ブレイキング・バッド シーズン4 第8話の感想です。
今回は、ブレイキング・バッド内でも大好きなキャラクターである、フライドチキンチェーン店『LOS POLLOS HERMANOS』のオーナーである”ガス”こと、グスタボ・フリングメインのエピソード。
8話ということもあり、シーズン4の山場の回なのかなと思いました。
原題【Hermanos】の通り、ガス自身の【Hermanos】のことが描かれたわけですが、ここに来るまでに、『LOS POLLOS HERMANOS』の意味をきちんと調べておいて本当によかったーと、自分の調べ癖に心から感謝しました(笑)
【Hermanos】の意味を知っているのと知らないのとでは、今回のエピソードの胸に迫る切なさが段違いに違うと思うのと、【Hermanos】という店名を付けるからには、そういう存在がいると兼ねてから思っていたからです。
以前にもこの店名について言及したことがありましたが、ここで、もう一度スペイン語のおさらいを、わたしと一緒にしていきましょう。
Hermanosは兄弟、Polloは鶏、Losは英語でいえばTHEと同じような意味合いで、男性冠詞の複数形に使うので、LOS POLLOS HERMANOS は直訳すると『鶏兄弟』という意味です。
ちなみに余談ですが、英語と一緒で複数形には【S】を付けるので兄弟ではなく、単純に兄、弟を現す場合は、hermano、姉、妹を現す場合は、hermana、年上にはmayor、年下はmonorとつけるそうなので、兄はhermano mayor、妹はhermano monorとなるそうです。
従って、仮に店名が『鶏姉妹』の場合は、冠詞が複数形の女性冠詞になり、LAS POLLOS HERMANANAS となります。
そして、Polloの発音なのですが、わたしは当ブログでは【ポヨ】と表現していますが、スペイン語を使う南米各国で発音が微妙に違うようです。
字幕の通り【ポジョ】のところもあれば、【ポショ】と言うところもあり、どれが正しいかは正直言い切れないとのことですが、メキシコは【ポヨ】が主流らしく、今回のエピソードでも、メキシコ側の人はポヨポヨ言っていたかと思います。
スペイン語の本拠地、スペインではポジョスなのかもしれません。
というわけで、ガスが店名にもした【Hermanos】の意味を踏まえて、感想にいきたいと思います。
シーズン4 第7話の感想はこちら ↓ ↓
第8話は、ハンクが執拗にガスを捜査し、案の定ウォルターが巻き込まれることになるのに加え、ガスの過去が明かされるエピソードが盛り込まれました。
※以下、ネタバレありの感想です。
うわー、来たーっ。やっと来たーっ。
ポヨスのオーナー、ガスがメインのエピソード。
ずっと、この時を待ってたよー。
ガスは登場時からずっと好きだったので、メインエピソード、嬉しかったのです。
ハッピーな話があるとはさすがに思っていませんでしたが、エピソード後半の思いもよらない衝撃的な切ない事実に、他にどんな話があったのか全部吹っ飛んだので、一つ一つ思い出していきたいと思います。
まずは、セラピーで知り合った彼女の弟を巻き込んでしまった贖罪で彼女とその息子にソウルを介して援助をするジェシーが描かれたのと、スカイラーが布団圧縮袋の洋服版に札束を詰めて圧縮しクローゼットにぶら下げるも案の定、クローゼットの棒が折れるという自体があったことを今思い出しました。
全然関係ないですけど、クローゼットの棒って金属でしっかり壁にネジでくっついてるタイプのものじゃないと、意外とすぐ折れたり壊れたりするんですよ。
これって家事あるあるだと思うんですけど、突っ張り棒とかも意外と耐荷重全然ないじゃないですか。さすがにスカイラーみたいに真ん中でボキッというのはないにしても、突っ張り棒の突っ張りの弱さにイラついたことって誰しも一度はあると思うんです。
わたしは、そういう大ざっぱな家事をするタイプなので、あれを観ながら、
