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【映画】『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』感想 人間は致死率100%。QOLについて改めて考えさせられる映画です。

ロビン・ウィリアムズが好きです。

彼の映画の中で、とりわけ好きだった『パッチ・アダムス』は、なかなかどこの動画配信サービスにも来なく、この度Netflixにやっと配信されたので、さっそく視聴。
映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』は、実在の人物、ハンター・キャンベル・アダムスというお医者さんがモデルの作品です。
以下の文は、ハンター・キャンベル・アダムス氏、通称【パッチ・アダムス】が信条にしている七つの項目(引用:ウィキペディアパッチ・アダムス - Wikipediaより)です。
 
1.ひとをケアする理由はただひとつ。人間を愛しているからです。
2.ケアは愛を動詞化する。ケアは概念ではなく、行動です。
3.ひとを思いやるという人生を送ることによって、あなたは自分のなかで一番深い平和と安らぎを得る。
4.良い意味のお返しをすること(良きカルマを積む/カルマからの解放)。例えば、米国がアフガンに爆弾を落とし始めたとき、私はアフガンの人々を愛したいと思い、即座に現地に飛んだ。
5.平和のためにクリエイティブになる。例えば、死の床でアメイジング・グレイスを歌う。
6.情熱を持ち、不可能だと思っていた夢を見る。
7.ひとをケアすることは、科学的見地からしても、あなたのためにいいことがある。

 

 
上記の七つの信条はすごく素晴らしいと思うし、地球の人全員がこの心を持っていれば、戦争なんて起こりえないような内容です。
でも、ちょっときれいごとっぽくも聞こえる。
みんなそういう風に生きてみたりしたいけど、そんな簡単に出来ることではない世の中というのが実情。
でも、ごくまれに信念でこういうことやり遂げる人が出てきて『世界こんなところに日本人』とかで紹介されたりしている。
たくさんじゃないけど、たまにいるこういう人を描いたのが『パッチ・アダムス』という映画です。
初めてこの作品を観た若いときは本当に死とか遠い存在だったけど、時を経て自分も含めて死や病気が身近になった今、再度この作品を観た感想を綴ってみたいと思います。
 

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~あらすじ~

自殺癖のあるハンター・アダムスは任意で精神病院に入院をする。

ハンターは、精神病院でありながら心の病に寄り添わない医者に不信感を抱きつつ、入院生活を送る。患者仲間と日々交流するなかで現代医療の在り方に疑問を持ち始めると共に、人を助ける喜びを知り医療を学び医者になる決意をする。

大学に入学し、若い学生に囲まれながらも成績ではトップクラスをはかる彼は、知識を詰め込むだけの学校生活に反発し、規則を破っていると知っていながら、入院している病気と闘う人たちの心の負担を少しでも軽くしようと日々奮闘するが、学校や病院との対立は避けられない。

また、高い医療費に苦しむ庶民を助けようと学生仲間と無料のクリニックを併設し、困っている人たちを助け順調に目標に向かって歩んでいるように思えた日々だったが、事件が起こってしまう・・。

 


 

この作品の主演を務めた ロビン・ウィリアムズ自身、死因は『自殺』と断定されこの世を63歳で去っています。

精神疾患や他の持病が自殺の原因など様々な憶測が飛び交っていますが、本人に聞かなければ理由はわかりませんし、なんとなーく、聞いても答えてくれないような気がします。

人に心を開かせることは得意だけど、人に心を開かなそうなイメージを彼にはずっと持っていますし、そこが好きなところでもあります。

 

ロビンは、客観的にみれば裕福な家庭に生まれ育ち、役者としてのキャリアも順調に重ね出演作品にも恵まれていたと思いますが、私生活では様々な依存症などに苦しみながらの俳優活動だったことが、彼の演技に深みを与え、わたしを初め様々な人の心に刺さる演技ができる俳優さんだったのかもしれません。

心の繊細さが演技に出ている俳優さんだと思います。

彼もただただ、寿命としての命を全うするよりクオリティー・オブ・ライフを考えての決断だったのかと思うと、複雑な思いでこの作品を再視聴することになってしまいました。大好きな俳優さんだっただけに、本編と関係なく(なんで死んじゃったんだ・・)何度も涙腺が緩む事態になってしまったんです。

 

最近日本の医療界でもやっと言われるようになったQOLの件。

病気などで苦しい延命治療を迫られたとき、苦しくても延命治療をするのか、寿命が少なくなったとしても、残された命を有効に使っていくのか・・。

自分の命は自分のものであって、自分だけのものでなかったりするので、その決断は自分を愛している周囲の人間の気持ちも絡んで来る問題であり、自分に生きて欲しいと願う愛する人を前に、わたしは延命はしないときっぱりと拒むことができるのかどうか、そこは本当に難しい

自分がその選択を迫られた場合ももちろんそうだし、逆に愛する人が延命治療を拒んだ場合はそれを受け入れることができるのかどうか・・。

映画の中のセリフでも出てくるのですが、人間は致死率100%。

この事実は、誰しもがわかっているようでわかっていないし、わかっていないようでいてわかっていることでもあると思うんです。

明日死ぬとは思っていなかったとしても、自分が不死身だと思っている人は地球上の全人類の中で0.2%ぐらいはいるかもしれませんが、だいたいの人は自分が死ぬことはわかっている事実だと思うのです。

 この作品は一貫して主人公のパッチがQOLの大切さを訴えていて、セリフでも何度も「クオリティー・オブ・ライフ」と口にしています。

彼は病気で気持ちが沈んでいる患者さんに、笑ってもらったり、よくよく話をきいてあげたり、【医者と患者】としてではなく【一人の人間と人間】として、なんとか今ある命のなかで心の負担を取り除こうと奮闘するのですが、今の日本の医療現場では、医者にそれを求めるのは酷なので、今後のことを自分できちんと考えておかなくてはいけないという事実を改めて突き付けられる作品でした。

 

映画としては、実在の人物がモデルの作品なのでそこまで派手さはないですが、【パッチ・アダムス】氏への功績へのリスペクトも感じますし、周りの人がだんだんと主人公に影響されて考えが変わっていく感じも、とてもよくまとまっています。

そして、じんわりと泣けます。

じんわりと泣けるのも、やっぱりロビン・ウィリアムズが最高だから・・ということに落ち着いてしまうんですよね(笑)

彼じゃなかったら、死をテーマにした作品でシリアスになりがちなところをギリギリのラインでふんわりとした雰囲気になっていないと思うし、ここまでの仕上がりになってないのではないかなとは思います。

そして、例え彼本人の決断だったとしても、この先彼の新作を観られないのは非常に残念だなと思いました。

 

わたしもこれからどこまで生きられるかわからない人生ではありますが、これから定期的に何度も観てしまう作品だと思います。

 

というわけで、それではまた。

 

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