『ペーパー・ハウス』シーズン2第3話感想です。
フェミニズムのことを持ち出すのは、現代日本においても非常にデリケートで根が深い問題であり、それぞれの生育環境によって価値観もバラバラだし、わたしが日本で生まれ育った女性であるということも踏まえて、今までは必要以上にブログに書くことを敢えて控えていた部分もあるのですが、今回のエピソードの関係上出さないわけにはいかないので、少し出しちゃいます。
スペインの家庭における女性の役割は日本と割と似ていて、基本的に家事や子育ては女性の仕事です。
男性たちが飲み食いしている間に、女性はキッチンに立って料理や水仕事をしていて、不手際があれば叱られるようなシステムが根強いみたいです。
以前【ベラチャオ】の歌の時にちらっと話に出していた、スペインで過去にファシズムを推進していたファランヘ党が1953年に出した『よき妻となるためのガイドブック』が、日本で昭和に【良妻賢母の見本】として雑誌に掲載されていたような内容であることがかなり驚きなのです。
下記サイトに詳しい内容が載っていますので是非ご覧ください。
さだまさしの『関白宣言』という歌のような内容です。
日本も『関白宣言』が大ヒットする時代を経て、バブルがはじけた直後に『部屋とYシャツと私』が流行り、さらに平成後期に西野カナの『トリセツ』が来る・・とだいぶ時代は変わったように思われますが、『関白宣言』時代の人が人口の大多数を占め、『トリセツ』世代が少子化の影響で少ない日本では、考え方が変わってきている人もいるにはいますが、まだまだ家父長制度や長男至上主義は特に地方では珍しくもなんともなく、自分の生まれた家や、結婚などでそういった事情でまだまだ悩んでいる女性も多いし、社会に出たら出たで『女性であるというだけ』での差別や、嫌な目に遭ったことのない人はほとんど居ないと思います。
おそらくスペインも同じような感じなんだろうということは、『よき妻となるためのガイブック』が存在していたという事実からも、想像に難くありません。
ラケルもDVに遭っていたという過去があるし、DVに遭っていたにもかかわらず親権取られそうになっています。
そして、愛人のいる造幣局長の妻も、妻帯者なのにラケルへの愛を叫び散らかしていたアンヘルの妻も、二人ともなんとなくおとなしそうな地味なタイプでスペインに抱いていたイメージと違ったのですが、色々お国事情を調べていくと、日本と同じで、女性を妻に向くタイプと愛人に向くタイプにカテゴライズされていると考えるとあのキャスティングも頷ける部分があります。
そもそも『ペーパー・ハウス』もあのメンバーの人数で女性はたった2人。
そんなスペインのドラマで、今回のエピソードの展開はドラマを観ている女性を少し勇気づけたのではないでしょうか。
わたしもスカッとしました(笑)
ですが、アンチが生まれたかもしれないとちょっと心配にもなりました。
話を少し戻しますが『関白宣言』のアンサーソングっぽい『関白失脚』という歌もあるのですが、あくまでこれはわたし個人の感想ですが、専業主婦をバカにしているような歌詞だなぁ・・って思います。たぶん作っている本人は無意識でよかれと思って作った歌で、愛と幸せを語っているのに何が悪いのかわからないと思うんですが、その無意識の意識を持っているような人が日本にも、そして世界にもたくさん居て、女性たちを昔も今も苦しめてきたんだと思うんです。
人間には寿命がありこれからは世代交代があるので、だいぶ差別意識も減るとは思いますが、わたし自身は子どもの頃や若い時にそれを体験できなかったので非常に残念に思います。
この件は話し出すときりがないし、山ほど言いたいことはありますが、男性は男性で反対意見もあると思いますので、中途半端ですがこの程度でやめておこうと思います。
もし、来世があると仮定して希望が通るとしたら、性別のはっきりしない木や植物に生まれるのがベストだと思っていますが、万が一、ヒトの女性として生まれてきてしまった場合には・・もうちょっと生きやすい世の中になっているか、生きやすい国に生まれさせていただけると大変助かります(笑)
※第2話の感想はこちら
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※以下、ネタバレありのあらすじ及び感想です。
シーズン2第3話。
警察官暴行の罪で逮捕された教授はラケルに連絡を取り、ラケルの元夫に暴行されたと告げる。警察に捕まったトーキョーは、ラケルの尋問を受けるがリオの減刑も含めた司法取引を持ちかけられ、供述内容を悩む。造幣局では、トーキョーを逮捕させたことに激怒したリオを麻酔で眠らせたベルリン。リオに反抗した罰を与えようとしていたベルリンにナイロビが不信感を持ち始め、揉め始めたところに造幣局の電話が鳴る。
ベルリンは推しキャラだけど、今回はナイロビの肩を持つ!