「あーっっ、そんなにかけたら、クローゼットの棒、絶対壊れるーーーっっ!」
って思わず声に出した瞬間に壊れました(笑)
でも、圧縮袋は意外といい隠し場所かもしれないと思って関心はしましたが、洗車場に隠すにしても家に隠すにしても限界があるので、やっぱりここはソウルに頼むしかないんじゃないか? というのがわたしの結論です。スカイラーは意地があるから嫌かもしれないけどわたしなら、多少ボラれたとしても目の前にあると不安になるからソウルに任せちゃう(笑)
あとは、やはりハンクはウォルターをガスの捜査に巻き込んできましたね。
DEAとFBIに呼び出され、事情聴取を受けたガスでしたが、抜け目なく切り抜け、話に一貫性もあることからその場はセーフ。
まさか、ボロは出さないと思っていましたがさすがの対応。
ガスのことをどうしても諦めきれないハンクは、ウォルターに捜査情報をまた漏らしたうえで、うまく歩けないことを理由にガスの車にGPSをつけてきてくれとウォルターにごり押し。
ウォルターは最初は断っていたもののその場で無下に断るのも変だし、ガスに確認に行ったのはナイス判断だと思いました。
でも、DEAが一般人を巻き込み捜査をすること自体違法だと思うのに、「ハンクの言うことが本当なら、命の危険があるかもしれない。狙われるのは嫌だ」と言って断ることもウォルターは出来たと今なら思うけど、その時は動揺してるしそこまで頭が回らないよね、普通は。
ハンクの動きに焦って、自分とジェシーの身にも危険が及びそうになってきたので、ジェシーにハッパを掛けに行くウォルターでしたが、そのときのピンポン攻撃を見て、ウォルターもスカイラーも似たもの夫婦だなと思いました(笑)
そして、今回のメインの話である『ガスの過去』。
メキシコで仕事を始めていたガスが、メキシコを牛耳っていた当時のボス(?)に呼び出される話。
チーンのおじさんヘクターは、まだまだ若いイキっているメキシコ組織の手下の存在。
ガスは、今のウォルターと同じように、自分で育てた化学者をパートナーにして、ロス・ポヨス・エルマノスを隠れ蓑としたクリスタルのビジネスを始めようとしていたところでした。そこを元々メキシコでビジネスをしていたヘクターがいた組織に目を付けられ、呼び出された。
ガスは呼び出されたことにかなり緊張はしていたけど、パートナーの作る品物にも絶対の自信を持っていたし、自分の描くビジョンとビジネス手腕にかなりの自信を持っていたと思われます。
完璧なビジネスプランとビジョンがあれば、お金に対する欲望で人は自分の意のままに動くという確信があった。
そこが、彼の若さでした、、、。
メキシコのボス側としては【ポッと出の若造に、自分の今までの仕事をバカにされた】という気持ちが近かったような気がします。
ガスは自分に驕りすぎて、あの2人が今まで大切に築き上げてきた関係、大事な【Hermanos】の片割れを目の前で一瞬にして無残に失うという経験をしてしまった。
あそこから、どうアメリカに進出し今の地位を築いたのかは今のところわからないですが、彼から表情と心を奪い、復讐の鬼、ビジネスの鬼にするには充分な体験だったでしょう。
ウォルターがパートナーだとことあるごとにに訴え、守ろうとするジェシーを、邪魔に思いながらも、未だにどうにもしないのも、あの経験が思い出されるからなのではないかと思ったのです。
ウォルターに義理を感じていないとはいえ、自分の傷を掘り起こしてしまう。
そして、ヘクターのところに執拗に行くのも、ヘクターが今あの状態で生きる屍状態なのも、もしかしたらガスの復讐だったのかもと思ってきました。
わたしがガスなら、絶対に絶対に許しません。
今の仕事をしている以上、彼の未来に幸せで平穏な日々は訪れないと思うけど、もし、かなえたい信念があるなら達成できることを願ってやみません。
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