『ホームランド』シーズン1第9話 【クロスファイア】 感想です。
まだスマホが普及する前は本の虫だったので、宮部みゆきを読み漁っていた時期があったのですが、当時はSFには一切興味がなかったのでスルーしていた『クロスファイア』。
あらすじを読んだところ、特殊能力を持った女性が主人公の『ヒーローもの』とのことで、かなり気になります。
しかし、宮部みゆきは読むのに体力がいる(基本的に長い)ので、若干躊躇。
わたしのブログがくどいのは、おそらく宮部みゆきの影響です(笑)
実写化もされてるみたいだけど、宮部みゆきの実写化にはいつもひどい目に遭っているから観ないよ。
日本語では『十字砲火』です。
文字通り、クロスのファイアなんですけども。
意味は二種類ありまして、まず一個目。
図を載せた方が早いんですが、せっかくなので、海外ドラマ好き向け(風)に文字でご説明しますね。
自分は6時の位置の陣営です。
12時の位置に敵の陣営があります。
2名の敵(の部隊)が、10時の方向と2時の方向にいます。
そして、10時の方向の敵は4時の方向に、2時の方向の敵は8時の方向に火炎放射器(銃など)で同時に火を放つ攻撃方法で、攻めというより守りに効果的な戦法(らしい)です。
これをやられると攻め入るのがかなり難しくなるとのこと。
もう一つの意味は『集中攻撃』。
今回のタイトルが現す『クロスファイア』が、果たして集中攻撃だったのか、最初に説明させてもらった方の意味だったのか。
だったとすると、
クロスしていた可能性があるのは、素直に考えてFBIのことなのか、あとはウォーカーとブロディ。
ブロディーとナジール・・そして、可能性は少ないけどソールとキャリー?
守りに効果的な戦法ということから考えるとナジールとブロディが10時の方向と2時の方向に居たのかなーと個人的には思います。
でも、ブロディが「終わりだ」って言ってたの気になるよね。
ちなみに宮部みゆき作品では個人的には『火車』が一番好きです。
※ご存じなかったかもしれませんが、意外にも書評も書いてる(笑)
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~あらすじ(ネタバレあり)~
Season1 Episode 9 "Crossfire"
フラッシュバック。
3年前
ブロディは5年の監禁をとかれある部屋に連れて行かれる。
そこにアブ・ナジールが登場し「今日からここが君の家だ」と告げる。
温かいお風呂に浸かり、身支度を整えたブロディにナジールは、アイサという少年を紹介し「この子は自分の息子だが、英語を教育してくれと」ブロディに頼む。
最初は、ブロディを警戒していたアイサだったが、次第にブロディになつき、ブロディもアイサに愛情を抱くようになっていく。
英語で交流も出来るようになったある日、アイサの学校がアメリカ軍の襲撃に遭う。
現在
ワシントン
トム・ウォーカーを追跡中のFBIがモスクで礼拝中の市民二人を犠牲にしたことで、イスラム教徒の団体や市民から批判がおきていた。
FBIに謝罪をさせたいキャリーだったが、FBIは頑として非を認めず、女子のデイビッドもFBIにウォーカーの追跡を任せたいという。
直接モスクの尊師に接触を試みるキャリーだったが、尊師は口を割らない。
トム・ウォーカーは森に潜み狙撃の練習をしていたところ、狩りをしていた一般人男性と遭遇する。
世間話をしたあと、身元が割れたと思ったトム・ウォーカーは男性を狙撃し車を奪う。
一方、ジェシカに買い物を頼まれていたブロディは、スーパーの駐車場で暴行され、拉致される。
目を覚ましたブロディは手当を受け、ナジールからのメッセージを受け取り、アイサの学校が攻撃されたときのアメリカ副大統領の会見を見る。
第8話の感想はこちら
すごいどうでもいいことを少し話しますね。
ちょっと前から気になってるんですけど、アイサって訳されてる名前の可愛い少年いるじゃないですか。
ブロディがうわごとを言っていたとき、少年だとは思っていなかったため、男女の別だけでもわからないかと思って【アラブ人名辞典】をしらみつぶしに見てたんですね。
けっして、暇なわけじゃないです、それなりに忙しくしてます(笑)
少年の名前、たぶんISSA(イーサー)なんですよ。
アメリカだとイエズス(キリストおよび預言者のこと)的な意味で、人名によく使われる名前らしく、エピソードwikiにもIssaって書かれてるんです。
そして、アラブ人名辞典に『アイサ』はないんですよね。
まぁ、漏れてることもあると思うんで、一概には言えないですが、イーサーに出来ない理由でも? と思って気になってしょうがない。
アラビア人名は両親の名前が付けくわえられてフルネームになるのが普通らしいのですが、アブ・ナジールは名前じゃないっぽくて、アラビア語でAbuは父、Nazirは大臣や校長とかそういう意味です。アラビア語(ناظر)でも調べたから間違いないと思います。
いわば、肩書。
なので、アブ・ナジールが引き継がれてはいなくて、名前なんだろうけど、
アラジンは、Ala al-Din みたいなので、本当は、Ala Issa アライーサーを縮めてアイサか?
