たま欄

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ベター・コール・ソウル シーズン3 第7話『やり繰り』 感想 もう前に進むしかない。

社会奉仕活動命令とは、1970年代の英国で、【コミュニティーサービスオーダー】という名前で始まり、刑務所に人が溢れている問題に絡んで軽犯罪者は執行猶予をつけて刑務所に入れず社会貢献させることで、犯罪者には更生と罪を忘れないよう反省を促し、社会的にはボランティア的な人が増えるという一石二鳥(?)な裁判所からの犯罪者への通達事項のひとつ。ジミーがゴミ拾いをしているのもそれですね。

 

海外セレブがたまにやらかしをしてしまい、日本でも報道されることがあるのでご存知の方も多いと思いますが、日本でも軽犯罪者を刑務所に入れずに社会奉仕活動をさせるこのような罰則の導入を検討されていたのをご存知でしたか?

 

わたしは今回調べるまで知りませんでした(笑)

 

2018年現在の日本では、議論に上がったまま何年もほったらかしにされていますが、刑務所の高齢化や過密状態が深刻なのでそのうちやるのかな・・と、これを調べ始めたときはなんとなく思っていましたが調査を進めていると、元祖のイギリスを初めとした実施国では、刑務所の過密状態は軽犯罪者を刑務所に入れないということでは解消されていないということと、犯罪者を刑務所に入れずに罰金や社会奉仕ですませるということに、日本ではお国柄か反発心が強いらしく賛否両論のようです。

 

 アメリカではどんな活動をさせるかは裁判所が決めるので、何かと世間を騒がせている女優のリンジー・ローハンが捕まったときは、死体安置所と病院の救命での社会奉仕活動命令が出されました。彼女が万が一、飲酒運転や薬で酩酊状態の際に被害者を出してしまったら・・という意味が込められていたらしく、これを聞いてわたしは、名目ばかりの保護観察や、なんのお咎めもない執行猶予なのであれば、執行猶予の判決には必ずそれなりの社会奉仕をつければいいのに・・と思ってしまったのですが、それはそれでまた新しい制度にかかるお金とか人手とか色々な問題も出てきてしまうので、難しいのでしょう。でも、色々な業界が人手不足で社会問題化してるんだから、そういった意味でもこれもひとつの案なのではないでしょうか。

 

 

※シーズン3第6話の感想はこちら

 

www.meganetamago.com

 

 

シーズン3第7話は、弁護士業務停止により、資金繰りに苦労するジミーの奮闘が描かれました。一方、ナチョはヘクターを亡き者にしようと動き始めるエピソードです。

 

  ※以下、本格的なネタバレありの感想です。

 

ジミー、追い詰められてきましたね・・。

 

今回のタイトルは『Expenses』(経費、出費)で、『Money』(お金)でないところが、エピソードの全てを現している気がしました。

わたしなら、邦題は自転車操業とつけたいところです。

 

ジミーが弁護士の業務が停止している1年間、まともな職に就いて稼ぐのではキムと2人で借りた事務所の家賃や経費なんかを払えないのだと思いますが(上記の社会奉仕活動や保護観察なんかもあるみたいだし)、とりあえず日銭を稼ぐのでもいいから、普通に働こうとしないところがジミーのダメなところですよね。

HHMの郵便室では真面目に働いていたみたいなのに、弁護士資格が停止されている間だけでもきちんとキムに相談してふたりで話し、バイトしながら生活を援助してもらうとか、キムのパラリーガルとして働けばいいじゃん・・って思いました。

 

ここまでシーズン1からずっとジミーを見てきて、チャックと家庭環境のせいでうまく人に甘えることができない大人になってしまったように見えて切なく思えることがあります。

キムにきちんと今の経済状態を話せないのも、プライドももちろんあるとは思うけど、心配させたくない、『迷惑をかけたくない』という思いが強いのではないかな。

寄りかかられる側の人間としてずっと居たジミーは、自分が人に寄りかかることでの相手の負担を過剰に考えてしまっていてもおかしくないですよね。

【人に嫌われない】という誰もが欲しがる天賦の才能を、ズルをすることに生かしていて、人って持って生まれた才能をきちんと生かすべきところで生かすことができるのって奇跡なんだなと本当に思います。

そういうことができている人生を歩めているひとはほんの一握りなんだろうなーと。

ブレイキング・バッドのウォルターもそうだったし、ギリガン氏のドラマ制作の根本にはそういう人生の不条理がテーマにあるような気がします。

 

そして、ギャラがもらえているとはいえ、若い学生さんたちはジミーのCM製作に文句も言わずよく付き合ってくれています。

しまいには、若い女の子がジミーに同情もしている。

ブレイキング・バッドで流していたテレビCMや、ベンチの広告なんかもあの子たちが作ってくれていると嬉しいなと思います。

 

ところで、キムとメサ・ヴェルデのペイジは本当に友達なんですね。

チャックの法廷に感じていた罪悪感をキムは、顧客であるペイジにぶつけていたのでビックリしましたがそういう関係性なんだろうなと思いました。

ジミーだってキムだって、レベッカに暴言吐かれて傷ついてしまったけど、社会的弱者とされている人たちを痛めつけて罪悪感感じないとしたら、それはもうサイコパスだよ。

 

これを言うと本当にあれだと思うんだけど、もうこの際だから言っちゃうけど、そういう立場を利用する人だっているじゃん。

もちろん全員じゃないし、助けが必要な人だっていることは当然わかっています。

でも社会的弱者だからって、全員がいい人ってわけはないし、助けが必要ってわけでもない。むしろそういう風に分類されていない人の方が助けを必要としている場合だって存在していると思う。

 

今回のチャックだって、ジミーの愛情を利用したよね?

チャックは自分の病気を利用してジミーを騙したことで引き起こした事態で、ジミーを潰そうとして、返り討ちにあって社会的制裁を受けた。

病人が病気を利用して周りの人を痛めつけることだって当然ダメなはずなのに、何故か【病気の人を痛めつけたこと】の方が悪くなっちゃったり罪悪感を感じてしまうことの不思議。弱者はどんな状態でも助けてあげなきゃいけないという強迫観念のようなものが植え付けられていて、やっぱりみんな誰しも『薄情もの』のレッテルを貼られたくはないから。

 

チャックは、多分ジミーをだましたことに罪悪感なんて感じてない(それも病気だから?)

ジミーは当事者だから割り切ったけど、キムはやっぱり当事者じゃないから気持ちが揺れ動いていてかわいそうだけど、ジミーの言うとおり、『前に進むしかない』。

 

罪悪感を感じるのは当たり前だから、頑張れ二人とも。

 

ってわたしは思うけど、普通のひとは罪悪感に押しつぶされちゃうよね・・。

 

一方、ああ見えて本当に面倒見のいいマイク。

図々しい嫁ステイシーの我儘も聞き入れ、あの薬屋のバカ(失礼)の話もちゃんと聞いてナチョにアドバイスもする。

ブレイキング・バッドでもなんやかんやでジェシーのこととか面倒見よかったもん。

若い男子が、そのマイクの父性を敏感に察知して近寄ってきてしまうんだよなー、多分。

マイクもマイクで、自分の息子を悲しい事件で亡くしてしまった負い目があり、若い男子をほっとけないのであろうとは推測されますが。

ナチョは、家族を守るためヘクターを亡き者にしようとする作戦は果たして成功するのでしょうか。

ナチョとマイクは変な絆で結ばれてるようなので、この2人の行く末も気になります。

 

というわけで、それではまた。

 

 

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