ネットフリックス・オリジナル作品『ザ・ポリティシャン』(The Politician)シーズン1第3話【化かし合い】感想です。
今回、冒頭でペイトンがディベート大会に出場する際のテーマで『ヘイトスピーチを言論の自由と認めるべきか』というのを選んでおり、原稿を反すうしていました。
彼の結論としては『認めるべきではない』という方向で、ディベートに参加するようでした。
ペイトンがそう結論づけたということは『政治的にも認めるべきではない』というのが、アメリカでは公的な正解なのでしょう。
ここで改めて【ヘイトスピーチ】とはなんなのか。
わたし自身、なんとなーく、うすらぼんやりとしかわかっていないこの案件について、基礎から、少しだけ学んでいこうと思いまして、色々なサイトを徘徊しました。
これから、ますます世界的にもスタンダードな社会問題になってくるであろう【ヘイトスピーチ】に自信を持って向き合えるように、お暇な方はお付き合い頂ければと思います。
なるほど、なるほど。
東京都でも公的にオリンピック向けて以下の動画を作っている通り、わたしの中では『国籍差別発言』=『ヘイトスピーチ』のようなイメージがあります。
しかし、国籍だけではなく【自分から主体的に変えることの出来ない事柄】に対しての個人、団体への侮辱発言もヘイトスピーチに含まれるようです。
生まれた国、肌の色、民族、宗教、ジェンダー、容姿、健康状態などを理由に、人を傷つける発言を公にしてはならない・・ということですが、
・・・・あたりまえやないかーいっ!
というのが、正直なところで、最近は芸人とかのヘイトスピーチ的なネタが糾弾されるようになったけど、昔は、インターネットが今ほど波及していなかった。
なので、一般人が個人の見解を世に放つことが難しく、ヘイトスピーチの対象とされている人々に、直接そういった世の発言が届きにくかったというのもあるし、糾弾の声も届かなかった。
そして、今はそういうヘイト的な内容の話が、身近な人同士で話すだけにとどまらなくなってしまったっていうのが、最大の問題なのかもしれない。
不適切な発言をする輩を学級会で、
「そんなこと言っちゃいけないと思いまーす!!」
で糾弾している、現状というか、イタチごっこというか。
国によりヘイトスピーチを法律で禁止し、犯罪として認めて罰則が設けられているところもあれば、日本は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」という、通称:ヘイトスピーチ解消法が2016年に施行されていますが、法を犯しても、罰則はありません。
確かにそういう国籍系へのヘイトスピーチは多いけど、なんで、外国人差別に関してのみの法律だけなの?
罰則がないとはいえ、他のヘイトスピーチはいいのか!! っていう気になってくる。
一方、ドラマの舞台アメリカでは『言論の自由』『表現の自由』という権利の主張がお国柄的にも強いため「どんな発言たりとも規制されるいわれはない」という主張との攻防があるみたいですね。
裁判しても「過激な思想だろうとなんだろうと、規制するのは違憲」という考えもあるようですし、”国として”規制するのは難しいかもしれないけど『ヘイトスピーチは言論の自由なのか』を改めて考えると、思想や発言は自由で、国で規制されてはいないかもしれないけど、思想を口にする権利があるんだったら、人には【人権】があって保障されてるから、ヘイトスピーチは人権侵害だと思う。
個人的考えですが。これも言論と思想の自由だ!
