Netflixの韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』シーズン2も全6話を早速完走しました。
ちょっと先週公私ともにバタバタしていて観るのが遅れてしまったんですけど。
1話のボリュームが40分程度と短いエピソードも多かったので、ほんとあっという間でしたね。
※シーズン1の感想はこちら
シーズン1だけ観ていてこれからシーズン2を観る人に、ネタバレなしで伝えられることがほとんどない(笑)
あるとすれば、シーズン1のラストで衝撃の復活を遂げた、パク・ジョンジャを演じるキム・シンロク氏の怪演ですかねー。
全然そんな感じの役柄じゃないんだけど、演じてて楽しかっただろうなぁと思いながら観ていた(笑)
どういう役作りをしたらああなるのだろう。
そうですね。
彼女の演技以外には、個人的にはep3(だったと思う。夫婦の話)がすごく面白くて。
それまではちょっともたついた感があったんですけど、3話からは早かったです。
そうだよね~。
コロナから目立っていろいろこういうことあるけど、この内容の物語にするならこの手の話も避けて通れないところだよねってなったんです。
でもそのエピソードのタイトル的なことも感想もネタバレになるからこの段階ではまだ言えない!!
ストーリーそのものはシーズン1から完全に繋がってはいます。
でも、数年後ではあるから色々変わっている部分はあるんですけど、その時の経過により変わっている部分も含めて、フィクションでありながらも人間のやることだから詰めの甘さがあり、そういうことも含めての現実味というか。
完全にファンタジーでありながらリアルで起こり得そうな設定や構成はうまいなぁと思う。
基本的にこの作品に関しては作り手とわたしの【宗教に対するイメージ】がかなり近いのでシーズン2では普段自分がもやもや抱えている気持ちを言語化してくれたような感じがありました。
ラストでは、今までのストーリーの複雑さとは真逆のシンプルなメッセージがストンと胃の腑に落ちてきました。
ただ、シーズン1の感想でも少し触れましたが宗教に対してふんわりした感情を持っている人が多い日本ではドラマが刺さらない人も多いだろうなとは思っていて、それがシーズン2ではさらに観る人を選ぶ感じにはなったかなとは思います。
わたしは興味があるほうなのでかなり刺さりましたが。
それでも、世界的にも宗教を発端として紛争があったり、宗教に限らずとも同じ思想を持つ者同士の組織としての強さや、日本での今回の選挙にしても社会への影響力は身をもって実感するところではあるので、そういうのを知るきっかけの糸口としても観る価値はある作品だなと個人的には思います。
聞いたことはある、程度のものと映像として観るのはやっぱり違っていてちょっと身近にはなるかな。
このままドラマについて何も言えないまま抽象的な余談をだらだら続けても仕方ないので、さっさとネタバレ感想に移りたいと思います。シーズン2でもあることですし。
ここからあとはがんがんネタバレしていくのでよろしくお願いします。
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まず、シーズン2非常に残念だったのが、シーズン1のメインキャストであった新真理会の初代教祖(議長)チョン・ジンスの役者さんが変わっていたことー!!!
これだけ韓ドラ見ていてもジャンルが偏っている(恋愛系は観ない)ので初見の方でしたが年齢が若返っていたこともあり、シーズン2の人も悪くはなかったと思うんだけど、元祖のイメージが強すぎて最後まで(シーズン1の人がよかったな・・・)と思いながら観てしまった。
わたしは、キャスト交代などの情報は一切知らずなんの予備知識もなく観始めたので、あれ・・・なんかイメージ違うくない? っていうか顔全然違うくない? 違う人じゃない? ってなって冒頭話に集中できなかったんですよ。
後から調べたらのっぴきならない事情があったらしくて・・・。
これじゃまぁ仕方ないよな・・・。
降板理由も、ドラマ内のイメージ通りといえばイメージ通りではあるのですが。
だからこそ役にハマっていたという見方もできることから、重ねて本当に残念だよ。
まさかの主人公交代という重圧で大変だったとは思いますが、キャラクター的にもあまりご本人にハマれてなかった気もしてそこが本当にもったいなかったなと思うんです。
”教祖なんてただの普通の人”という作品のメッセージを体現したといえばしたのかなとは思っているのですが、二代目議長がただのクズなおっさんをうまーく演じていたため、そういうタイプ二人はいらなかったよな…とも思ってしまった。
シーズン2に入ってそういうやっつけ感は確かにあった。
でも、その代わりといっちゃなんですが”お日様組の先生”は頑張ってましたよね!
