Netflix『sense8』シーズン1第11話『引き返せば未来は変わる』感想です。
ここ最近というか、ずっとカーラの煮え切らない態度にイライラしていたんですけど、【インドならでは】の結婚事情や宗教事情があるんだと思っていました。
カーラはかなり恵まれた都市部の女性ということはなんとなくわかっていたけど、それでもヒンドゥー教の法典にはかなり女性の地位が低く書かれており、田舎を始めとした根強く残る男尊女卑、そして結婚における風習に驚くばかり。
今は廃止されたカースト制度のこともあり、結婚相手を選ぶのも容易ではなかった時代。
まず、今ではだいぶすたれてきた風習ではあるし、厳罰化の法律ができたけど違法にまだ行われている花嫁が嫁ぎ先に持っていく持参金制度(ダヘーズ - Wikipedia)がある。
嫁をもらうだけで大金が転がり込む男子の居る家と違い、女の子は経済的にきついため、子どものうちから嫁に出されたり(年齢が若いと持参金が安くすむ)、性別判定で女の子だとわかると中絶しなければいけなかったり、さらには持参金が少なかったり、嫁ぎ先の家が持参金に不服だったりすると壮絶な嫁イジメが行われ、自殺する嫁が後を絶たなかった。
そのため結婚後7年以内の妻が自殺や死亡すれば、警察が令状なしに嫁ぎ先を殺人罪で逮捕できるという極端な法律ができたりした。
そして、夫が死んで男子も産んでいない場合、用無しになった嫁を死んだ夫と一緒に生きたまま火葬するというサティー(サティー (ヒンドゥー教) - Wikipedia)という風習にも怒りを覚えずにいられなかった。
他にも色々あったのですが、目立った昔ながらの風習はこんな感じで、カーラの煮え切らない態度は彼女がハッキリしないというよりは『結婚の際に女の意思は(それほど)尊重されないし、言ってはいけないもの。そもそも決定権はない』ものなんだと結論づけました。なので、婚約者が結婚するといえば結婚せざるを得ない【Marriage or Death】状態なんだと予測してます。
ごめんなさい、ここでいきなりエピソードのネタバレしますが、
リト、この最終回一話前の緊急事態になんでお休みだったの?
そんなに活躍できるところはなかったかもしれないけど、愛に生きる決意をしたリトが、カーラの前に現れて愛の素晴らしさを熱烈に説くぐらいはできたんじゃないの?
愛よりもガネーシャを取るかどうかは、カーラ次第だけど、これだけは言っておく。
カーラの父親が助かったのはガネーシャに祈ったおかげじゃない、
最新医療のおかげだ。
カーラ本人は『引き返せば未来は変わる』と言っていたけど、引き返しても、引き返さなくても未来は変わる。
カーラ自身が引き返したいけど引き返せない状態で、どちらにしても未来は変わるし、未来なんて想像した通りにいかないのが普通だから、その言葉には説得力がなさすぎる。
だから、ヴォルフガングの心は動かなかったんだとわたしは思う。
未来に希望を抱かないとだいたいの決心は揺らがないぞ。
第10話の感想はこちら
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※以下、ネタバレありのあらすじ及び感想です。
シーズン1第11話。 『Just Turn the Wheel and the Future Changes』
アイスランドのライリーは父親のコンサートの最中に気を失い病院に運ばれる。
意識が混濁状態となり、BPOにライリーの情報を奪われないように試案するウィルとノミ。病院にハッキングすればなんとかなると考えるノミだが、機材はBPOに押収されていた。そんな時、昔のハッカー仲間のバグが現れ「政府の欧州目録にノミの機材を発見した」と善意で持ってきてくれて、ひとまず時間を稼ぐことができる。
ライリーのそばに付き添ウィルだが、ライリーのMRIの脳の異常に気付いた医師たちが不審がる。イルサが病院に現れ、ライリーの身に危険が迫る。
一方、韓国のサンのところに父親が面会に現れ「本当のことを公開する」と言って帰った数日後。サンのところに弟のジュンキが現れ、サンに父の訃報を告げる。
父の死は、弟のジュンキの仕業だと感じ取ったサンはそのことを弟に告げるが、自分にはアリバイがあると主張するジュンキ。怒りが頂点に達したサンは弟に暴行する。
そんな時、カバカの娘の送迎を請け負っていたヴァン・ダムはカバカを恨んでいるギャンググループから呼び出しを受ける。カバカの娘を親友に預け、現地に向かうが、そこではカバカ本人が拉致されていた、鉈を渡されカバカの首を落とすように言われるヴァン・ダム。
一方、ヴォルフガングは復讐の締めをしようと叔父の屋敷に向かっていた。カーラはヴォルフガングを止めようと説得する。
ヴァン・ダムが弱いのに決着をつけに行くと出かけて行った時、カバカが何故か捕まっていてギャングのボスがチンピラに捕まるなんてことある?っていう素朴な疑問はともかくとして、サンの父の会社はもうダメですね。完全に弟が潰すし。
サンが守ろうとしていた家族は、サンが刑務所に入ることではやっぱり守れなかった。
弟に罪を償わせることが最良の策だったのに、本人も言っていたけど『人生最大の間違い』を冒してしまったよ。
でも、まさか弟、実父を殺すほど腐ってると思わなかったから若干驚きはした。
気が小さいからそこまではやらないと思った。
サンの怒り、弟と自分と両方に向けられたからこそヴァン・ダムの窮地を助けることができて、ヴァン・ダムは優しくて好きなので、助けてもらえてよかったです。
だけど、この状態だとサンは刑務所からしばらく出られないってこと?
だから、言ったじゃんっっ!!
くそー、悔しい・・。
そして、BPOの次のターゲットになりかかっているライリー。
付き添うお父さんの歌、すごい澄んだ声で癒される。
ノミのハッキングも時間稼ぎにすぎないし、世界各地に散らばっているメンバーがどうやってライリーを助けるのか、非常に興味があるし、そもそもそんなことができるのかどうか。
できるのかどうかといえば、ライリーの他にヴォルフガングもあれ、多分叔父さんの家だよね? バズーカ持って乗り込もうとしてるの?
ライリーとヴォルフガングの件、同時に片がつけられるかな・・。
でも、シーズン1最終話まであと1話しかない。
ふんわりとした感じで始まって、それぞれの個人的な悩みやエピソード中心に描かれてそこにそれぞれの感応者たちが絡む展開で進んでいったシーズン1だけど、チームとしての結束はまだ固まってない。
覚えてないだけかもしれないけど、まだ対面していない人たちもいる気がするんだけど。
特にリトは、会ってはいるけど喋ってない人の方がむしろ多い気がするんだよね。
鏡に映ったりはしてたけど、サン、ライリー、カーラ、ヴァン・ダム、ウィルとリトの絡みが思い出せない・・。
ヴォルフガングも、カーラとリト以外はほとんど交流してないような・・。
それはシーズン2で観られるだろうか。
8人固まっているのがどうしても観たいなー。
シーズン最終話どうまとまるのか楽しみです。
突っ込みどころはけっこうあったけど、なんだかんだ面白かったな。『sense8』も。
というわけで、それではまた。
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