愛からなかなか母乳にこだわることにやめられない…
主人公の母親役である梶芽衣子と水川あさみの掛け合いがナチュラル母娘すぎて話があまり入ってこない。
梶芽衣子の演技がうますぎました。
梶芽衣子の演技だけでも観る価値はあると思ったほどです。
こちらの物語は水川あさみと前田敦子が同性のパワーカップルとして登場し、水川あさみが母乳育児をしていることから精子バンクかなにかで子供を二人設けているという設定でしたし、番宣でも同性カップルを演じた二人として登場することが多かったみたいなのですが、前田敦子が空気すぎて全然カップル感を感じなかったです。
前田敦子が登場してきたとき、シッターさんか妹で水川あさみがシングルマザーなのかと思ったもんね…。
スマホの待ち受けを二人のツーショット写真にするとか、登録名をカップルっぽくしてればもっとわかりやすかったかもね。
脚本・監督がサンフランシスコを拠点に活動しているとのことで、ナチュラルに描きたかったのかもしれないですがナチュラルすぎてこれでは日本の民に伝わりにくいです。
他に同性カップルを出すところないから仕方なく出してきたのかと思ったほどで、存在感なさすぎてあっちゃんかわいそうと思ってしまいました。
あっちゃんの演技力の問題ではなく、脚本の問題だと思う。
せめて、育児に悩むパートナーを支える二人のシーンが少しでもあれば違ったのかもしれないし、このストーリーに関しては同性カップルの意味が全然ない気がしてもやもやしました。
それに反して母娘の関係性はメインで描かれたため、しっかりしていて母に暴言を投げつけて甘える娘とそれを受け止める母がしっかりしていて非常によかったと思いますが、あっちゃんの存在感にもやもやしたため評価が下がってしまって残念です。
ちゃんと描かないんだったら、親子三世代の愛をしっかり描いてくれればよかったのに、と思いました。
ep2:「私が既婚者と寝て学んだ事」
主演・榮倉奈々
~あらすじ~
元夫との離婚理由が原因で、マッチングアプリで既婚者を探しカジュアルな関係を重ねていくなかで元夫との関係や自分の中の気持ちを模索していく~
主人公の気持ちはわからなくもないけど、まったく共感ができず、さらに主人公とカジュアルな関係を築こうとする既婚者男性の身勝手な言い分がどうしても納得できなかったし、その身勝手な言い分をいい話的な落としどころにしようとしているストーリーが尾を引くぐらい腹が立ちました(笑)
〈主人公の気持ち〉
「元夫のことが大好きだけど、女として求められないのはつらい。そばにいてこんなに辛いなら別れたほうがまし。離婚! 夫のことは理解できなかったから自分のことは抱けるけど奥さんのことを抱けない男たちに話を聞こう。マッチングアプリ!」
共感はできないけど、行動としてわからなくなはい。
主人公は独身だし、奥さんにバレて慰謝料を払う覚悟があるなら好きにしたらいいと思う。
〈登場する既婚男性たち〉
「妻とそういうことするのがつらい。楽しくない。今さら妻にそういう気持ちを抱けない。でも妻のことは愛してる。マッチングアプリ!」
はぁ!?(*´Д`)
知らんがな。
しかも主人公のことを「あんた」っていうの今時やめろ。
主人公は敬語使ってるんだし初対面同士は普通敬語だろ。
しかも、したあとに偉そうに説教してくんな。
っていうイライラを持ったまま最後まで観たのですが、一番イライラしたのが主人公がそういう身勝手な男たちを正当化していい話風にして最後終わったことです。
マッチングアプリで一晩の関係を築く既婚男と不倫を重ねて学んだから成長した!
元夫がやっぱり好き!
じゃないんだよ…変でしょ。
ほっこりしないでしょ。
【体の関係がない愛】を描きたかったんだとしてももっと違うエピソードがあったと思う。
愛する人に対して体の関係を求める側と求めない側のそういう価値観の一致しない悩みは普遍的だと思うしテーマとして悪くないと思うけど、一言でいうと非常に後味が悪かったです。
それこそ今の時代ならアセクシャルの主人公のストーリーもありだったのでは…と思います。
柄本佑が非常に素敵だっただけにもっと違う話にできなかったのかという気持ちでいっぱいです。
むしろ柄本佑がゲイで、結婚してしまったし愛してるけど体の関係は無理とかさ〜。
色々あったと思うの。
最後に、このエピソードでよかった点は、水上から見上げる東京の景色がすごくきれいだったことです。
船に乗っての東京ツアーはわたしもやったことありますがすごくお勧めです。
ep3:「最悪のデートが最高になったわけ」
主演・伊藤蘭
~あらすじ~
夫と離婚した主人公は親友にマッチングアプリを勧められ、ある男性とカフェで待ち合わせをすることになるが…
唯一、この『モダンラブ・東京』で文句ないエピソードでした!!
二話目で虚無になったけど、観てよかったー。
ラストも含めてすごい高揚した。
主演の伊藤蘭のハツラツとしたナチュラルな可愛さ、相手役の石橋凌のスマートなかっこよさ、そして名バイプレイヤー主人公の親友役の木野花。
この三つ巴がすごくよくてですねぇー。
最初から最後までニコニコでしたよー。
石橋凌が最初冴えない感じで登場したから「誰!?」ってなったんですが、喋るごとに見た目だけでは隠せないイケオジぶりを発揮したり、木野花さんの生命力溢れるアーティストの感じとかも素晴らしくてですね。
もちろん主演の伊藤蘭さんの立ち姿の美しさとか色々女優さん、俳優さんの見どころもさることながら脚本の妙がすばらしい。
前半に伏線をバーッと広げて、クライマックスで回収し綺麗に着地させる。
雰囲気も『モダン・ラブ』ならではの雰囲気でよかったです。
明るさと人生のシリアスさ、そしてそれを受け止める包容力がある大人の恋が描かれていてロマンチックさもありました。
芯がスッと通っている清々しさがみているものを心地よくさせる一作になっていると思います。
これが観られただけでも価値がありました。
原宿周辺の景色もいい雰囲気でした。
定期的に観たいエピソードになりました。
伊藤蘭さん、現役の時を知らないのですが現在の感じがすごく素敵だったので他の作品でも観たいです。
というわけで、ここまで3話分の感想をお送りしてきましたが、長くなってきたのでいったん終了し後半に続けたいと思います。
それでは、また後半でお会いしましょう!
※後編
<広告>
※主題歌です。