グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち のレビューです。
とにかく静かな映画が観たかったのでチョイスしました。
ロビン・ウィリアムズが好きで、
若かりし頃彼の作品をかたっぱしから観ましたが、
2014年に訃報を聞いてショックから立ち直れず、
ジャケットを見ていたら、どうしても見たくなり、
改めて掘り起こしたら、なんて名作すぎるこちらの作品。
当時無名の俳優だったマット・デイモンが脚本と知り、また驚きました。
<ストーリー>
ウィル・ハンティング(マット・デイモン)は、親や兄弟はなくスラム街に暮らし、
喧嘩や盗みなどで繰り返し補導される若き青年。
彼は天才的頭脳を持ちあわせていたが不遇な境遇から教育を受けていない為、
その才能は生かされていない。
ウィルが清掃員として働いている大学の数学教授が、
彼の天才的な才能に目をつけ、暴行で拘留中のウィルを保護観察付きで保釈させ、
心を閉ざし社会を拒む彼をなんとか更生させようと、
大学の同級生の心理学者(ロビン・ウィリアムズ)と引き合わせる。
以下、感想となります。
観終わったあとの満足感がすごいです。
いい映画観た!っていうときの高揚感。
静かなストーリーながら、話もうまくまとまっているし、
その練られた脚本のそれぞれのキャラを演者がしっかりと、
ブレなく役を演じているので、しっかりと心に響いてきます。
当時あの若さだったマット・デイモン(とベン・アフレック)が脚本なんて信じられない。
マット・デイモンが演じるウィルは天才でしたが、
ハーバード中退の自分のことが少し盛り込まれているのかも。
心が傷ついている、人生にもがく若き天才と、
心が傷ついている大人のやり取りも胸にしみました。
わたしはもう大人ですので、どちらかというと大人に感情移入しがちだったですが。
さまざまなシーンがぐっときました。
天才を取り巻く周囲の人間の葛藤の描き方も見事でした。
わたしみたいな凡人にとっては、秀才も天才も同じような尊敬の目でしかないのですが、
その世界では権威を持っている秀才の前にもし天才が現れたら。
努力ではかなわないものを、目の前で見せつけられるという切なさ。
天才が悪気なく、天才ではないものを見つめる目。
そういったものもうまく描かれていました。
助演のベン・アフレック(ウィルの親友役)は、
アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたようですが、納得の演技でした。
出番は多くないですが、正直泣きました。
そして、ロビン・ウィリアムズですよね。
なんで死んでしまったんだ。しかも自殺なんて。
わたしはこの作品で、ロビンの演技にすごくセラピーされましたよ!
主人公のウィルと一緒に、閉ざしてた心が(いや、特に閉ざしてはないですが)解けました。
ロビン本人は、私生活でアルコール依存症や病気など色々なものに苦しめられていたようでしたが、
精神的に繊細だからこその心に響く演技なのかもしれないです。
役者さんには憑依型と、命を削るタイプがいますが、彼は多分後者だったのでしょう。
彼の他の作品もすぐさま観たくなりました。
コメディじゃないやつね。
グッド・ウィル・ハンティングは、
静かに涙を流し、しみじみと心のデトックスをしたい大人にお勧めの名作です。
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