本当にどうでもいいこと調べ続けたうえ、長々書いてしまった(笑)
しかも、結論出てないし・・。うー、気になる。誰か教えてっ!!
というわけで、今回のエピソードの超重要人物となったアイサくん・・。
あんな状況のブロディにとっては、地上に降りた天使だったでしょう。
赤子の実の息子とも離れ離れになってしまったままだったわけだし、娘のことは可愛がっていたわけで、元々のブロディは子煩悩なパパじゃないですか。
家庭教師にさせられたあとの恐怖とか、アブ・ナジールの目論見とか、監禁生活に比べたらどうでもいいですよ、些末な話ですわ。
アイサが実はアブ・ナジールの子どもではなくて、そのへんから連れてこられた孤児の子どもだったとしても、自分の力で日々成長をしていく目の前の子どもに愛情を抱かないわけがない。
大事な存在を奪われたあげく、嘘で塗り固められた会見をしたのを見たらなー・・。
あれが作戦だとしたら、ものすごく緻密な作戦だなとは思うけど。
そして、トム・ウォーカーはどういう理由で寝返ったのか気になります。
ウォーカーもブロディも家族が人質なんだろうなとは思うけども。
昨日、ちょうど哲学でよく出てくるトロッコの話が別のドラマに出てきていて、制御不能になったトロッコの運転手で、このまま突っ込めば5人をひき殺す、レバーをひいて進路を変えれば犠牲は一人ですむが、どうするか・・というやつで。
わたしは(そんなことは、わたしには決められないし、あくまで機械の故障ならこのままつっこむしかない)とは思ってました。
あくまで、責任の所在を自分に持ち込まないというずるい逃げ。
ただ、そのうちの誰かが家族や友人だったらどうするか・・という哲学家が一生かけて考える正解のない問いです。
多分、人によって出す正解は違うのだと思いますが、ブロディとウォーカーは、見知らぬアメリカ人を犠牲にしても、守りたいものがあるっていうことなんだろう。
もう自分の命を差し出してもどうにもならないところまで来ているとわたしは思う。
自分の命ですむなら、とっくに差し出してるよね。
ブロディにしろ、ウォーカーにしろ生きてるより辛いじゃん。
ただ、たくさんのアメリカ人を守るために、無関係な市民の多少の犠牲はやむを得ないという組織が考えがちなこと・・おそらく今回のコロナ禍の対策で、日本でも行われていたと思うんです。
大多数の感染を防ぐには、ライフラインを守る人たちの感染は仕方ないとか、そういうたぐいのことに似た感じだと思うんです。
やっぱり、それにも正解はなくて、それぞれがそれぞれに、命は大切で、他人にとやかく重さとかは決められないものだから。
事実として、今回、トム・ウォーカーがモスクを通って逃げて、無関係の人が犠牲になったことは、キャリーたちに責任の一端がないわけではないと私は思うので、そのことは重く受け止めてほしいと思う。
ただ、ドラマに関して言えばもうわたしには、誰が何を考えているのかなにもわからないです(笑)
というわけで、それでは、また。
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