自分が権利を主張するんだったら、相手の権利も守らないといけない。
自分は言論の自由で自由に発言するけど、相手の人権も自由に侵害する、では理屈が通らないと思う。
ただ、一番厄介なのは、自分が人権侵害してるって全く自覚してない人のヘイトスピーチで、あえて攻撃してる人に関してはやめられる余地があるけど、自覚がないと無理だから、この先も根絶するのは難しいとは思うけど、ヘイトスピーチへの反発がもっと広まれば、人権を守る思想も必然的に広まるので、傷つく人が少しでも減ってくれればと思います。
ごちゃごちゃ言いましたが、
言論は自由かもしれないけど、相手の権利も侵害してるのでダメ。
そして、不特定多数をターゲットにした相手の心を傷つけるための攻撃を主とした発言は単なる陰口だから、人としてダメ。
以上です。
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~あらすじ(ネタバレあり)~
シーズン1第3話【化かし合い】"October Surprise"
ペイトンは、約1年前のディベート大会前に、緊張している自分をリヴァーが励ましてくれたことを思い出していた。
そのことで気持ちを落ち着け、ハーバード大学に乗り込んだペイトン。
ウェイティングリスト状態のペイトンに、寄付をすれば合格させると告げに来たハーバードの担当者二人に会い、自分がホバート家の唯一の資産相続人になったことを告げ、駆け引きに出る。
その後、ハーバードから届いた書面を持って、アリスに会い行くとベッドの上にはアリスと選挙を応援してくれているジェームズが居た。
ジェームズは、ペイトンにアリスに恋をしていると告げるものの、ペイトンは選挙に集中してくれ、とジェームズに話す。
ジェームズは、その後ペイトンの双子の兄に情報をリークし、双子の兄はアストリッドに情報を横流しするが、フェイクに騙されることになったアストリッドだったが、思わぬ人物がアストリッドの前に現れる。
一方、仮病が判明したインフィニティー。
インフィニティーに恋するアンドリューは、インフィニティーの恋人リカルドに会い、彼女が彼女の祖母とペイトンに利用されているので助けるように告げる。
インフィニティーの部屋で、過去の旅行のビデオテープを見ていたリカルドは、選挙に出るのをやめさせようと、ペイトンの対抗馬に病気が疑わしい証拠が撮影されているビデオを持っていくが、リカルドの趣旨とは違う映像が使われ、インフィニティーとの関係に亀裂が入ってしまう。
第2話の感想はこちら
今回の原題【October Surprise】は政治用語です。
11月上旬が投票日のアメリカで、10月下旬に起きたスキャンダルはダイレクトに選挙結果に影響することを総称して、こう呼ばれています。
リカバリーが無理なうちに投票が始まってしまうので、選挙陣営が10月下旬に向けて切り札を突っ込んでくるだけで、実際はサプライズじゃない気がしますが(笑)
というわけで、アストリッドに期待してたのに弱いよー、弱い。
リヴァーの雪辱戦と、ペイトンへの復讐ならもっとガンガンいかないと!
カレンのほうがやる気になっちゃって【ペイトン暗殺】企ててるじゃんか・・。
父親に、冷酷なところが長所と言われているなら、もっと冷酷に!!
戦いは、力が拮抗してないと面白くないので。
そして、ペイトンは、自分も二股だったくせに、アリスの浮気(?)にショック受ける始末なんだよなー。
”ファーストレディーになる人は高校生の時のガールフレンド”設定が、アリスに去られると、崩れちゃうから焦るのはわかる。
計画通りに進まないとパニックになっちゃうからねー。
お金にものを言わせて、ハーバードで苦学生の弁護士目指してる美女と付き合えばいいのに・・とか思っちゃったけど。
それにしても、インフィニティーのゲイ差別発言が、あのたった一言だけだったとは、カルチャーショックだった。
日本だったら、ブチギレてる様子の方が叩かれそうだし、字幕だったからわたしにはわかんないけど、致命的な侮蔑用語だったんだね。
夜中に家に押しかけて激昂されたうえ、恋人に秒で別れを告げるほどの出来事だったとは。
日本なんか、政治家が失言してもよほどのことがない限り謝りもしないから、それが普通だと思っちゃってたので、”政治家たるものは本来失言は許されず、世相に反した言葉をオフレコでも言ってはいけない”という教訓になりました。
ここまで来てようやっとわかったけど、インフィニティー自身は自分も病気だと思っているみたいだし、前回の記事にも書いた通り、”具合の悪くなる何か”を投与されているようなので、ものすごーくかわいそうになってきた・・。
ペイトン、大統領になるならここが器の見せ所じゃないか・・?
人んちに夜中に押しかけて大騒ぎしているようじゃ、道は遠いぞ。
頭でっかちにならずに、ピンチに鷹揚に対応できる人間力を磨け!(笑)
なんたって、アメリカ大統領だし!
というわけで、それでは、また。
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