韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター』(나의_아저씨)を完走しました。
他の途中になっている作品を全部ほったらかして、集中して観てしまいました。
きっかけは『ボクらの時代』のゲストが、小泉今日子(以下、キョンキョン)、飯島直子、YOU(敬称略)の三名の回を見ていて、その流れから『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』で、飯島直子とキョンキョンが二人で韓国ロケする回を観たことです。
ちなみに、上記の二番組での三名のゲストとも、飾らない人柄と素敵な年の取り方で、色々と同じようには全くできないとしても人生の先輩として憧れを抱くとともに、キョンキョンが『ボクらの時代』で
「私たちの時代は、恋愛して結婚してっていうのが普通だったしそういう風に刷り込まれていたけれど、今はそういう生き方じゃないのも選べる時代で、今の時代だったらどういう人生を選んでいたんだろうとか考えることがある」(要約)
と語るシーンがとても印象的でキョンキョンみたいな大スターでもそんなことを考えることがあるんだなぁと思いました。
わたしはクドカン脚本のドラマをよく観ていた影響でキョンキョンをドラマでよく観るようになり(マンハッタン・ラブ・ストーリー、あまちゃん、いだてん、他)、番宣などでもたびたびバラエティーに出てその落ち着いた話しぶりや、読んでる本の紹介なんかでも一生懸命考えてくれて紹介してくれる感じで、キョンキョンどストライク世代ではないにしろ存在はもちろん知ってはいたけど大スターであり好きとか嫌いとかあまり考えたことがなく、この年になってそのすごさとか自然な人柄でだんだん彼女自身を好きになってきており、そんな中で韓ドラが好きな話も何度か見かけていたのですが、「今夜一杯いっちゃう?」の中ででも韓ドラの話をしていました。
韓ドラ勢にはおなじみの道端のテントのポチャ(屋台)で若い韓国の俳優さんに一番好きなドラマとして挙げていたドラマが『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』でした。
そして、わたしが一番好きなヒューマンストーリー韓ドラ『私たちのブルース』も次ぐらいに挙げていたため(二年前に観たのにまだ超える作品に出会えてない)、
(テレビでキョンキョンが『私たちのブルース』宣伝してくれたら観る人が増えて嬉しい!!!わたしもキョンキョンの紹介してくれた一番好きな作品を観よう!!ブルースが好きなら絶対いい作品なはず!!)
と、今思うと謎ハイテンションを引きずった支離滅裂な理由で『マイ・ディア・ミスター』を観始めたのですが、結果からいうと観て損はなかったし、もっと早く観るべきではあった。
※ちなみに『私たちのブルース』の感想はこちら
第一話を観た段階では正直、原作タイトルでもある〈私のおじさん〉という感じはゼロであり、ものすごく鬱展開だったので、心が折れて え?これいける? 大丈夫? と思ってました。
フォロワーさんが「7話ぐらいまで頑張れ」と応援してくれて、7話までね・・・よし!とは思わなかった(笑)
だって全16話で1話だいたい1時間15分~最終話なんか1時間30分の長さだったんですね、だいたい全話の半分ぐらい頑張んなきゃいけないってことじゃん・・・って思いました。ここから7時間近く鬱展開を我慢? とは思ったんです。
でも、そこはキョンキョンの件があったのと、フォロワーさんたちの中でもこの作品を好きな人が多かったので、キョンキョンとフォロワーさんを信じました。
これは、こちらのブログでも何度も言っていると思いますが、”いい人でも悪い人でもないそのへんに普通に生きている人たち”を描くのが上手い韓国のヒューマンドラマの中でも上位のキャラ設定の上手さと配役。そして演技の上手さ。
大手ゼネコンが”おじさんの職場”で、彼はすでにある程度の立場の役職。
役員周りのサラリーマン。
本当にこの人たちは役者さんか?とずっと思っていた。
