GW映画紹介第4弾は、『小野寺の弟・小野寺の姉』です。
前半3個の静かな映画で、疲れた心もだいぶ癒されてきたので、
今度は静かすぎないけど、うるさくもないこちらの作品をご紹介。
両親を早くに亡くした姉・弟の二人ぐらしの日常を描いた作品。
商店街のメガネ屋さんに勤める、小野寺より子(40)を片桐はいりが、
メーカーの調香士、小野寺進(33)を向井理が演じています。
元々は舞台だったものを映画化したようです。
たぶん両親が残したのであろう古い一軒家で、
独身の姉・弟の二人暮らしという、小野寺家。
二人それぞれの恋の行方も絡めながら、
幸せとはなんなのか、家族愛とはなんなのか、
そういうのを考えさせられる映画です。
日常もので、少しユーモアも交えたお話しで、
ちょいちょいくすっと笑わせてくれるところがあります。
個人的には進が作っている入浴剤の香りのネーミングを、
逃さずしっかり見て欲しいです。
ムロツヨシが、進の幼馴染役(いい奴)を演じていて、
役柄が売れない役者なのでそういった意味でも、
作品自体そんなに静かではありませんが、激しくうるさくもないです(笑)
こちらの作品をチョイスするのはだいたい女性だと思うのですが、
わたしがまずこの作品に引き込まれたのは、
オープニングに出てくる小野寺家の居間とキッチンです。
いい感じの古さと生活感をぎりぎり残した計算し尽くされたインテリア。
ソファにかけられてるおしゃれなニットや、お洒落な照明。
(素敵ー、こんな家に住みたいー)から始まりました(笑)
小さな庭が見える食卓で向い合い低いテンションで、
手間がかかったおしゃれ過ぎない家庭料理を食べる二人。
めちゃくちゃ美味しそう。
そして、姉のより子の着てる服がちょっとレトロですごく可愛い。
背も高く細身ですらっとしてるのですごく似合っている。
弟も、一応そういった服を着用していて役柄上、
もさっとした感じを出してはいるのですが、
元がスタイルよくて顔が小さすぎるためか、
レトロ感がうまく出ていませんでした(笑)
ただし、そういう雰囲気づくりにもすごくこだわっている作品なんだということを、
強く押したいと思います。
ちょいちょい出てくる子どもの時や現在の、
姉弟愛エピソードがけっこうじんわり来ます。
より子の温かい一途な愛情や、弟が不器用ながらもそれに応えようとする姿で、
いつの間にかこの姉弟を心から応援したい気持ちにさせてくれます。
世間的にはちょっと変わった家族構成かもしれないけれど、
別にそんなことどうでもいいじゃんって観ていると必ず思います。
知りもしないのにごちゃごちゃ言うな!黙っとけ!ってなったうえ、
お話しの最後は、この2人にじんわり泣かされることと思います。
※ここからは少しだけネタバレです。
最後のところのシーンで、片桐はいりさんが涙声で、
つとめて普通の声を出して「おかえりーっ!」というところで、
わたしの泣きのスイッチが入りました。
そこからラストシーンまでもとってもいい演技で、
女優魂を見せつけてくれました。
小野寺の姉役は片桐はいりさん以外考えられません。
他のどの人がやっても違う感じになっちゃうと思います。
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