たま欄

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秋葉原が好きだ。

住みたい街、と言われるとちょっと違うのだけど、東京の秋葉原が好きだ。

 

 生まれ故郷もいい街だ。愛着も愛情もある。

自慢したいところがたくさんあるし、観光案内させてもらえれば確実に好きになってもらえる自信もある。

でも、よほどのことがない限り帰るつもりはない。

地元を出てみてはっきりわかったのだが、わたしは故郷に居心地の悪さを感じながら暮らしていたように思う。

街が悪いわけではなく、単に向き不向きの問題だ。

わたしは、田舎に向いていない人間だったのに田舎に生まれてしまった。

 

大人になってからは地元と、東京をはじめとする首都圏を頻繁に行き来するようになった。

人の多さにはいまだに辟易とする日々だが、その頃から都会は肌に馴染んだ。

一番心を楽にしてくれたのは【誰もわたしのことを気にしていない】ということだった。

人ごみに紛れていると、目立たないことにホッとしている自分が居た。

人が少ないと、些細なことで目立ってしまうのが田舎だった。

 

その後、地元での息苦しさが増してしまったわたしは、やっとの思いで地元を離れ、首都圏で働き、暮らすようになった。

ものすごい解放感だった。

地元でマイカーを運転するのは好きだったし、一人で好きなところに好きなように移動するのは楽しかった。

それでも、電車もすぐに好きになった。

通勤電車はストレスだけど、首都圏の交通網は田舎とは比べものにならない便利さだ。

地元では方向音痴と言われていたが、蓋をあけてみるとそうでもなかったので、電車移動にもすぐに慣れたし、街の名前もよく覚えた。

駅がひとつずれるだけで雰囲気がガラっと変わってしまうのは、東京をはじめとする首都圏ならではの特徴だと思う。

都会的で洗練されている青山からちょっと歩いただけで、原宿の竹下通りがあるのはカルチャーショックだったが、そこが東京の好きなところでもある。

 

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そして、今は秋葉原という街が好きだ。

初めて訪れたときの記憶は曖昧だが、駅前のアイコンであるUDXビルは既にあったように思う。

凄惨な事件が起きたときは心底悲しかった。

 

秋葉原は、いつも人がたくさんいるのに何故かそんなにうるさく感じない。

駅前には複数の家電量販店とオフィスビルが建ち並び、マニアックな趣味のお店もそこかしこにあり、そこに集う人たちが語らう飲食店もある。

いろんな趣味の人やビジネスマン、そして観光客を受け入れる受け皿があって、いろんな人向けのお店や建物がひしめきあっている。

 

【趣味の街】というのは正解なんだけれども、世の中には本当に無数に趣味があると教えてくれたのも秋葉原だ。

人の好きなものをダイレクトに見られるのが嬉しかったりもする。

駅から少し歩いたところには、ハンドメイドの職人さんたちのお店やお洒落なカフェが軒を連ねる【職人街】が高架下にあり、そういうものが趣味な人たちも秋葉原には来るし、物産館もわたしの好きなスポットだ。

もちろん、わたしの好きなアメコミのお店もある。

断捨離は嫌いじゃないが、ものがたくさんあるのも宝探しのようでワクワクする。

買わなくても、見ているだけで楽しい。

人の好きなものをこんなにたくさん目にすることは、地元では絶対出来ない体験でもある。

 

みんなそれぞれ、思い思いの好きをもって秋葉原に集まっている。

いろんな人種の人が居て、どこの国にいるのかわからなくなる雑多さもいい。

わたしも誰のことも気にしないし、誰もわたしのことを気にしない。

自由を謳歌できる街でありながら、不思議と孤独感は感じない。

 

そんな秋葉原だけど、いつか誰かの好きなものの話を秋葉原の街のなかでじっくり聞くことができたら、それはそれですごく楽しいんじゃないかとも思う。

 

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