シーズン2冒頭の矢じりの集会で演説していた人だとわかった時は度肝抜かれました。
家族が宗教だけではなく、陰謀論とかスピリチュアルにハマったような経験がある人は涙なしには見られないエピソードだったと思うし、必死で支えた家族に放ったチョン・ジンスの忌憚のなさすぎる言葉。
「矢じりの活動にはお前では埋められなかった快楽がある」と。
そんな暴言を吐かれたのにも関わらず、お日様組の先生の夫がジンスの口車に乗せられたのもリアルではあった。
しかも向こうからこっちに来て洗脳されたとかではなく、今回に関していえば夫婦ともに本人自ら思想に染まっていった事例だったから。
お日様組の先生は信じたものを貫いて満足だっただろうけど、夫がものすごくかわいそうだった。
あと、今回の個人的なベストキャストは宗教紛争を政治利用しようとする大統領首席秘書官の女性。
揺るぎない自信をもって生き、誰のことも小馬鹿にしている演技が非常に上手だったと思う。
最後の告知の時も恐怖じゃなくてちょっと笑っている感じの表情がいい演技でした。
宗教と政治は切っても切り離せないということと、国民の思想や思想による対立を政治利用して自分の思うような国づくりに進めていきたいという思惑を表現するのもうまかったなと思っていて。
多かれ少なかれどこの国にもあることだと思っていたけどうまく説明できないような事象が可視化された気がして表現の上手さを感じました。
ラストは、自分的にはすごく意外で。
こんだけぐちゃぐちゃにしてどう落とすのかと思ったんですけど、ラスト数分で話をまとめる強引なやり口はさすがでした。
なんだろう、突飛な感じでもあったけど、実はラストが決まっていたような感じでここに向かってきたような気もした。
今までの歴史的なことでは説明できずに抗うことができない超常現象を神と結び付けた人がいたことによりぐちゃぐちゃになった世界。
その思想を心から信じる組織と、そこから派生した過激派組織、そしてそこに意を唱える組織の三つ巴の戦いの終着点として非常にシンプルすぎる「命は有限だから人に惑わされるな」というメッセージ。
悲しい過去がきっかけで真理会のジンスに乗せられて復讐に手を染めてしまった刑事の娘が病気で亡くなったのも韓ドラっぽい希望のなさではありましたが、人間の命がいつ、どこで、どのように終わりを迎えるかは誰にもわからないっていうテーマには沿っていたのかな。
人を助ける信念を貫き続けたたミン・ヘジンも自分の命の予言をされて死を意識し、パク・ジョンジャの言葉で「母になりたい」と自らの道を進んだのも人間らしいというか。
ヒーローものじゃないから信念を貫かなくてもぜんぜんいいなとスッと思った。
わたしは今までの人生で自分の命に対してあまり真剣ではなかったのだけど、ここのところ残りの人生もあとどのぐらいあるかわからないし、あったとしても知れてるからもうちょっと周りの目を気にせず自分本位に生きて、多少周りに迷惑かけたりしてもいいんじゃないか、けっこう周りでも自由にやっている人多いし、迷惑かけられてるだけで人生終わるのは嫌だと思っていたところだったのでその価値観ともちょうどマッチしていて観てよかったなと思いました。
新しい切り口で宗教がらみのドラマが観られて自分にも刺さった部分も多く観てよかったです。
また、新しいドラマ探しの旅にでまーす。
それでは、また。
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