仕草とか動きがリアルすぎて。
特にわたしの中で印象深いのは会長は秀逸だったんですけど。
画面に映るたびに、どこかからどこかの大企業の会長連れてきたんですか?とずっと思っていた。
昭和のたたき上げの役員には厳しく、社員には優しい古き良き社長あがりの会長。
日本にも何千人も存在してそうな会長ぶりが見た目も含めてドラマに思えなかったです。
日本のドラマの会長はなんかステレオタイプの人が多くリアル感が薄いなか、このドラマの会長は、日本にも社長も併せれば現在も1万人ぐらいは余裕でいそうだった。
重要な役ではあったけどそこまで出演時間が長くもない会長一人とっても作りこみがすごくて、制作陣の作品にかける思いみたいなものが伝わってきました。
演出がうまいのかな。
メインストーリーである、おじさんと不幸な身の上の若い女の子の心の交流ももちろん素晴らしくはありましたが、わたしは脇を固める人たちも本当に全員それぞれ良かったなと思っています。
とても静かに心の琴線に触れる作品なので、気持ち的には作品の内容についてはあまり触れずにいたいんですよ。
最終話はとてもぐっと来ましたし、最後のまとめ方は韓ドラのヒューマンドラマっぽくてとても好きでした。
ドラマのテーマやメッセージであり何度もセリフでも出てきた「아무것도 아니다」(アムゴット アニダ 意:なんでもない)も、人生が川のように流れていく感じの象徴みたいでした。
これから観る人はどんな時にこのセリフが出てくるかぜひ注目してください。
わたしが、キョンキョンと韓ドラについて話し合う機会が訪れればたぶん好みが似ていて話が合うことは確実だと思うし、今回のことも感想も含めて伝えたくはあるのですが(おそらく今までの話からするとガッツリの恋愛ものはそんなに観ていない)、残念ながらそんな機会は今世では訪れないため、感想をネットの海に放流しなんかしらで目に留まることがあることを願うしかないです。
でも、不思議だよねぇ。
境遇とか環境が全く違ってても、好きなドラマの好みが似るっていうのは。
長年一緒に同じ会社で働いている同僚とは全く韓ドラの好み合わないのに。
だからこそ、このブログも10年(!)世界のどこかの誰かに読まれているのかもしれないけれど。
それにしても、わたしがごちゃごちゃ感想を書くよりもやっぱり『キョンキョンが一番好きな韓ドラ』っていうの引きが強すぎすよね。
ぜひ、キョンキョンを信じてこちらの『マイ・ディア・ミスター』観てくださいね!!
そして、キョンキョンに言い忘れたことがある。
もし未見なら『未知のソウル』を観てほしい!!
絶対に気に入ると思う!!
ここからはネタバレ感想します。
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ここからはネタバレ感想します。
本当に、なかなかしっとりしたいいドラマでした。
ロケ地『ナビレラ』の近くかなぁと思ってました。
あの踏切になんとなく見覚えがある。
あそこの踏切と同じだと思うんですよね。
※こちらはおじいちゃんと若い青年の心の交流を描いたドラマ。ソン・ガンが美しすぎた。
『マイ・ディア・ミスター』は人生の一山を超えて人生のまとめに向かっていく大人たちと、不幸な身の上でありながらも未来がある若者の対比がよかったと思っています。
若さと成熟さの、地続きではあるんだけどどう頑張っても人生のフェーズが混ざり合って溶けない感じがすごくうまく描かれていたと思う。
もちろん一緒に生きることはできるけど、年齢と一言で言ってしまうには絶対的に違う何か。
誰が見てもあきからに不幸な境遇で生き方をしてきたジアン。
そして、家族や友人に愛され、職にも恵まれて他人からは人生になんの汚点がないように見えながらもなぜか心の内を他人に話せず、孤独な中年となってしまったドンフン。
ジアンにはこれから長い長い人生の道のりがあるけれど未来を信じられず、ドンフンはミッドライフクライシス真っ只中で、お互い未来に絶望している二人が心を寄り添わせながらお互いそれぞれの道を切り開いていく展開が、ジアンもこの先ドンフンの年齢になり、ドンフンにもジアンの年齢の時があったっていうふうな感じに見えてたんですよね、わたしには。
