Netflixで今少し話題になっている実話を基にしたセレブ相手に詐欺を働きまくった若い女性のドラマ『令嬢アンナの真実』。
女詐欺師の話はすごく好きなので、観始めたのですが実在の人物に配慮しているからなのか軽快さに欠ける感じで飽きてきちゃったのでぐずぐず言っていたところ、下記の『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』というドキュメンタリーを紹介してもらったので観てみました。
日本の皆さんは『ラブ・イズ・ブラインド ジャパン』観てるんですよね。
すごい昔に書いた記事が伸びてるので。
※これは、アメリカ版
最近、Netflixはオリジナルドラマや映画がイマイチなものが多いので、ドキュメンタリーの方が面白かったりする。
この『FYRE:夢に終わった史上最低のパーティー』も日本では考えられない雑さで面白かった。
人生【命までは取られない】という刹那的な生き方もありなのかなと思いました。
ところで本題の『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』なのですが、イマイチな邦題サブタイトルはともかくわたし、【Tinder】って何か知らなかったの!!(笑)
世界級のマッチングアプリなのですね。
マッチングアプリが広まった頃にはもうマッチングアプリが必要ない人生のフェーズに突入していたので知らなかったけど、一般教養として知っとくべきだったのかな?
AmazonのTinder関連の書籍は、リンクを貼ると秒でブログのアカウントがG●ogleさんに凍結されそうないかがわしいものばかりでリンクを貼れないのですが、そういう目的で使っている人もいるのでしょうが、健全な出会いの場として使っている人も多いのでしょう。
昔は合コンで知り合って結婚という流れが多かった時代もあったかと思うのですが、パンデミックの時代でもありますし、気軽に趣味嗜好の合う人と出会えるといった点では効率的な出会い方なのかなと思います。
しかし、出会いがネットで気軽にできる時代の産物として恋愛関係をちらつかせ、お金をだまし取る詐欺も横行する時代に。
昔からそういう詐欺はあったけど【結婚詐欺】が多かった気もするし、結婚する前段階からの【ロマンス詐欺】は最近の言葉なのですかね。
ちょうど少し前にネット記事で女性誌に漫画を描き続けている高齢の漫画家がTwitterでマーク・ラファロを語る人に数千万円騙し取られたという話を聞き衝撃だったのです。
わたしはマーベルが好きなので、二代目ハルクであるマーク・ラファロはすごく好きなのですがその漫画家さん、マーク・ラファロのファンだったんですね。
ライトなファンのわたしですらラファロは慈善活動などにも積極的な徳の高い感じだし、しかも愛妻家ということは知っているし、超セレブなのに日本人の一般人から数千万なんていう小金をせびるなんていうことはありえないということはわかるはずで、何がそこまでさせるのか、ということは甚だ疑問でした。
ちなみにせっかくなので、ラファロの作品のおすすめはこちらです。
実話をもとにした、アメリカではタブーである教会の闇を暴こうとする新聞社の物語『スポットライト 世紀のスクープ』です。
ラファロはこの作品でアカデミー賞の助演男優賞を受賞しています。
話が大幅に逸れましたが戻しましょう。
フィッシング詐欺などの単純なものから、オレオレ詐欺などの特殊詐欺も詐欺にひっかかると思って引っかかる人はいない。
神様は居ないと思って宗教を信じている人もいない。
たぶん・・・。
疑っている人はいるかもしれないけれど、心の底ではなんか信じている気がする。
そういった意味でも詐欺に引っかかった人しか騙されたときの心境や状況は分からないと思うのですが、今回の詐欺師に関しては本当にお金が目的なのか、という闇を感じました。
被害者たちに関しても、本当に性格悪くてごめんって感じなんだけど女としての育ちの違いというかそういうのを感じたし、
(まー、でも普通の人生歩んでれば、こんなシンデレラみたいなお姫様体験は一生に一度もできない人が大半だし、そのお姫様体験を長いスパンで自分で買ったと思えばトントンなのではないか・・・)
と思ってしまったのっっっ!!!
ちょっと羨ましいとすら思ってしまってごめん。
詐欺は悪いことだよね、ごめん。
でも観てくれれば多分わかってくれる。
この気持ちわかってもらえる!!