いつもみんなに優しくて、教授を信じてミッションを忠実にこなしていて、誰かが揉めると仲裁したりして、ひとりだけきちんと強盗中という自覚を持っていたのがナイロビだった。
トーキョーの謀反のやり方は直情的過ぎた。
『下剋上はこうやるんだっ!』っていう感じがテンション上がったし、久々の【揉める】以外の展開は純粋に嬉しかったのです(笑)
合宿中にリオを残したのは教授の甘さによる失敗だったなとは思ったけど、今さら失敗ごときでは驚かない。
失敗のない『ペーパー・ハウス』は『ペーパー・ハウス』ではない(笑)
リオはナイロビのおかげで、ブチギレたベルリンにやられずにすんでよかった。
リオはクソガキなので嫌いですが、リオが死んだことがトーキョーに伝わったら警察に何言うかわかんないし、ベルリンがやらかす寸前に教授が間に合ったことが教授のいう『強運』のなせるわざなのかもしれないです。
強運といえば、教授本当になんとか乗り切りましたよねー(笑)
本当に強運だったらそもそも人選から失敗してないというのは置いておいて、指紋を回収できたのは本当に強運だと思ったけど、ラケル破っただけであそこに捨てていってなかったか・・?ってちょっと心配になってきました。
そして、殴ってないのに殴られた偽装をした教授に対して、ラケルの元夫がどう思ったのか、これですむのか・・。
そもそも、女性警官が「実刑4年にしてやる!」と怒っていましたが、殴った証拠も記憶もないはずのラケルの元夫が証言しただけで4年の実刑にできるか疑問だったし、4年は重すぎないですか? そんなにスペインの警察って権力あるんだなと驚きました。
なので、トーキョーは司法取引なんてしてもらえないと思いますので、ああなってしまったからには教授を信じるしかないんじゃないかと思います。
確かにここまでたくさんの失敗をしておきながらまだ続けられているというのは強運以外の何物でもないかもしれない。
そして、トーキョーがラケルに告げた名前が本当に教授の本名なのか気になる。
ラケルが教授にトーキョーに告げた【本名】で呼びかけたときは特に動揺はしていなかったようだけど。
次、リーダー宣言をしたナイロビが、どう強盗団を指揮するのか非常に興味深いです。
スペインが、現場の強盗団の女性リーダーをどう描くのか。
ラケルも女リーダーだけど、全部好きにさせてもらっているわけではないし、ナイロビがリーダーとして頭角を現し男性陣をうまく誘導していくのか、うまく回せず潰れて(やっぱり女には男が居ないとダメなんだよ)っていう陳腐な展開に持っていってしまうのか。
ベルリンのことは好きだけど、ここはナイロビが頭角を現す展開が観たいし、教授の強運の果てはどこなのか。
わたしは自分を強運だと思ったことは一度もないので、ああいう風に言われるとなんとなく安心します。
最後に、ナイロビが放置気味の人質にも目を向けてくれますように(笑)
というわけで、それではまた!
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