ジアンはごはんがわりにスティックコーヒー(たぶん甘い)をがぶ飲みしていて、ドンフンは缶コーヒーを飲んでいてシンプルにスポンサー商品だとは思うんだけど、そういう絶対的な違いの象徴のようにも思ってたし、ラストシーンでは、かつて会社の備品を盗んでスティックコーヒーをごはんがわりにしていたジアンが、きれいな服を身にまとって会社の同僚とソウルのおしゃれなカフェで高いコーヒーをテイクアウトしていたのにもすごく繋がった感じがした。
ただ、ドラマ後半ジアンがドンフンに勘違いだったとしても恋心を抱いてしまったのが個人的には非常に残念でした(男女の絆を描く物語に恋愛展開絶許派)が、それに対してもあくまで大人としての態度を貫いて一線を引き、若者を同じ土俵に入れなかったという大人としての正しさが描かれていて結果的にはあれでよかったんだなと思ったし、ジアンも今後の人生での通過点としての描き方で美しかったです。
ドンフン側にも人生の渦からもがいても出られなくなっている中で自分を見つめ返す起爆剤だったのかなぁ。
まぁ、ずっとあれ聞いてたら好きにはなっちゃうかな・・・とも思ったし。
ずっと孤独に過ごしてきたジアンだったし、一緒に生きている感じになっちゃうもんね。
喋れないおばあちゃんと静かな家庭だったかと思うと、あの日々の騒がしさが心地よくなったりとかさ。
わたし、全話の中で一番好きなシーンが、ドンフンがジアンを家に送っていく途中でジョンヒの店の前を通りかかって、みんなでぞろぞろジアンを家に送っていくシーンなんです。
一人で戦ってきたジアンが人生でたくさんの大人に優しくされた初めての出来事だったんだろうなと思ったらすごいグッときてしまった。
それまでは、あそこまで不幸な状況なのに、福祉に繋がれないぐらい大人が助けてくれなかったわけでしょ。
大人側もみんなそれなりに人生を送ってきてるから人に余計なことは聞かないし、若い人に対する気の使い方がめちゃくちゃ共感できたし、本当に素敵なシーンだったと思う。
ジアンがお礼をなかなか言えなくても、そのまま帰ろうとしてたのもすごいよくて大人って素敵だなと思っていた。
なかなか自分が大人になったことを受け入れる機会もないけど、あのシーンの大人たちに共感できたことによって(大人になった自分、そんなに悪くないかもな)って自分のことも思えたんですよね。
ジアンと一緒に観ているこちらも救われたというか。
そして、最終話まで観ていてやっと気づいたんですけど、三兄弟の中では一番上の兄貴が一番好きだった。
最終話の兄貴がかっこよかったからではないです。
思い返せばずっと好きでした(笑)
あまり感情を表に出さないうえ頑固で融通が利かない優等生タイプの次男、繊細で愛情深く真ん中の兄貴が大好きなブラコン気味の三男、そして、長男ぽさはあまりなくおちゃらけてるけれど空気は読み、大事な時はあまり余計な口出しはせずムードメーカーになって三兄弟の調整役をしているのが兄貴でした。
娘のご祝儀は盗もうとしてたくせに、ジアンのおばあちゃんのお葬式にへそくりをパーッと出したところとかもね。
弟への信頼感ももちろんあるとは思うけど、目の前の人を助けたいという思いだよね。
自分のお母さんのお葬式は花でいっぱいにしたいというフリを、ジアンのおばあちゃんのお葬式で回収していくスタイルはすごい脚本だなと思った。
でも、妻だったらあの所業は一言なんかしら言いはするかな(笑)
あとは、ジョンヒさんの幸せをこの先ずっと死ぬまで願っています。
そして、最後に。
ドンフンを演じたイ・ソンギュンさんの訃報は観る前から知っていました。
あのバリトン・ボイスをこの先の作品で聞くことができないのは非常に残念ですが、ドンフンを演じてくれて本当にありがとうございました。
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