以下は、ちょっとネタバレありで感想となります。
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今回の詐欺師、イスラエル出身のサイモン・レビエフ(偽名)は整形しながらヨーロッパをまたにかけていろいろな女性をだましつつお金をロンダリングしながら詐欺を働いていました。
simon leviev
と検索すると、山ほど画像が出てきますので詐欺師がどんな顔なのか興味のある方は検索してみてください。
逃亡者なので整形してますが。
インスタもオフィシャルがいっぱいあって、どれがオフィシャルなのかわかんなかったのでリンク貼れません。
確かにイスラエル系にはイケメンも多いけど、海外ドラマや洋画を日本人の中では”中の上”ぐらいは観ていると自負するわたしから言わせるとそこまでイケメンでもない。
ダイヤモンドの会社の息子(自称)という御曹司フィルターで見てしまったと言われても否定できない感じ。
そして明らかに彼は英語の語彙力が少なく、英語も下手でおおよそ社交界に出ているとは思えないちょっと幼稚な喋りの感じ。
なぜ、怪しいと思わないのか。
という疑問がずっとつきまとっていたのですが『令嬢アンナ』も最後まで観ていないのですが、最終的な目的は【有名になること】らしく、いろいろな詐欺師がいると思うけど、おそらく彼の詐欺の目的は【資産家の御曹司としてふるまうこと】なのではないかと観ているうちに思ってきた。
イスラエル生まれの貧しい生活をしていた(貧しいというのは想像です)ラビの息子ではなく、子どものころから想像していた違う自分に強烈な憧れがあったのではと思いました。ちょっと病的なんですよね。
彼はヨーロッパ中にターゲットを持ち、騙したお金を次のターゲットに使いながらぐるぐるお金をロンダリングさせていたのですがターゲットをだます手法はほぼ同じで、辻褄を合わせるためなのかめんどくさいからなのか、ターゲットに送る動画や画像は使いまわしている。
そして、サイモンが騙した女性全員みんな金髪ロングヘアーの美女。
すごく中二感を感じるんですよね。
わたしは女なのでちょっとわからないのですが、同じこと繰り返しながら似た感じの女性騙すのいくらお金のためとはいえ、めんどくさくないですか?
偽造IDの問題とかいろいろあるかもしれないけど、わたしならその中から一番めぼしいターゲットを見つけて相手を本気にさせたところで真実を告白するか、全部失って文無しになったことを装って、うまい具合に収まるところに収まりたい。
お金が目的なら別にそんなたくさんの人を相手にしなくても方法ならいろいろあると思う。ノウハウはあるわけだし。
王子っぽく振る舞う完全無欠のセレブ御曹司に生まれていた自分の人生を捨てられなかったんだと思いました。
わたしは家庭環境が荒れていたので幼少のみぎりには、本当はこのうちの子じゃなくていつか本当の(お金持ち)の家が迎えにに来てくれる・・・みたいなこと思っていたけど、それをこじらせた感じ。
というわけで、本人に全く罪悪感がなく「我はダイヤモンド王子なり!」という真実味が(多少は)あったんだと思う。
騙された側は、ダイヤモンドプリンセスになれるっていうこともあったかもしれないけど、騙された人の中には恋愛関係に発展していない人もいたから、向上心の強いそういうセレブ業界へのコネ的なものを欲しがる人もターゲットにしていたのかもしれないし、その方が自分もセレブにふるまえて真実味が増したし、そもそも嘘ついてないんだよね、たぶん本人的に乗っちゃってるときは。
だまし取っていたお金も、王子生活に必要な資金であり、お金を増やそうとか資産を持つっていう気もなかったみたいだし。
常にぐるぐるお金を回していることにそんなに意味を感じなかったっていうか。
騙された女性が三人出てきてまして、最後に出てきた女性が恋人だと思っていた彼が詐欺師だと知った時の状況を話すシーンがあるのですが、
「彼が詐欺師と知ったことと、浮気の件で両方でパニックでした」
というようなことを語るシーンがあって、このドキュメンタリー一番驚愕したシーンでした。
Cheatingって聞こえた瞬間に(え!?)ってなったし、わたしもパニックだった。
海外ドラマや洋画でよく出てくる浮気の時に使われる単語なんですが、Cheatingって。
彼女はターゲットが自分と同時進行していることを知って、時期がかぶっていることに対してそう表現したしCheatingには不正行為っていう意味もあるけど、字幕も浮気だったし、わたしも浮気って言ってると思った。
ってか、浮気じゃなくない!?
っていう。
この状態を知っても本命は自分と思える強心臓を、愛と呼ぶべきなんだろうか。
むしろはたから見れば恋愛関係ですらないわけで。
愛されてなかったショックなのかと思ってたら違うんだよねー。
愛はそれはもう確固たるものなんだわ。
そこにロマンス詐欺の本質が、騙す方にも騙される方にもあるんだと思ったよ。
恋も愛も厄介すぎる。
サイモンは結果的に、だました女性の怒りによりインターポールに捕まることにはなりましたが、勝手に子息と名乗っていたダイヤの会社(Home | LLD)があったり、世界中に被害者がいるのにたいした罪にもならず、さくっと釈放されてまた金髪美女の恋人を手にして自由を謳歌しているのをみたり、被害者がメディアに出て荒稼ぎしているのをみると、わたし自身色々と難しく人生考えすぎなのかなと思いました。
そういった意味でも見た甲斐があったと思います。
ー終ー
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