このGWは静かな映画を中心に観ようと思っていて、
昨日は、グッド・ウィル・ハンティングをレビューしたのですが、
今日はグッド・ウィルハンティングより、更に静かなこちらの作品、
『トイレット』をレビューしていきたいと思います。
荻上直子監督作品は、ほとんど網羅しています。
『かもめ食堂』がやはり有名ですが、
個人的には景色や食べ物的なものも含め『めがね』が好きなんです。
『めがね』は疲れた時に定期的に何度も観ている作品です。
そんな数ある荻上監督の作品の中でも、『めがね』と張って、
1、2位を争う作品です。
観るときの心理状態によって入れ替わる感じかな。
海外ドラマでは、凄惨な作品ばかり観ていますが、
こういうナチュラル系のゆったりした作品もわたしは大好きなんです!(笑)
母を失ったところから話はスタート。父はいません。
心が壊れて4年間引きこもりになっている長男のモーリー、
研究職で堅物、ロボットオタクの次男のレイ、
直情的な末っ子の女子大生リサ、
そしてきょうだいの母の母である英語のしゃべれない日本人の祖母。
彼らの心温まる交流と、きょうだいそれぞれの成長の物語です。
タイトルの『トイレット』は重要なキーワード。
邦画でありながら、生粋の日本人キャストは祖母役のもたいまさこのみ。
全編英語で、日本語は字幕です。
他の荻上監督の作品に比べストーリーの起承転結がはっきりしているところが、
この作品の好きなところです。
他の作品は雰囲気でぽやーっと流れている時間を描くみたいな作品が多いと思うし、
そこがいいところでもあると思いますが、やはり好き嫌いもあると思いますので、
ストーリーがはっきりしている分一般的に観やすい作品ではないかなと思います。
兄のモーリーもかっこいいし、
末っ子のリサも二階堂ふみに似ていてかわいらしいのですが、
個人的な注目は、次男のレイです。
兄が引きこもりで、情緒不安定、
妹が直情的なのでしっかりしている分振り回されます。
兄と妹には本当に冷たい、薄情!となじられていますが、
根は優しく、家族に助けを求められるとほっとけない性格です。
特にすごく美形という見た目ではないけれど、
すごく綺麗な声で、手がセクシーです。
外国人独特のチップスを食べる手つきが好きでした(笑)
唯一の日本人、もたいまさこさんは、ほとんどしゃべらずに、
顔と雰囲気だけで演技しています。それも見どころだと思います。
無言のシーンも多く、本当に静かで、
画面全体も薄暗くて登場人物も少ないし、
心落ち着いて観られる作品です。
キャッチコピーは『みんな、ホントウの自分でおやんなさい』
だそうです。もたいまさこさんの声で聞こえてきます。
観た後はものすごくじゃなくて、
ちょっとだけ元気になれる、そんな作品だと思います。
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