時代劇好きなわたしが大好きな邦画です。
観たのは三回目です。
ネタバレはほとんどしてないつもりです(笑)
昨夜、ドラマじゃなくて映画を観たくなり、
作品を選んでいたのですが、
どうもどれもしっくりこなくて、
一本何かを観られるぐらいの時間を要してしまいました。
迷走した結果、好きなものを観よう!ってなって、
目についたこちらをチョイス。
初見の際、公開当時、宣伝があまりなかったせいか、
大泉洋が全面に押し出されている上、このポスターのせいか、
この作品、コメディだと思っていたのです。
気軽に見始めた結果、
む、難しい・・・。
全然、ついていけねぇ・・。
と、なることに。
まず、時代は江戸後期なのですが、
役者さんたちが、早口でまくし立てる江戸言葉が、
全然頭に入ってこず、ストーリーを追うどころじゃない。
時代小説も読むし、ある程度免疫があるにもかかわらず。
そして、次の衝撃。
まったくコメディじゃない!
思っていたのとは、全然違うし、しかも難しい。
なのに、何故か何度も見てしまう、
そして、ほろりと来てしまう、
この作品の魅力をお伝えしていきたいと思います。
わたしは初見したあと、
理解が薄かったのですぐさまもう一度観ました(笑)
ストーリーは、女性からの離縁が認められなかった時代。
クズ旦那に悩むも耐え忍ぶしかない女性たちが、
いよいよ追い詰められた時の、
唯一のセーフティーネットである、
鎌倉にある駆け込み寺が舞台です。
しかも駆け込んだからと言って、すぐ離縁が認められるわけでなく、
御用宿というところで、聞き取り調査のうえ、
クズ旦那も呼び出され、それでも話に埒があかなかったとき、
やっとお寺に入ることができます。
でも、そこから二年間、禁欲生活を強いられ軟禁状態の上、
尼僧と同じ修行をさせられ、
二年間耐え忍んだ者のみ、やっとクズ旦那から解放されます。
寺に二年間軟禁されるのは、旦那たちから守るためもあったと思うけど、
それでも駆け込んできた女性たちとの共同修行生活は、
楽なものではなかったでしょう。
貧乏だと、かなりこき使われたみたいだし。
それでも、そんな辛さを上回るほどの、
切羽詰まった女性たちの生きづらさ、悲しさ、
ぎりぎりの女性たちを守ろうとする周りの人たち、
同じ駆け込んだ女性同士の友情、
二人にしかわからない男女の愛情、
それぞれ必死に生きている強さみたいなものが描かれています。
もし、これを読んで作品に興味を持っていただけたとしたら、
私の上記のストーリー説明で、話は入りやすいと思います(笑)
この作品の魅力は、なんといっても、
戸田恵梨香さん演じる【じょご】という女性ですね!
元々、SPECとかも好きなので、好きでしたが、
この作品で大ファンになりました。
他の女優さんでは、作品の雰囲気が出なかったと思います。
満島ひかりさん演じる女性もなかなか素敵です。
堤真一さんが当主の大店の内縁の妻(妾と表現している)なのですが、
駆け込みした理由に共感する女性も多いのではないでしょうか。
女の生きざまを見せてもらいました。
じょごに対する愛情でホロリとさせられるシーンも。
個人的に好きなキャラはお寺の尼僧の責任者である、
院代さまがナイスキャラで癒されます(笑)
ラストは原作のこちらとは、違う内容らしいのですが、
私は映画のラストが好きです。
原作の魅力は魅力として、
映画はやっぱりこうじゃないとと思う、
いいラストでした。
わかりやすくはありませんが、
画面も渋い本格的な時代劇です。
時代劇には珍しく、
普通に頑張って生きる女性がメインに描かれているので、
現代に生きる女性も共感しやすく、
時代劇としての完成度も高いので、男性も満足する名作だと思います。
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